KREVAがヒップホップ×クラシックに挑戦、オーケストラと作り上げた豊潤な音楽空間

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KREVAがクリスマスイブの12月24日に東京・東京文化会館大ホールでオーケストラ公演「billboard classics『KREVA Premium Orchestra Concert』~produced by 武部聡志」を行った。

KREVAとは?

1976年生まれ、東京都江戸川区育ち。BY PHAR THE DOPEST、KICK THE CAN CREWでの活動を経て2004年にシングル「音色」でソロデビューを果たす。2006年2月リリースの2ndアルバム「愛・自分博」はヒップホップソロアーティストとしては初のオリコンアルバム週間ランキング初登場1位を記録し、2008年にはアジア人のヒップホップアーティストとして初めて「MTV Unplugged」に出演した。2012年9月08日に主催フェス「908 FESTIVAL」を初開催。“9月08日”は“クレバの日”と日本記念日協会に正式認定されている。さまざまなアーティストへの楽曲提供やプロデュース、映画出演など幅広い分野で活躍しており、2011年には初の著書「KREAM ルールなき世界のルールブック」を刊行。2024年にソロデビュー20周年を迎えた。4月に事務所を独立後、小林賢太郎氏を脚本・演出に迎え、“授業型エンタテインメント”「KREVA CLASS -新しいラップの教室-」を全12公演開催。6月にソロ20周年イヤー突入と同時にビルボードライブツアーを東京、大阪で開催。2025年2月には10thアルバム「Project K」を発表、3月から6月まで「BACK TO BASICS」をテーマに19都市21公演の全国ツアー「KREVA LIVE 2025『Project K Tour』」、9月8日の“クレバの日”には「908 ON THE DAY」を東京・東京ガーデンシアターにて開催。作詞、作曲、トラックメイク、ラップ、さらにはプロデュースをすべて自身で行うなど各方面で才能を発揮している。

「billboard classics『KREVA Premium Orchestra Concert』~produced by 武部聡志」の様子。(撮影:石阪大輔)

「billboard classics『KREVA Premium Orchestra Concert』~produced by 武部聡志」の様子。(撮影:石阪大輔)

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KREVA、ブラックレザーの燕尾服で登場

東京文化会館は上野の森に佇むクラシックの殿堂。観客がホールに足を踏み入れると、ステージに第1ヴァイオリン8名を筆頭とする総勢50名超のフルオーケストラが出迎える。その中心には1台の電子ドラムセットが鎮座しており、普通のオーケストラ公演ではないことを匂わせた。コンマスの大槻桃斗によるチューニングを経て、本公演の指揮および披露する楽曲の編曲を担当した岩城直也が登場。岩城の指揮でオーケストラが「きよしこの夜」「もろびとこぞりて」を奏で、ホールの空気を一気にクリスマス色に染め上げる。高揚した空気がホールを満たしたとき、「Forever Student」のイントロが響き武部聡志(Piano)とKREVAがステージへ。全身黒のレザーの燕尾服に身を包んだKREVAは、流麗なアンサンブルに乗せてラップを繰り出し、さっそくヒップホップとクラシックの融合という実験的な試みを成功させる。

「billboard classics『KREVA Premium Orchestra Concert』~produced by 武部聡志」の様子。(撮影:石阪大輔)

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音楽の楽しみ方にルールはない

武部が「このコンサートはヒップホップとオーケストラの融合を目指して、皆さんが観たことのないパフォーマンス、聴いたことのないサウンドをお届けできるんじゃないかと」と自信をのぞかせると、KREVAは「ここに立っていると皆さんの拍手が俺に降り注いでくるような感覚があります。とても気持ちいいです。俺は降り注がれる拍手、お前らが思ってるより好きだよ(笑)」と会場の音の響きについて言及。そして「武部さんが、念願叶って俺とやれるって言ってくれました。非常に光栄です。だから、俺は俺のやり方をゴリゴリ通す、そんなことはしようとは思ってません。フルオーケストラとやれるんだったら、そのマナーにしっかり則っていきたいと思ってます。みんなにはいろんなルールがあると思いますが、音楽の楽しみ方にルールはないです。あるのは、マナー。フルオーケストラでのラップ、日本でこんな会場で見られるのを本当に初めてだと思います。しっかり、俺が作ってやる、『基準』!」と宣言し、「基準」「No Limit」をオーケストラならではの迫力たっぷりのサウンドに乗せて、力強くパフォーマンスした。

KREVA(撮影:石阪大輔)

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「居場所」や「瞬間speechless」では武部が弾くピアノ、ストリングスが重なり合い優しい空間を紡ぐ中、KREVAの伸びやかな声が響く。また、シンフォニックなアレンジの「アグレッシ部」は、生のオーケストラ演奏によって楽曲の世界観が臨場感たっぷりにオーディエンスに届けられた。

「billboard classics『KREVA Premium Orchestra Concert』~produced by 武部聡志」の様子。(撮影:石阪大輔)

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“武部サンタ”が観客にプレゼントしたのは

休憩を挟んだ後半では、“武部サンタ”からのプレゼントが。かつて日比谷野外大音楽堂のクロージングイベントで、武部は自身がプロデュースした一青窈「ハナミズキ」をKREVAのラップと高校生の合唱で届けたエピソードを語り、「そのときに書いてくれたKREVAオリジナルの歌詞がものすごく感動的で。その続編として、同じ一青窈のデビュー曲『もらい泣き』にKREVAがラップをつけてくれました」と口にする。KREVAも「今後一切聴けない可能性もあります」とレア感を煽り、「もらい泣き」とKREVA「Link」のマッシュアップという、「KREVA Premium Orchestra Concert」ならではの1曲をオーディエンスに届けた。

武部聡志(撮影:石阪大輔)

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コンサート本編のクライマックスを彩ったのは、オーケストラとピアノのサウンドだけでKREVAがラップをする「Expert」、「カノン」の旋律を引用した「イッサイガッサイ」、そしてKREVAが音楽への尽きせぬ思いを込めた「音色」。フルオーケストラの芳醇な演奏が、KREVAが長いキャリアの中で作り出してきた楽曲に新たな彩りと解釈を加え、オーディエンスをうっとりとさせた。

「今日歌わないで、いつ歌うんでしょうか!」

アンコールで武部が「このライブが決まって、このスケジュールが決まったときに絶対にこの曲をやりたいと思ったんです」と口にすると、KREVAが「クリスマスイブにこの曲をやったことはないかもしれないです。今日歌わないで、いつ歌うんでしょうか!」と期待を煽る。そんなひと幕を経て始まったのは、KICK THE CAN CREWの代表曲の1つである「クリスマス・イブRap」。再び奏でられる「カノン」のリフと、KREVAから繰り出されるメランコリックなラップに、会場はクリスマスムード一色に。

「billboard classics『KREVA Premium Orchestra Concert』~produced by 武部聡志」の様子。(撮影:石阪大輔)

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ラストナンバーは「Na Na Na」。KREVAが「素晴らしい楽器、演奏をたくさん聴いて感じてもらいました。でも、あなたがた1人ひとりも、素晴らしい楽器を持ってます。それはあなたがたの声です。ラストは全員で一緒に演奏しようじゃありませんか!」と呼びかけると、オーディエンスは一斉に立ち上がり、オーケストラの演奏に合わせてKREVAと一緒に大合唱。幸福な余韻が残る中、KREVAは「来年以降も、ずっとずっとKREVAを、音楽を愛してください! メリークリスマス! 解散!」と彼らしい言葉でファンに別れを告げ、オーケストラ公演に幕を下ろした。

笑顔で去るKREVA。(撮影:石阪大輔)

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セットリスト

「billboard classics『KREVA Premium Orchestra Concert』~produced by武部聡志」2025年12月24日 東京文化会館 大ホール

01. Overture
02. Forever Student
03. 基準
04. No Limit
05. C'mon, Let's go
06. 居場所
07. 瞬間speechless
08. アグレッシ部
09. EGAO
10. 成功
11. 国民的行事
12. もらい泣き×Link
13. Expert
14. イッサイガッサイ
15. 音色
<アンコール>
16. クリスマス・イブRap
17. Na Na Na

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🪼🩵かな💙🪼 @jubiken39

【ライブレポート】KREVAがヒップホップ×クラシックに挑戦、オーケストラと作り上げた豊潤な音楽空間(写真13枚) https://t.co/JQqxfCXjiu

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