三好十郎が発表した「廃墟」は、敗戦直後の東京を舞台に、焼け野原の廃墟に住む柴田家の人々の姿を描いた物語。金に困り、飢えに苛まれる一家の父、長男、次男はそれぞれの戦争観や思想の違いから対立する。次女はそんな男たちの争いに反発し、ただ人間を許し信じようとしていた。
今回の上演では、男女の配役を逆転させ、同作をより普遍性の高い物語として再構成する。出演者には劇団員のほか、サラダボール作品に出演経験がある東京の俳優と、四国学院大学演劇コースに在籍する学生が名を連ね、香川・ノトスタジオにて滞在製作される。
なお2011年から拠点を香川県善通寺市に移し、新メンバーも加わったサラダボールは、今回の四国ツアーを皮切りに本格始動となる。主宰の
西村和宏コメント
三好十郎は敗戦の年、ラジオから聞こえてくる玉音放送を前に悲しいわけでも腹立たしいわけでもなく、ただ子供のように泣いたという。なぜ泣いたのか、その理由を知りたくて、この戯曲を書いた。
日本が廃墟の前で呆然と立ち尽くした翌年に、日本を代表する劇作家が“日本の敗戦”に真正面から取り組んだ対話劇を上演することで、私はこの72年の歩みを観客とともに考えたい。
そして、問いたい。「日本よ、お前は成長したか?」
香川県に居を移して7年になりました。劇団としては初の四国ツアーになります。このツアーが、サラダボールはここ四国を拠点に現代演劇を発信していきます、という決意表明のようになればいいなと思っています。とはいえ、肩に力をいれすぎないようにします、はい。四国の皆様、劇場でお会いしましょう。
サラダボール「廃墟」
2017年9月16日(土)~18日(月・祝)
香川県 四国学院大学 ノトススタジオ
2017年9月23日(土・祝)・24日(日)
愛媛県 シアターねこ
2017年9月30日(土)・10月1日(日)
高知県 蛸蔵
作:三好十郎
構成・演出:
出演:
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kazunishi @kazunishi
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