go!go!vanillasが初FCツアーで初期曲大盤振る舞い、悩み相談やリクエストにもお応え

go!go!vanillasにとって初のファンクラブ会員限定ツアー「TIME THIEF TOUR」が、昨日6月23日に東京・EX THEATER ROPPONGIにてファイナルを迎えた。

会場がバニラズ愛に包まれる中で開演したこの日のライブ。牧達弥（Vo, G）は現れるなりフロアに足を踏み入れてファンとの距離を一気に縮め、ジェットセイヤ（Dr）はバスドラを踏んで観客の体を揺らし、柳沢進太郎（G）と長谷川プリティ敬祐（B）も笑顔を浮かべながらスタンバイする。そして、牧の「やるぞ！」というシャウトを合図に始まったのは初期曲の「非実在少女」。ミラーボールが煌びやかな光を放つ下で、4人はエンジン全開のパフォーマンスを繰り広げ、オーディエンスのテンションを引き上げた。

集まっているのがコアなファンばかりということを受け、バニラズは「TIME THIEF TOUR」のために「だいぶご無沙汰していた」という懐かしい曲や普段の単独公演ではなかなか披露しない楽曲も盛り込んだ特別なセットリストを用意。また「ラバーズ」を歌う前に牧が「普段より愛を込めて……」と殺し文句を放ったり、牧、柳沢、長谷川が仲睦まじい様子で同じポーズを決めながらプレイしたり、序盤からアットホームで特別なムードを作り出した。

「なつのうた」で甘く涼やかな空気を会場に送り込んだあと、メンバーは楽器を置き、ファンと真剣に話し合う企画「go!go!meeting」を開始。バニラズがきっかけで付き合うことになったという恋人同士の旅行先として大分をオススメし、仲良しの兄弟が家を出てしまった女性ファンに寂しさを紛らわせる方法として「彼氏を見つけよう」とアドバイスするなど、それぞれのキャラクターを全開にしながら相談事に最適解を提案していく。特に盛り上がりを見せたのは「バニラズへの愛を伝えたい」と切り出した男性ファンのリクエスト。数日前に誕生日を迎えたという彼が「ヒンキーディンキーパーティークルー」もしくは「春眠」が聴きたいと伝えると、急遽メンバーはドラムセットの周りで相談を始める。そして牧の「特別だ！」という言葉に続き、「ヒンキーディンキーパーティークルー」をプレイしてオーディエンスを興奮させた。

予想外の展開を見せた「go!go!meeting」を経て、バニラズの面々は「カウンターアクション」「アクロス ザ ユニバーシティ」といったBMPの高い朗らかなロックチューンをフロアに叩き込み、ライブのクライマックスに向けて躍動。本編のラストナンバー「エマ」では、同曲のMVに出演していたダンサーがステージへ。バニラズが奏でるグルーヴィなアンサンブルに乗せて、MVでも見せていたキレのあるダンスを踊り、楽曲に彩りを添えた。

アンコール代わりの「おはようカルチャー」の大合唱に誘われ、まずは牧がステージに再登場。彼はエレキギターを抱えるとオーディエンスとともに「おはようカルチャー」のワンフレーズを歌い上げ、美しいシンガロングをフロア中に響かせる。その後メンバー全員がそろったところで、急遽リクエストコーナーがスタート。「みんなで歌える曲」という条件で観客から上がった「チェンジユアワールド」「デッドマンズチェイス」の2曲が続けて披露されると、会場は力強い一体感に包まれた。ファンクラブ公演でしか実現し得ない演出を挟み、4人はインディーズデビュー作の収録曲「人間讃歌」、「どうかまた会える日まで さよならは言わないよ」と再会を誓う「ギフト」をファンにプレゼント。さらに演奏が終わったあともバズーカ砲でグッズを発射したり、秋に開幕する全国ツアーの開催を告知したりと、最後の最後までサービス精神の旺盛さを発揮していた。

なおライブ中に発表された全国ツアーは、インディーズデビュー10周年とメジャーデビュー10周年という2つのアニバーサリーイヤーをまたいで行われる。メンバーは「この10年のすべてをお届けしたいと思います」と宣言しているので、ファンはお楽しみに。