「帰ってきた気がする」HYDE、3年半ぶり声出し解禁ライブで大歓声浴びながら絶唱

HYDEが約1年ぶりとなる全国ツアー「HYDE LIVE 2023」の初日公演を、6月17日に東京・Zepp Haneda（TOKYO）で行った。

コロナ禍中に課せられていたさまざまな制限解除を受け、2019年12月に千葉・幕張メッセで行われた単独公演「HYDE LIVE 2019 ANTI FINAL」以来、HYDEのソロライブとしては約3年半ぶりに声出しが解禁となったこの日。彼が最新インタビューで語っていた通り、攻撃性を増幅させるツインギターという新たなバンド編成と、この数年間ライブのモチーフとなっていた「NEO TOKYO」とは趣を異にするゴシックなセットによって、アーティストとして進化した姿を見せるライブを展開した。

開場時から興奮した空気がライブハウス内に立ち込めていたが、ステージを覆っていた幕に開演時刻の「16:66（17:06）」の数字が浮かび上がるや否や、大歓声が沸き場内の熱気はいきなりピークへ。熱狂するオーディエンスの目の前に姿を見せたHYDEは、「この数年の鬱積した思いを吐き出せ」とばかりに、ツインギターによって厚みが増し、凶暴性をはらんだバンドサウンドに乗せて、まずは「LET IT OUT」を吠えるように歌い上げる。そして喜びをにじませた声で「このときを待っていたぜ！」「今日は徹底的にいきますからね。3年分の借りを返させていただきます」と不敵な笑みを浮かべ、怒号のような歓声が飛び交うフロアに限りなく近付き、「Sing it! Louder! Louder!」とオーディエンスの声を求めた。

さらにHYDEは間髪をいれずにステージを縦横無尽に動きながら、配信リリースしたばかりの「TAKING THEM DOWN」やライブの定番曲「MAD QUALIA」、ヘビーに仕上がったという未発表の新曲、Slipknot「Duality」のカバーなど、本能と凶暴性をあらわにしたロックチューンを投下。ツアー初日とはおよそ思えないほどの振り切ったステージングに呼応するようにフロアを埋め尽くす観客は大いに暴れ、2階席の観客たちは時間の経過とともに獰猛さを増すHYDEとバンドメンバーのパフォーマンスをスマホやタブレットで記録した。

「お前たちが協力して成功を1つひとつ積み上げてきたから俺たちはライブを続けられた。よくやってくれた。よくついてきてくれた。この場所は俺たちが取り戻したんだ」「帰ってきた気がする」。コロナ禍における試行錯誤の日々を振り返りながら、愛おしそうに会場の隅から隅まで見渡したHYDE。ファンとの触れ合いが叶わなかった月日を取り戻すように、彼は幾度となくフロアにダイブし、オーディエンスの間近でパフォーマンスする。さらにライブ後半に披露した「ANOTHER MOMENT」では、2階席に突然現れ、狂喜するファンの視線を一身に浴びながら横たわったまま絶唱する演出も。終始、会場に足を運んだ1人ひとりとの逢瀬を味わい尽くすような濃密なステージを繰り広げ、「HYDE LIVE 2023」の初日を華々しく終えた。

なお、「HYDE LIVE 2023」はこのあと全国のZeppを中心に行われ、9月9日、10日の千葉・幕張メッセ 幕張イベントホール公演2DAYSをもってファイナルを迎える。幕張メッセ公演のチケットは、6月27日から7月9日まで楽天チケットにて抽選先行予約を受け付ける。