蓮沼執太フィル、多彩なセットリストで自分たちの“今”を表現した初のブルーノート東京公演

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蓮沼執太フィル初の東京・ブルーノート東京でのコンサートが7月15日に行われた。

「蓮沼執太フィル Live at Blue Note Tokyo」2部の様子。(撮影:後藤武浩)

「蓮沼執太フィル Live at Blue Note Tokyo」2部の様子。(撮影:後藤武浩)

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「蓮沼執太フィル Live at Blue Note Tokyo」1部の様子。(撮影:後藤武浩)

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今年3月に約5年ぶりのアルバム「symphil|シンフィル」をリリースした蓮沼フィル。これを記念して行われたブルーノート東京公演では1部と2部でまったく異なるセットリストを組み、カバーを織り交ぜた新旧さまざまな楽曲をパフォーマンスした。

第1部

「蓮沼執太フィル Live at Blue Note Tokyo」1部の様子。(撮影:後藤武浩)

「蓮沼執太フィル Live at Blue Note Tokyo」1部の様子。(撮影:後藤武浩)[拡大]

大きな拍手に迎えられ、まずステージに現れたのは蓮沼執太(Vo, Key)、石塚周太(G)、斉藤亮輔(G)、itoken(Dr)、尾嶋優(Dr)という5人編成のチーム蓮沼。彼らは1曲目にTORTOISEの「seneca」をバンド色全開でカバーし、冒頭から観客に新鮮な驚きを与えた。「seneca」カバーは蓮沼が2012年に発表したソロ作「CC OO」にも収録されており、ライブでは2014年の東京・スパイラルホール公演以来およそ9年ぶりに6月の大阪・Billboard Live OSAKA公演と合わせて披露された。その後はフィルメンバーが全員そろって「Meeting Place」「Juxtaposition with Tokyo」といった休日の夕刻にふさわしい軽快な定番曲を生き生きと奏でていく。「Zero Concerto」では複雑なリズムが絡み合う序盤のパートを終えた瞬間、蓮沼がメンバーへ手元で小さく拍手を送る場面もあった。

手前左からゴンドウトモヒコ、三浦千明、大谷能生。(撮影:後藤武浩)

手前左からゴンドウトモヒコ、三浦千明、大谷能生。(撮影:後藤武浩)[拡大]

MCで蓮沼が「『symphil』のリリースライブと言いながら、最新作の曲はまだ演奏していないんですけどね(笑)」とライブ前半に旧作からの曲が多かったことを前置きしたのち、最新作から最初に演奏されたのは「BLACKOUT」。蓮沼が昨年の首都圏大規模停電を受けて書いたこの楽曲では、静かなリフレインから徐々に壮大な曲調へと変化していくドラマチックな展開が観客を魅了した。同じく「symphil」の収録曲「#API」では、音源のゲストボーカルを務めたxiangyuに代わって大谷能生(Sax)がラップパートを担当し、オーディエンスの体を揺らす。そして蓮沼がエモーショナルに歌い上げるバラード「Eco Echo」で1部を終えた。

第2部

蓮沼執太フィルとゐのすビールのコラボビールを紹介する蓮沼執太(手前)。(撮影:後藤武浩)

蓮沼執太フィルとゐのすビールのコラボビールを紹介する蓮沼執太(手前)。(撮影:後藤武浩)[拡大]

2部は1stアルバム収録曲の「SoulOsci」でスタート。続けて蓮沼のソロ曲「起点」を安定感抜群なアンサンブルで披露し、蓮沼も「順調な滑り出しなんじゃないでしょうか」と朗らかな表情を浮かべる。コロナ禍の自粛期間中に完全リモートで制作された「Imr」では、カウベルの音の代わりに蓮沼が物販のオリジナルビールの瓶を叩く遊び心のあるアレンジも繰り出された。ライブでの定番曲をテンポよく演奏してきた彼らは、ここでゴンドウトモヒコ(Euphonium)がメンバーであったMETAFIVEの楽曲「環境と心理」をフィルアレンジでカバー。このカバーは4月に行われた東京・東京オペラシティコンサートホール:タケミツメモリアル公演で初披露されたが、初演ではゲストの小山田圭吾(Cornelius)が歌唱したため、蓮沼とゴンドウがボーカルをとったのは北海道の野外フェス「しゃけ音楽会」に続き2回目となった。

「蓮沼執太フィル Live at Blue Note Tokyo」2部のアンコールでTORTOISEをカバーするチーム蓮沼。(撮影:後藤武浩)

「蓮沼執太フィル Live at Blue Note Tokyo」2部のアンコールでTORTOISEをカバーするチーム蓮沼。(撮影:後藤武浩)[拡大]

ライブ終盤では三浦千明(Vo, Flugelhorn, Glocken)が蓮沼とのツインボーカルとして存在感を放つ「GPS」「1/2 SLEEP -半分寝てる-」をパフォーマンス。最後に「wannapunch!-Discover Tokyo-Sunny Day in Saginomiya」をさわやかに演奏した蓮沼フィルは、会場を心地いい一体感で包み込んでステージを後にした。アンコールではチーム蓮沼の5人が第1部の1曲目で披露したTORTOISEのカバーを熱演。多彩なセットリストでフィルの“今”の姿を鮮やかに表現した蓮沼は、「いい夏をお過ごしください!」と笑顔で挨拶し、初のブルーノート公演を締めくくった。

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蓮沼執太フィル Live at Blue Note Tokyo 7月15日公演 セットリスト

1st

01. seneca(TORTOISE cover)
02. Meeting Place
03. Juxtaposition with Tokyo
04. Zero Concerto
05. NEW
06. BLACKOUT
07. #API
08. Eco Echo

2nd

01. SoulOsci
02. 起点
03. Imr
04. Earphone & Headphone in my Head-PLAY0
05. 環境と心理(METAFIVE cover)
06. テレポート
07. GPS
08. 1/2 SLEEP -半分寝てる-
09. wannapunch!-Discover Tokyo-Sunny Day in Saginomiya
<アンコール>
10. seneca(TORTOISE cover)

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蓮沼執太|Shuta Hasunuma @Shuta_Hasunuma

蓮沼執太フィル×ブルーノート東京公演のライブレビューが公開になりました!

1st, 2ndの両方を観ていただいた完璧なレビューと後藤武浩くんの写真で構成されてます。ぜひご覧ください! https://t.co/1N7Zj2Przb

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