THE NOVEMBERSによる東名阪ツアーの最終公演が、11月17日に東京・LIQUIDROOM ebisuにて行われた。
このツアーは2009年から毎年11月に行われている「November Spawned A Monster」と題した彼らの恒例行事。ライブは1曲目「Harem」から幕を開け、ネオサイケ風の「Reunion with Marr」と続く流れで、新作CD「GIFT」の世界を表現していく。同じく「GIFT」収録の「Slogan」は、高松浩史(B)の印象的なベースラインに導かれるように始まり、ケンゴマツモト(G)の色彩豊かなシンセ、自由な展開を見せる小林祐介(Vo, G)のギターソロで空間を拡張。演奏が終わると、静かに聴き入っていた観客から大きな拍手が起きた。
ライブ中盤では前作「To (melt into)」から「日々の剥製」を披露したほか、まだライブでしか演奏されていない「Stay Away」でダークな世界を描き出す。終盤に向けては、イントロで男性ファンの絶叫が起こったハードチューン「dnim」や、ループするギターと吉木諒祐(Dr)による独特のリズムが絡み合う「Gilmore guilt more」でプログレッシブなニュアンスも提示。ハードな疾走感を持つ「dysphoria」を経て「白痴」を歌い終えた小林は満員のフロアに向けて「サンキュー!」と絶叫した。
そして小林は「実は『THE NOVEMBERS』ってEPでデビューした日が11月7日だったんですが『GIFT』も11月7日で。昔の自分との対比が多くて、いろんな必然が多いアルバムなんですけど、だから出せてよかった」と感慨に満ちた言葉を述べつつ、新作のラストに収録されている「GIFT」を演奏。大きな広がりを感じさせるバンドの演奏と小林のイノセントな歌声が、雲の中や水面を映した映像とともに会場内を彩り、ライブ本編は一旦終了となった。
アンコールを求めるオーディエンスの拍手に応えて再びステージに登場した4人は、本編のテンションから一転してゆるいトークを展開する。特に小林が長年のファンであるCharaが「GIFT」を聴いてくれたことを知ったときの自身の狼狽ぶりを告白する場面では、観客もそれぞれにリラックスした笑顔を見せていた。そして「今日みたいな日は今日しかないから、立ち会ってくれてありがとう」という小林の言葉に導かれるようにバンドは「ウトムヌカラ」「Misstopia」を届け、この日のステージは幕を閉じた。
なおTHE NOVEMBERSは2013年1月に「THE NOVEMBERS x LILLIES AND REMAINS Presents『Sigh』」と題した自主企画イベントを東名阪3カ所で開催する。
THE NOVEMBERS x LILLIES AND REMAINS Presents「Sigh」
2013年1月11日(金)愛知県 名古屋池下CLUB UPSET
2013年1月12日(土)大阪府 心斎橋CONPASS
2013年1月13日(日)東京都 LIQUIDROOM ebisu
<出演者>
THE NOVEMBERS / LILLIES AND REMAINS / ULTERIOR(from UK)
※記事初出時、ライブ開催日の記述に誤りがありました。訂正してお詫びいたします。
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音楽ナタリー @natalie_mu
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