新東京が満員のLIQUIDROOMで新しい世界観を提示、次なる挑戦の舞台は

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新東京のワンマンツアー「NEOCRACY」のファイナル公演が3月20日に東京・LIQUIDROOMで開催された。

新東京「NEOCRACY」の様子。(Photo by Taito Kudoh)

新東京「NEOCRACY」の様子。(Photo by Taito Kudoh)

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満員のLIQUIDROOM、最高です!

「NEOCRACY」は新東京が新曲だけで構成した1stアルバム「NEO TOKYO METRO」を引っ提げ、2月にスタートさせた全国ツアー。ファイナルであるLIQUIDROOM公演は、チケットがソールドアウトとなった。

新東京「NEOCRACY」の様子。(Photo by Taito Kudoh)

新東京「NEOCRACY」の様子。(Photo by Taito Kudoh)[拡大]

“春の嵐”が訪れ、冷たい風が吹き荒れたこの日。LIQUIDROOMでは観客がバーカウンターの前まで埋め尽くし、今か今かと開演を待つ。定刻過ぎ、まずは田中利幸(Key)、保田優真(Dr)、大蔵倫太郎(B)がステージに登場。静かな空間に残響音を漂わせ、じっくりとムードを作り上げる。その緊迫感がピークを迎えた瞬間、鮮やかでメロディアスなセッションへ。そのまま最新アルバムのオープニングナンバー「NTM」になだれこむと、杉田春音(Vo)が颯爽と現れライブをスタートさせた。トリッキーなリズムを乗りこなす「#Vaporwave」の演奏後、杉田は「満員のLIQUIDROOM、最高です! 『NEOCRACY』は新東京の新しい世界観を皆さんにお見せしたいという思いから名付けました。最後までよろしくお願いします!」と挨拶をした。

とりわけキャッチーで洒脱な「ユートピアン」から、新東京はインプロビゼーション的な遊び心を交えつつ、次々に楽曲を披露していく。手数が多く、テクニカルな傾向のある彼らの楽曲群。楽器隊はストイックにアンサンブルを紡ぎながらも、時折、楽しくてたまらないというような熱い表情を見せる。そんなメンバーの前で、杉田は軽快に音に乗りながら歌声を響かせた。杉田が観客に動画撮影を促した「Waste」では、長尺のソロ回しにフロアが熱狂。また「Pearl(Organic)」では、かねてより新東京の作品にコーラスなどで参加しているniina67がゲストボーカルとして呼び込まれ、4人と一緒に美しいハーモニーを生み出した。

“好き”という気持ちだけ

手前から大蔵倫太郎(B)、杉田春音(Vo)。(Photo by Taito Kudoh)

手前から大蔵倫太郎(B)、杉田春音(Vo)。(Photo by Taito Kudoh)[拡大]

LIQUIDROOM公演の実施が決まった1年前を回想する杉田。田中がやる気を見せる一方で、失敗を恐れていたという彼は「チャレンジをしていかないと成長できないのでは」と会話をしたことを振り返る。「チャレンジした結果、大成功じゃないですか?」と大蔵が満員のフロアを見渡すと、拍手と歓声が沸き起こった。その後、最新アルバムより季節感たっぷりの「春」でライブが再開。「Metro」のソロ回しには観客が手拍子で参加し、ひと癖あるリズムを一体となって楽しんだ。

ライブはデビュー曲「Cynical City」で終盤に突入。最新アルバムの収録曲「Escape」を演奏する頃、彼らのパフォーマンスにますます熱が入り、フロアもヒートアップする。さらにショートナンバー「踊」から「さんざめく」につながる、最新アルバムの流れが再現されると、場内がこの日一番の盛り上がりを見せた。

左から杉田春音(Vo)、保田優真(Dr)。(Photo by Taito Kudoh)

左から杉田春音(Vo)、保田優真(Dr)。(Photo by Taito Kudoh)[拡大]

2022年にバンドを法人化し、合同会社として経営してきた新東京。その道のりを順調ではなかったと明かした杉田は「皆さんが背中を押してくれたおかげでここまでこられました」とファンに感謝を伝え、「地位、お金、権力。そういったものではなく、皆さんの“好き”の気持ちだけが俺たちの音楽を支配できるように歩み続けます」と決意を語った。新東京が最後にチョイスしたのは「ポラロイド」。クラップでフロアに心地よい一体感を広げてステージをあとにした。

次なる挑戦へ歩み出す

新東京「NEOCRACY」の様子。(Photo by Taito Kudoh)

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新東京「NEOVERSE」フライヤー(Photo by Taito Kudoh)

新東京「NEOVERSE」フライヤー(Photo by Taito Kudoh)[拡大]

アンコールで再登場した4人は「36℃」「Morning」をパフォーマンス。演奏の途中で、11月22日に東京・Zepp Shinjuku(TOKYO)でワンマンライブを開催することを発表し、大きな拍手を浴びた。そして大盛況の中でツアー「NEOCRACY」に幕を下ろし、次なる挑戦へと歩み出した。

なお本公演で新東京はKDDIが提供するメタバース・Web3サービスプラットフォーム「αU」とコラボ。終演後のロビーは、メンバーデザインのオリジナルNFTを受け取る人であふれていた。また昨年の野外フェス「FUJI ROCK FESTIVAL」の次世代アーティストによるステージ「ROOKIE A GO-GO」に出演した彼ら。フェスのオフィシャルサイトでは、昨年の「ROOKIE A GO-GO」出演者の中から1組が今年の「FUJI ROCK」メインステージに立つことができる投票企画が実施されている。投票は4月14日まで受付中。

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セットリスト

新東京「NEOCRACY」2024年3月20日 LIQUIDROOM

01. NTM
02. #Vaporwave
03. ユートピアン
04. Heavy Fog(Organic)
05. Waste
06. The Few
07. sanagi(Organic)
08. Pearl(Organic)
09. 春
10. Gerbera
11. Metro
12. Cynical City
13. Escape
14. さんざめく
15. ポラロイド
<アンコール>
16. 36℃
17. Morning

公演情報

新東京「NEOVERSE」

2024年11月22日(金)東京都 Zepp Shinjuku(TOKYO)

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Manchester United son @Unitedson12

@natalie_mu 💯💯

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