「なれのはて」は加藤にとって、2020年11月に刊行した「オルタネート」以来、約3年ぶりの長編小説。やるせない人間の業と向き合いつつ、力強く生き抜こうとする人々の姿が1枚の絵に秘められたミステリーを通じて描かれる。舞台は東京、秋田、新潟で、令和、戦前戦後の昭和、大正の3つの時代でストーリーは展開。終戦前夜に起きた日本最後の空襲と言われる、秋田の土崎空襲が物語のきっかけに。テレビ局員の守谷京斗は、古い1枚の絵の作者を探るうちに、秋田のある一族が隠した秘密に気付く。
加藤は本書の制作にあたり、まず1万字のプロットを執筆。その後構成をじっくり練り上げ、約3年間原稿と向き合い、原稿用紙740枚超におよぶ大作を書き上げた。彼は「なれのはて」について「舞台を2019年の東京と、私の母の地元である秋田にしたのは、私自身がこの物語に深く没入するためでしたが、その過程で日本最後の空襲のひとつといわれる土崎空襲を知り、自分がこの小説を書く宿命を感じました。この小説を書いたのは本当に自分なのか、それとも何か見えざるものによって書かされたのか。今はそういった不思議な気分です」とコメントしている。
「なれのはて」の刊行を記念して、9月22日に発売される文芸誌「小説現代」10月号では、加藤の特集を展開。小説の発売に先がけて「なれのはて」が読める「全文公開」コーナーや、加藤のロングインタビュー、小説の舞台である秋田での撮り下ろしカットが掲載される。
また小説の刊行情報の発表と合わせて、加藤のInstagramアカウント(@shigeaki_kato___j)が開設された。
加藤シゲアキ(NEWS)コメント
前作「オルタネート」の執筆時から考えていた本作が、構想からおよそ3年の歳月を経てついに完成しました。「なれのはて」は自著のなかで最も壮大なテーマに挑んだエンタメ作品であり、また問題作でもあると考えています。三十代半ばとなる(なった)私が何を書くべきか、問い続けた結果がこの作品です。
舞台を2019年の東京と、私の母の地元である秋田にしたのは、私自身がこの物語に深く没入するためでしたが、その過程で日本最後の空襲のひとつといわれる土崎空襲を知り、自分がこの小説を書く宿命を感じました。この小説を書いたのは本当に自分なのか、それとも何か見えざるものによって書かされたのか。今はそういった不思議な気分です。作家活動が十年を超えた今だからこそ、全身全霊で書き上げることができました。一枚の絵の謎から広がる世界を、どうぞご堪能いただけると幸いです。
関連記事
リンク
みさ @massmiss0704
#なれのはて #加藤シゲアキ
リアルサウンド→https://t.co/nduXjlz96x
マイナビ→https://t.co/MdKoj5VYOB
フジテレビュー→https://t.co/Kyz5AvF4tJ
秋田魁新報→https://t.co/Z2hXApWpkP
ナタリー→https://t.co/uNLz0IHDV9