維新派を演劇史や美術史、都市論からひもとく「漂流の演劇」刊行

「漂流の演劇 ―維新派のパースペクティブ」（大阪大学出版会）が本日8月8日に刊行された。

「漂流の演劇 ―維新派のパースペクティブ」は1970年の結成以降、大阪を拠点にさまざまな場所で公演を行い、主宰・松本雄吉の死去後、2017年に解散した維新派を多角的な視点で考察した書。「劇場×芝居」「音楽×言語」「時代×都市」「旅×松本雄吉」と章立てし、演劇史や美術史における維新派の立ち位置をひもとき、その魅力に迫る。

筆者には、近代大阪の美術史を専門とする橋爪節也、人間行動学・視聴覚文化研究の細馬宏通らが名を連ねた。中でも極東退屈道場の林慎一郎は松本とタッグを組んだ「PORTAL」を振り返り、contact Gonzoの塚原悠也は松本についての記憶を語った。帯に記されたのは「維新派とは一体なんだったのか」という問いかけ。それを読み解く1つの鍵として、本書は維新派ファンの手助けになるはずだ。価格は税別2800円。