Adoが舞った未発表の新曲「アイ・アイ・ア」
ドームツアーにはオープニングアクトとして、Adoによるプロデュースのもと“レトロホラー”をコンセプトに掲げて活動を行っているアイドルグループ・
ステージに姿を現したAdoは、火柱に彩られながら「踊」で勢いよくライブを開始。ライブ序盤から惜しみなく代表曲の1つ「唱」を投下し、ドームをすさまじい熱気で満たす。疾走感あふれるロックナンバー「リベリオン」ではバンドメンバーが生み出すグルーヴィなサウンドをバックに、シャウトするように力強い歌声を響かせた。
地鳴りのようなコールがドームに広がったのは、映画「ONE PIECE FILM RED」の劇中歌「逆光」。「私は最強」ではみずみずしい歌声とともに晴れやかなエネルギーが場内いっぱいに広がった。ミラーボールの光が場内を彩った「夜のピエロ」やJax Jonesとのコラボ曲「Stay Gold」ではドームが巨大なダンスフロアと化していく。さらにAdoは10月に配信リリースしたアニメ「キャッツ♥アイ」オープニングテーマ「MAGIC」を披露。スクリーンに映し出された夜のビル街を背景に、レトロポップの要素を取り入れたこの曲をダンサブルに歌唱した。
ライブ中盤を迎え、Adoはブレイクのきっかけになったキラーチューン「うっせぇわ」を熱唱。その後も椎名林檎の提供曲「行方知れず」やテレビドラマ「ビリオン×スクール」の主題歌「ルル」を立て続けに届け、会場の熱気をとどまることなく引き上げていった。さらにAdoは未発表の新曲「アイ・アイ・ア」をパフォーマンス。赤いカーテンに彩られたステージを舞いながら表現豊かに歌い、客席から大きな歓声を浴びた。
よだかって私みたいだなとずっと思っていた
Siaの世界的なヒット曲 「Chandelier」をスケール感たっぷりに歌い上げたAdo。彼女は「ずっと歌いたかった曲をやります。After the Rainにリスペクトを込めて」と告げると、After the Rainの「彗星列車のベルが鳴る」を爽快にパフォーマンスする。さらにwowaka（ヒトリエ）の「アンノウン・マザーグース」をカバーしたあと、Adoは「0」「Episode X」をエモーショナルに披露した。
Adoは「よだか」というツアータイトルについて「私が好きな宮沢賢治の『よだかの星』が由来です。醜いよだかが星になるお話なのですが、よだかって私みたいだなとずっと思っていて」と話を切り出す。そして「私はドームにふさわしい人間にならないといけないと思って、背伸びをし続けてきたのですが、よだかはそういうものじゃないかもしれないなと思ったり……」とこれまで抱いていた自身の焦りを吐露し、「取り繕うのはやめようかなと。このツアーの先は、もっと自分に向き合おうと思っています」と決意を述べた。「このドームにAdoとして立てて、こんなにたくさんの皆さんに会えてうれしくて仕方がないです。今日は本当にありがとうございました！」とAdoはオーディエンスに伝え、火花が吹き上がる中で「いばら」を歌唱してステージをあとにした。
私は私のまま生きてみよう
アンコールを求める拍手に呼ばれたAdoは、気球に乗って登場してオーディエンスを驚かせた。彼女は気球で会場を回りながら「阿修羅ちゃん」「きっとコースター」を楽しげに歌唱。さらに感謝の思いを込めるように「わたしに花束」を優しく届けた。ステージに戻ったAdoは、有名になっていく“Ado”という存在と、自分自身が乖離していくことへの葛藤を時折涙で声を詰まらせながら明かし、「これから、私は私のまま生きてみようかなと思った。私はみんなが思っているような美しい人間でも、カッコいい人間でもない。でも、それも私だってちゃんと思えるように、私はここから前に進もうと思っています」と前を見据えて語った。
「これまで私のことをたくさん助けてくれたボカロと歌い手、私の歌を信じてきてくれた皆さん、そしてクローゼットで泣いている私に向けて」とAdoが述べ、最後に歌い上げたのは「心という名の不可解」。熱いコールを浴びながら、Adoは剥き出しの歌声をドームに響かせてライブに幕を下ろした。
セットリスト
Ado「Ado DOME TOUR 2025『よだか』」2025年11月11日 東京ドーム
01. 踊
02. 唱
03. リベリオン
04. 逆光
05. 私は最強
06. 夜のピエロ
07. 抜け空
08. Stay Gold
09. MAGIC
10. うっせぇわ
11. 行方知れず
12. ルル
13. アイ・アイ・ア (未発表曲)
14. ロックスター
15. 風と私の物語
16. Chandelier（Siaカバー）
17. 彗星列車のベルが鳴る（After the Rainカバー）
18. アンノウン・マザーグース（wowakaカバー）
19. 0
20. Episode X
21. いばら
＜アンコール＞
22. 阿修羅ちゃん
23. きっとコースター
24. わたしに花束
25. 心という名の不可解
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