スーパー歌舞伎「ワンピース」開幕、猿之助が宙乗りで新アイテムのタンバリン鳴らす

「スーパー歌舞伎II（セカンド）『ワンピース』」が、本日10月6日に東京・新橋演舞場にて開幕。これに先がけて昨日5日に公開舞台稽古が行われた。

尾田栄一郎のマンガ「ONE PIECE」を原作に、四代目市川猿之助が演出を担当する本作。2015年10月から11月まで同劇場で初演され、文化庁芸術祭優秀賞を受賞するなど高い評価を獲得した。

今回の再演では、猿之助がルフィ、ハンコックを勤めるほか、市川右團次が白ひげ、坂東巳之助がゾロとボン・クレーとスクアード、中村隼人がサンジとイナズマ、尾上右近がサディちゃんとマルコ、坂東新悟がナミとサンダーソニア、平岳大がエースとシャンクス、嘉島典俊がブルックと赤犬サカズキ、浅野和之がイワンコフとセンゴクを演じる。

公開舞台稽古の前に行われた囲み取材には、猿之助が登壇。初日を前に「おかげさまで順調に仕上がっています。初演は足していく作業がてんこ盛りでしたが、再演の今回は引いていく作業で、さらに洗練されました。LEDの照明を背景に使いましたので、よりアニメ感が増しています」と語った。

ゆず・北川悠仁が書下ろし、初演時は女性歌手のRUANが歌った主題歌「TETOTE」については、「再演ではゆずが歌ってくれました。北川悠仁さんが『今回は歌うよ！』と言ってくれて実現したんです」と明かす。続いて猿之助は再演で初登場する応援グッズ“スーパータンバリン”を手に取り「尾田（栄一郎）先生に文字とイラストを描いていただいて、定式幕カラーになっています。劇中で一緒に鳴らしてもらえたらうれしいです」と紹介。劇場限定で販売されるこのアイテムは、第二幕の宙乗りの場面で使うことができる。

猿之助は「フランスでやりたいという話もありましたので、いずれ海外公演を実現できたら」と展望を語り、「再演ですが、まったく新しいと言っていいくらい作りが変わっていますし、若手に出番を譲って上演する『麦わらの挑戦』もあります。ぜひ足をお運びください」と観客に呼びかけた。

公開舞台稽古は、ルフィ率いる麦わら海賊団が航海の途中で立ち寄ったシャボンディ諸島のシーンから始まった。ルフィは世界貴族・天竜人を殴った罪で、海軍から追われる身となる。果敢に立ち向かい、立廻りを見せる麦わらの一味だったが、バーソロミュー・くまの巨大肉球パンチにより散り散りに吹き飛ばされてしまう。

女帝ボア・ハンコックが治める男子禁制の島、アマゾン・リリーへと飛ばされたルフィ。猿之助はルフィとハンコックの2役を早替りを交えながら演じた。宴会の場面で猿之助がダンサーと魅せる“腕ダンス”も見どころだ。

2幕では監獄島・インペルダウンに収監され、海軍に公開処刑を宣告された兄・エースをルフィが救出に向かう展開に。ルフィは監獄の中で旧友のボン・クレーと再会し、看守たちとの戦いを繰り広げる。約10トンもの本水が舞台上に溢れる中、革命戦士のイナズマとボン・クレーが死闘を演じる。水飛沫は客席にまで及び、観客からは歓声が上がった。また海軍本部へ向かうルフィが、主題歌「TETOTE」に乗せて宙乗りを披露する“ファーファータイム”では、観客が総立ちとなり、タンバリンや手拍子で声援を送った。

3幕では、海軍本部のマリンフォード広場を舞台とした海賊と海軍の“頂上戦争”が描かれる。元帥センゴクや、赤犬サカズキら海軍三大将をはじめ海軍全軍が、エースを救いに来た白ひげ海賊団を待ち構え、波乱に満ちた戦いの火蓋が切って落とされる。ここでは、白ひげ海賊団のマルコが不死鳥の姿となって客席3階から舞台へ宙乗りする場面も。プロジェクションマッピングを駆使しながら“悪魔の実の能力者”たちのバトルシーンが表現されるなど、ケレン味たっぷりの演出でクライマックスに向けての物語が紡がれた。

「スーパー歌舞伎II（セカンド）『ワンピース』」は、11月25日まで。なお「特別マチネ『麦わらの挑戦』」では、猿之助がシャンクス、右近がルフィとハンコックを勤める。