7月に東京・東京芸術劇場 プレイハウスにて上演されるティモフェイ・クリャービン演出「
ティモフェイ・クリャービンは、2019年に東京芸術劇場 プレイハウスで上演された“全編手話で演じられる「三人姉妹」”を手がけた演出家で、今回はイプセン「人形の家」を、現代のスマートフォン中心の生活に移して描き出す。劇中では、セリフの8割が登場人物たちの手元のスマホによってやり取りされ、その画面が舞台上にあるスクリーンに映し出される。本作のタイトルロールを
クリャービンは、「画面を通じてのオーディションから、やっと本物の俳優さんたちにお目にかかることができ、とてもうれしいです。『NORA』の登場人物たちも、最初は画面越しにコミュニケーションを撮っていくのですが、最後は直接の会話となります。本日皆さんとお会いして、素晴らしい演劇ができるのではないかと確信しました」と話す。
黒木も「私もやっとこうしてティモフェイさん、そして共演の方たちと会えたので、これからどんな旅路になるのかなとすごく楽しみにしてます」とあいさつ。勝地は「この会見の前に1時間弱ぐらい、作品についてティモフェイさんのお話を聞き、自分たちの役を自分たちで作っていく感じの舞台になると思うので、すごく今からワクワクしています」と意気込む。鈴木は「僕は外国の演出家の方とご一緒するのは初めてで、通訳さんを介しての演出を受けるのも初めてでワクワクしています。しっかりとした信念をお持ちの演出家さんなので、そこに自分自身も精一杯ついていきたいなと思っております」と話した。
本作ではスマートフォンを使った演出が肝となる。クリャービンは、「実際の生活から生まれたアイデア」だと言い「この数年、言葉で会話をするのではなく、携帯越しでのコミュニケーションが多くなったなということに気がつきました。これはコミュニケーションの手段というよりは、もう新たな言語が生まれたと言っていいのではないでしょうか。この新しく生まれた言語がどのようなものかを演出家としてはすごく探求していきたくなったんです」と言う。黒木は「現代の人にとって切っても切り離せない存であるスマホを使って、みんなが知っている『人形の家』という作品を立ち上げると、どんなふうに見方が変わるのか気になります」とうなずく。勝地は「『人形の家』の原作では、家族として8・9年一緒に過ごしていてもお互いのことが変わらなかった、ということが描かれますが、現代はスマホがあることで、いつでも連絡は取れるのだけれど思いが伝わっていないということがあります。本当に大切なものは別にある、ということなのかなと感じます」と思いを述べる。鈴木は「(文字でのやり取りになるので)ワンチャン、セリフ覚えなくていいのかなと思いましたが……」と笑いを取りつつ、「実際に(俳優が)打ち込んでいる携帯の画面が舞台のスクリーンに投影されるので、『お客さんが飽きないようにものすごい速度で(文面を)打ってくれ』とティモフェイさんに言われまして(笑)。セリフをちゃんと伝えつつ、ものすごい速度でメールで会話するということに、今、絶望しております」と言い、大きな笑いを起こした。
またタイトルロールを演じる黒木の印象を問われると、クリャービンは「私は自分の直感に忠実な演出家です。黒木さんをノラ役に選んだのは、直感です。この人は私を理解してくれるし、私も理解できるだろうという直感。稽古というのは私にとって仕事ではなく生活の一部です。7週間、同じ俳優たちと過ごすわけですから、皆さんが私の人生の一部になっていく。だから、いい人たちであってほしい。この人たちだったら面白いことができる、と感じたのでこちらにいらっしゃる皆さんを選びました」と俳優たちに優しい視線を向けた。
最後に黒木が観客に向けて「本当に面白いものになるんじゃないかなと感じています。自分自身、ティモフェイさんとここにいる共演者たち、今日ここに来られなかった共演者と一緒に、どんなものができるのかすごくワクワクしていますので、ぜひ皆さんにもその感覚を経験してほしいなと思います。劇場に観に来てほしいです」とメッセージを送り、会見を締めくくった。
NORA
開催日程・会場
2026年7月15日(水)〜26日(日)予定
東京都 東京芸術劇場 プレイハウス
スタッフ
原作:
演出:ティモフェイ・クリャービン
出演
※地方公演あり。
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【会見レポート】「NORA」演出のクリャービンが黒木華に信頼寄せる「この人は私を理解してくれる」
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