ムック年内ツアー終幕「またシャングリラで会いましょう」

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ムックが最新アルバム「シャングリラ」を携えてのZeppツアー「MUCC Tour 2012 "Shangri-La"」を全国3会場で実施。このツアーファイナルが、12月9日に東京・Zepp DiverCity TOKYOにて行われた。

観客を煽るように激しく動き回りながらプレイするミヤ(G)とYUKKE(B)。

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アンコールでのMC中の様子。メンバーのリラックスした表情が伺える。

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アルバムの世界をオーディエンスにダイレクトに届けるべく、映像演出を一切入れず、演奏と照明のみのシンプルなスタイルでツアーを回ったメンバーたち。年明けから再び「シャングリラ」を携えての新規ツアーを控えながらも、「MUCC Tour 2012 "Shangri-La"」は千秋楽ということで、この日は特に気迫のこもったパフォーマンスが繰り広げられた。なお今回のツアーでムックの4人は「シャングリラ」の楽曲を全曲披露しつつ、懐かしい楽曲を挟み込むセットリストを用意。本編では1ブロックあたりの曲数を多くし、タイトかつストイックなステージを展開した。

ライブの幕開けを飾ったのは、アルバムの1曲目「Mr. Liar」。シンフォニックなイントロにミヤ(G)の激しいギターが重なり、場内はたちまち熱気で満たされる。逹瑯(Vo)が「Are you ready?」と観客に問いかけると、怒号のような歓声があがり狂騒状態に拍車がかかった。さらにミヤの咆哮から始まる「ステラ」、SATOち(Dr)のマーチングドラムから始まり、逹瑯のダイナミックな動きが目を引く「G.G.」が畳み掛けるように披露される。

「アルカディア featuring DAISHI DANCE」「ネガティブダンサー」とダンサブルな楽曲を届けたあとで逹瑯がMCを行う。「"Shangri-La"ツアーいい感じできてるんじゃないでしょうか。暴れ倒して、踊り倒して、騒ぎ倒して帰ってください。俺らのこともぐっちゃぐちゃにして、誰よりも馬鹿になって帰ってください!」と煽り、中盤のブロックへと突き進んだ。

ここで披露されたのは、怒気をはらんだ逹瑯の歌声が観客を圧倒した「ハニー」や、YUKKE(B)の弾くアップライトベースが艶のある雰囲気を醸し出した「ピュアブラック」など。「夜空のクレパス」ではステージを青い照明が彩り、突き抜けるようなサウンドと情感がほとばしる逹瑯の歌声を盛り上げていく。特に観客の度肝を抜いたのは「狂乱狂唱~21st Century Baby~」の演出。スモークが炊かれ緊迫した空気が漂う中、逹瑯が自分の身長ほどあるお立ち台に乗って姿を見せる。彼はグロウルをしながら、アジテートするような仕草でオーディエンスを圧倒。その強烈な歌声とSATOちのパワフルなドラムに合わせてフロアが大きく揺れた。

「オルゴォル」を届け終わると逹瑯が再びMCを開始する。「楽しんでますか? ちなみに私はすごい楽しいです。『シャングリラ』って発売されてまだ2週間だよね? 今までのリリースツアーの中で一番楽しいツアーです」とライブを満喫していることを伝える。続けて「踊れる? 本気見せてくれる?」という挑発的な言葉を投げかけ「フォーリングダウン」へと流れ、さらに「風と太陽」「YOU & I」と怒濤のような展開をみせた。おなじみの一斉ジャンプが繰り広げられた「蘭鋳」を経て、最後は深遠な雰囲気が漂う「シャングリラ」へ。轟音のギターを軸とした壮絶なサウンドスケープを観客は全身で受け止める。そしてまだ残響が聴こえる中、仁王立ちになって歌っていた逹瑯がふっと力を抜き、静かにフロアに向かって深々とお辞儀をする。すると厳かな拍手が響き、それを背に4人は静かな足取りで順番に楽屋に足を向けた。

アンコールでTシャツに着替えたメンバーは、ステージに戻ってくるなりトークを始める。YUKKEがライブ直前に楽屋で怒り狂った一件や、マネージャーとミヤの寝坊事件が暴露され、当事者たちが苦い表情を浮かべる一幕も。その一方で4人は口々に「まだ4本しかやってないけど、今回のツアーすごく楽しい」「2月からまた全国を回れるかと思うとうれしい」とツアーに確かな手応えを感じている様子だった。

そんなアットホームな空気からアンコールの1曲目「Marry You」でハッピーな雰囲気が倍増。さらにアッパーな「名も無き夢」、逹瑯のグロウルとシャウトが炸裂する「MAD YACK」がプレイされ、場内の熱気が再び上がっていく。「ありがとう。また来年"Shangri-La"で会いましょう」という再会を約束する言葉から、ラストナンバーの「MOTHER」が始まる。聴き手を包み込むような逹瑯の歌声に、たゆたうようなサウンドが絡み、壮大な空気が作り出される。全21曲の演奏が終わると逹瑯は「サンキュ」と告げると、ひと足先に退場。ミヤ、YUKKE、SATOちの3人はその場を去りがたそうにしながら、ピックやスティックをファンにプレゼントする。そして逹瑯と同じく満面の笑顔でステージをあとにした。

なお今回のツアーの続きとなる「MUCC Tour 2013 "Shangri-La"」は、2月1日の東京・LIQUIDROOM ebisuを皮切りに3月30、31日の東京・NHKホールまで18公演が開催される。「シャングリラ」の楽曲が今度はどんな形で再現されるのか、期待が集まるところだ。

ムック「MUCC Tour 2012 "Shangri-La"」
2012年12月9日 東京都 Zepp DiverCity TOKYO公演セットリスト

01. Mr. Liar
02. ステラ
03. G.G.
04. アルカディア featuring DAISHI DANCE
05. ネガティブダンサー
06. ニルヴァーナ
07. ハニー
08. ピュアブラック
09. 終着の鐘
10. 夜空のクレパス
11. 狂乱狂唱~21st Century Baby~
12. オルゴォル
13. フォーリングダウン
14. 風と太陽
15. YOU & I
16. 蘭鋳
17. シャングリラ
<アンコール>
18. Marry You
19. 名も無き夢
20. MAD YACK
21. MOTHER

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