2014年に発症した中咽頭がんを克服したものの、2020年6月に新たに直腸がんが発見され、治療を受けながらも自宅内のスタジオで創作活動を続けていた坂本。今年1月にはこの闘病生活の中で日記を書くように制作したオリジナルアルバム「12」を発表したりと、最期まで音楽とともに過ごしてきた。昨年12月に配信されたオンラインピアノソロコンサート「Ryuichi Sakamoto: Playing the Piano 2022」が、最後のステージとなった。
葬儀は本人の強い遺志により近親者のみで済ませているとのこと。所属レーベルcommmonsが本日4月2日に公開したツイートでは、坂本が好んだ一節として、古代ギリシアの医学者ヒポクラテスの「箴言」の一節「Ars longa, vita brevis(芸術は長く、人生は短し)」が訃報とともに紹介されている。
「教授」の愛称で知られる坂本は、東京芸術大学在学中にスタジオミュージシャンとして活動を開始。ソロアーティストとして1978年にアルバム「千のナイフ」でデビュー、同時期に細野晴臣、高橋幸宏とYellow Magic Orchestra(YMO)を結成し、テクノポップブームの先駆けとして世界中のアーティストに多大な影響を与える。自身のアーティスト活動に加えて映画音楽の作家としても「戦場のメリークリスマス」「ラストエンペラー」「嵐が丘」「レヴェナント: 蘇えりし者」など数多くの作品を手がけており、今年6月2日公開予定の是枝裕和監督、坂元裕二脚本の映画「怪物」も音楽を担当している。また地雷除去活動の支援や脱原発運動など、さまざまな社会活動に積極的に参加。今年3月には神宮外苑再開発計画の中止を訴え、小池百合子都知事らに手紙を送っていた。
いいたかゆうた|GiftX,inc | @yutaiitaka
坂本龍一が71歳で死去「芸術は長く、人生は短し」 https://t.co/mvMihBdFYd