フジテレビが中居正広の女性トラブルについて説明、食事会への幹部社員の関与なしと強調

フジテレビが本日1月27日に記者会見を開いた。

嘉納会長と港社長が辞任

昨年末に一部週刊誌で中居正広と女性の間にトラブルがあったことが報じられた。1月9日に中居は、女性との間にトラブルが生じたのは事実であること、双方の代理人を通じて示談が成立していることを文書を通して伝え、「示談が成立したことにより、今後の芸能活動についても支障なく続けられることになりました」と報告。しかし彼の冠番組の放送終了やレギュラー番組からの降板が相次ぎ、中居は1月23日をもって芸能界から引退した。この中居と女性のトラブルにフジテレビの幹部社員が関与していたと報じられたことで、1月17日にフジテレビは一部のメディアに限定してテレビカメラを入れない形で会見を実施。その後フジテレビからスポンサーの撤退が止まらず、本日27日に“やり直し会見”を行うこととなった。

会見には株式会社フジ・メディア・ホールディングスおよび株式会社フジテレビジョン代表取締役会長の嘉納修治氏、株式会社フジテレビジョン取締役副会長の遠藤龍之介氏、株式会社フジテレビジョン代表取締役社長の港浩一氏、株式会社フジ・メディア・ホールディングス代表取締役社長の金光修氏の4名が登壇。会見冒頭に嘉納氏と港氏が本日1月27日でそれぞれの役職を辞任することを発表した。なお新社長にはフジ・メディア・ホールディングスの清水賢治専務取締役が就任する。

正式な調査を行わなかった理由

フジテレビ側の報告によると、2023年6月にトラブルが生じ、ある社員が女性と話をして事案を把握。女性から聞いた内容から極めてセンシティブな問題だと捉え、女性の体調面の把握に努めたという。「（中居との間にあったトラブルを）誰にも知られずに仕事をしたい」という女性の意思を尊重し、機密性の高い事案として取り扱った結果、幹部社員、役員、社長にまでは報告されたが、社内では限られた数名のみしか知らなかったとのこと。会社としては医師の指導を仰ぎながら自然な形での仕事への復帰を待っていたそうだが、女性の復帰は叶わなかった。なおコンプライアンス推進室への報告も行われていなかったという。

フジテレビは、人権侵害が行われた可能性のある事案にもかかわらず、中居に対して適切な検証を行わずに番組出演を継続させたことを謝罪。本件の背景にあるタレントと関係者の会食のあり方について検証できていなかったこと、役員の人権に対する責任が不足していたことを認めた。当時フジテレビの役員は事案を把握していたにもかかわらず、中居に対して積極的に聞き取りを行うことはなかったという。その理由については、正式な調査を行うことで多くの人々が本件を知ることになり、女性の体調への悪影響が生じること、調査を受けた中居から女性に連絡がいくことがあれば女性がさらに傷付くと考えたことが挙げられた。また2023年7月に中居から社員に連絡があり、中居が女性とは異なる認識をしていることが明らかに。フジテレビ側としては当事者以外が本件に関与するのは難しいと判断し、当事者間で示談が行われていることも踏まえて、中居と女性の間に入ることはなかったという。また2023年4月に番組「まつもtoなかい」が始まったばかりだったため、番組を中止するような大きな出来事を作るのは控えたいという思いもあったとのこと。

調査の結果、幹部社員の関与なしと強調

またフジテレビ側は、事案が発生した食事会への幹部社員の関与はなかったと強調した。週刊誌の報道によれば、女性は中居や幹部社員を含む食事会に誘われて参加したが、ほかの参加者が直前にキャンセル。そこで女性は中居から意に沿わない行為を受けたと報じられていた。フジテレビ側によると、幹部社員は食事会の存在を把握しておらず、キャンセルしたこともないと述べているそう。幹部社員のスマートフォンやLINEの履歴も提出され、会社が事案前後のやり取りを確認したところ、食事会への関与をうかがわせる内容は確認できなかったと発表された。フジテレビ側は年末の報道を受けて中居に対して複数回の聞き取りを行ったが、中居も幹部社員は食事会に関わっていないと話しているとのこと。なお女性への聞き取りはできていないという。