ピンター研究の第一人者として知られる喜志は「ピンターの作品はよく分からないとか、難しいとおっしゃる方が多いのですが、近代のリアリズム演劇によくある行動の動機がすべて明確な劇というのは、かえってリアルではない気がします。誰かがある行動を取るという場合でも、時としてその当事者自身がなぜそれをやったかわからない。むしろこれが普通であるように思います」とコメント。同劇場の演劇芸術監督に就任した小川絵梨子たっての希望で、本作の演出を担う寺十は「わからないなりにですが、ディスカッションし合う中で、このカンパニーにおいての方向性が見えてきました。もちろん正解というものはないのですが。わからないとおっしゃりつつも、柄本さんが声を発するとやはり心に入ってくるものがある。こういう手応えが数日の稽古でも手に入りましたね」と稽古の様子を明かした。
「誰もいない国」は、11月8日から25日まで新国立劇場 小劇場にて上演。本作には柄本、石倉のほか、有薗芳記、平埜生成が出演する。
なおステージナタリーでは、新国立劇場 2018/2019シーズン開始にあたって特集を展開中。同シーズンのオープニング3作品より、「誤解」を演出する稲葉賀恵、「誰もいない国」の寺十、そして「スカイライト」を手がける小川が、作品への意気込みや演出家としての思い、また新たな門出を迎えた新国立劇場への期待をざっくばらんに語った。関連する特集・インタビュー
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高木登 Noboru Takagi @nueteki_0706
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