星野源ツアー「エピソード2以降」中野サンプラザで無事完結

2

228

この記事に関するナタリー公式アカウントの投稿が、SNS上でシェア / いいねされた数の合計です。

  • 105 141
  • 9 シェア

星野源の全国ツアー「エピソード2以降」が、昨日2月20日の東京・中野サンプラザ公演にて千秋楽を迎えた。

ステージのうしろには、アルバム「エピソード」のジャケットイラストが掲げられた。(撮影:TEPPEI)

ステージのうしろには、アルバム「エピソード」のジャケットイラストが掲げられた。(撮影:TEPPEI)

大きなサイズで見る(全4件)

中盤で着ていたカーディガンを脱ぎ、丁寧にたたみテーブルの上へ乗せた星野。「あとで着るかもしれないでしょ?」と几帳面な性格を伺わせた。(撮影:TEPPEI)

中盤で着ていたカーディガンを脱ぎ、丁寧にたたみテーブルの上へ乗せた星野。「あとで着るかもしれないでしょ?」と几帳面な性格を伺わせた。(撮影:TEPPEI)

大きなサイズで見る(全4件)

旧知の仲であるアーティストたちとのセッションに興じる星野。(撮影:TEPPEI)

旧知の仲であるアーティストたちとのセッションに興じる星野。(撮影:TEPPEI)

大きなサイズで見る(全4件)

「家族なんです」を歌う前にはドラマの撮影現場のエピソードを披露した星野。DVDのリリースもちゃっかり告知した上、「ヒロユキおじさんだよー!」と叫んだ。(撮影:TEPPEI)

「家族なんです」を歌う前にはドラマの撮影現場のエピソードを披露した星野。DVDのリリースもちゃっかり告知した上、「ヒロユキおじさんだよー!」と叫んだ。(撮影:TEPPEI)

大きなサイズで見る(全4件)

最新アルバム「エピソード」を携え、1月下旬に札幌からスタートした「エピソード2以降」。伊賀航(B)、伊藤大地(Dr / SAKEROCK)、高田漣(Pedal Steel Guitar)という星野のライブには欠かせない面々が全公演に帯同したほか、東京公演を含む3公演に横山裕章(Key)とホーン隊が参加。星野は豪華メンバーを従え、自身のソロとしてのキャリアを凝縮したパフォーマンスと本人曰く“くだらない”トークで満員のオーディエンスを楽しませた。

定刻を迎え会場が暗くなると、ステージにスクリーンが掲げられる。何が映し出されるのか観客が喜々と視線を送る中、映し出されたのは椿鬼奴の姿だった。前説を頼まれたという彼女はホイットニー・ヒューストンの名曲「Saving All My Love For You」を独特のしゃがれ声で歌い上げつつ、星野の目の下にクマがある疲れた雰囲気が好きと告白。「疲れている星野さんを元気付けるようにして」と懇願し、観客の笑いと拍手を呼んだ。

そんな紹介で登場した星野は、セミアコースティックギターを爪弾きながらライブのオープニング「歌を歌うときは」を歌い上げ、一瞬で“星野源の世界”に観客を誘う。そして歌い終えると「すげえ! すげえ!」と広い会場を見渡し満足げ。人懐っこい笑顔を浮かべ「今日はのんびりやりたいと思います」と宣言して、伊賀と伊藤の2人を呼び込みトリオ編成で「グー」と「茶碗」の2曲を届けた。そのまま流れるようにMCに入ると星野は、メンバー紹介を兼ねた暴露大会を開始。伊賀を紹介する際は、ウッドベースを忘れて会場入りしたことをバラした上、差し入れの寿司を人一倍食べていたことを明かしていじり倒す。伊藤については「シャツのボタンを2つ開ける苦行を今回のツアーでしてる」とニヤニヤとしながら紹介していた。さらに横山をステージに呼び込んだ星野は、横山のあだ名が「横チン」であることにちなんで、オリジナリティあふれるコール&レスポンスを観客に強要。星野が「横」と叫んだあとに、1階席と2階席の観客が順番に「チン」と大声で叫び、奇妙な空気が漂うひとときとなった。

MCを経て始まったコーナーでは、ピアノも加わり華やかで厚みのあるアンサンブルが展開。スモーキーなボーカルに観客が聴き入った「ばらばら」や「布団」、「火葬場の歌だったら面白いかもって思ってバーっと書きました。でも歌詞はいつもうひょーって面白がって書いているんだけど、泣かれてしまうこともあってごめんなさい!」という謝罪から「ストーブ」が披露される。また「営業」の演奏が始まると、ダイナミックなバンドサウンドが全開に。伊藤の跳ねるようなリズムにあわせて星野の声も弾けた「湯気」、ゆったりした音像に叙情的な歌がマッチした「くせのうた」など、バンドとのケミストリーを感じさせるセッションに会場が沸く。ライブの中盤ではワンマン恒例の弾き語りコーナーも行われ、「子供」と星野が出演ドラマ「11人もいる!」で毎回披露していた劇中歌「家族なんです」のショートバージョンがしみじみと歌い上げられた。

後半からは高田も加わりファニーなペダルスティールギターの音色によって、ステージから聴こえるアンサンブルはより豊かさを増す。全員のコーラスが深みと哀愁を感じさせた「老夫婦」、星野が声を張り上げた「変わらないまま」と続いた。その後も、生まれなかった妹を思って作った「兄妹」やお墓参りを歌った「ステップ」、「死んだ人がどんなことを考えるのか」をテーマにした「予想」など、星野自身の死生観がにじむナンバーが次々と演奏されていく。観客は優しい歌声に身を任せ、星野が歌う言葉に真剣に耳を傾けていた。

また途中からクラリネット、トロンボーン、ホルン、トランペットからなるホーン隊も参加。本編のラストを彩った「日常」と「フィルム」の2曲では、朗らかなサウンドに合わせて手拍子も起き、ハートウォーミングな空気で会場が満たされた。

アンコール前には再びスクリーンに椿鬼奴が登場し、BON JOVI「You Give Love A Bad Name」を熱唱する彼女に観客は大爆笑。さらに椿鬼奴はアンコールを求める観客のために、桃井かおりのモノマネをしながら星野を呼び戻した。はにかみながら現れた星野は「今日はホントに隅々までありがとうございました」と丁寧に挨拶。会場を見渡しながら、ツアーファイナルを迎えられた感慨を表情ににじませた。

ライブを大団円へと導いたのは「くだらないの中に」。暖色系のライトを浴びながら星野は、観客におやすみの挨拶を告げるように優しい歌声を響かせる。そして「また会いましょう。気を付けて帰ってね」と口にすると、何度もお辞儀を繰り返し名残惜しそうに舞台袖へと消えていった。

なお星野は、4月下旬に宮城・エコキャンプみちのくで行われる「ARABAKI ROCK FEST. 12」、5月19日に福岡・海の中道海浜公園野外劇場で行われる「CIRCLE '12」に出演。さらに5月13日にはソロとしては初の東京・日比谷野外大音楽堂公演を開催する。

星野源「エピソード2以降」
2012年2月20日(月)東京都 中野サンプラザ セットリスト

01. 歌を歌うときは
02. グー
03. 茶碗
04. ばらばら
05. 布団
06. ストーブ
07. 営業
08. 湯気
09. くせのうた
10. 子供
11. 家族なんです
12. バイト
13. 老夫婦
14. 変わらないまま
15. 兄妹
16. ステップ
17. エピソード
18. 予想
19. 日常
20. フィルム
<アンコール>
21. くだらないの中に

この記事の画像(全4件)

読者の反応

  • 2

グッとくるまるめがね @skeuasovnjalval

このライブを今一度観たい。素晴らしかったなあ……
http://t.co/iigBfC94zg

コメントを読む(2件)

関連商品

リンク

このページは株式会社ナターシャの音楽ナタリー編集部が作成・配信しています。 星野源 / SAKEROCK / 高田漣 の最新情報はリンク先をご覧ください。

音楽ナタリーでは国内アーティストを中心とした最新音楽ニュースを毎日配信!メジャーからインディーズまでリリース情報、ライブレポート、番組情報、コラムなど幅広い情報をお届けします。