維新派の松本雄吉、食道がんのため69歳で逝去

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劇作家・演出家の松本雄吉が、食道がんのため6月18日3:25に逝去した。享年69。通夜および密葬は、故人の遺志により劇団関係者によって執り行われた。

松本は1946年10月10日、熊本県天草市生まれ。1970年に日本維新派を結成し、1987年に維新派に改名した。1991年に東京・汐留のコンテナヤードにて上演された「少年街」より、リズムに乗せて大阪弁で語る独自の表現スタイル・ヂャンヂャン☆オペラの手法を確立。公演ごとに作られる野外の特設劇場など独自の世界観で、観客を魅了してきた。2000年に初めての海外公演をオーストラリア・アデレードのフェスティバルにて行い、以降もヨーロッパ・南米・オセアニアへのツアーやシンガポールなど、海外でも多く公演を行ってきた。

代表作に、岡山県犬島の銅精錬所跡地内に劇場を建てた「カンカラ」、滋賀・びわ湖上に舞台を作った「呼吸機械」など。2015年9月には、奈良県曽爾村にて夜空や山の尾根を背景に40名以上の出演者たちが山間の運動場を駆け巡る野外劇「トワイライト」を演出した。劇団外では、天野天街と共に上演台本を担当し2013・2015年に上演された寺山修司作「レミング~世界の涯まで連れてって~」や、今年2月から3月にかけて公演が行われた林慎一郎脚本「PORTAL」を手がけた。

受賞歴は2005年に「キートン」で第12回読売演劇大賞演出家部門優秀賞、2009年に「呼吸機械」で朝日舞台芸術賞アーティスト賞と芸術選奨文部科学大臣賞、2011年に紫綬褒章、2015年に「透視図」で大阪文化賞と多数。

後日、有志による偲ぶ会の開催が予定されている。なお維新派が今秋奈良市にて上演を予定していたアジアをテーマにした新作野外公演の上演については、現在協議が進められている。

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中西理@演劇舞踊評論 @simokitazawa

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