WANIMA、ビーバー、INI、sumikaらがドーム揺らした「福フェス」大盛況で幕

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昨日1月28日に福岡・福岡PayPayドームにてライブイベント「FUKUOKA MUSIC FES.2023」が開催された。

「FUKUOKA MUSIC FES.2023」の様子。(撮影:渡邉一生)

「FUKUOKA MUSIC FES.2023」の様子。(撮影:渡邉一生)

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「福フェス」は福岡ソフトバンクホークス、スペースシャワーTV、BEAMSの3社がプロデュースする音楽フェス。2022年2月以来、約1年ぶりの開催となる今年はINI[Alexandros]神はサイコロを振らないクリープハイプSUPER BEAVERsumikaNovelbright04 Limited Sazabysマカロニえんぴつyama緑黄色社会WANIMAの12組が、LEFT STAGEとRIGHT STAGEに分かれて熱演を繰り広げた。

神はサイコロを振らない(Photo by AZUSA TAKADA)

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LEFT STAGEのトップバッターを務めた神はサイコロを振らないは「始まりの唄を今歌おう」という歌詞の「巡る巡る」で「福フェス」の幕を切って落とす。「タイムファクター」「イリーガル・ゲーム」といったメロディアスかつ重低音の効いた楽曲群で会場を揺らした。2015年に福岡の地で結成された神サイ。柳田周作(Vo)は「ホームの福岡Queblickで2、3人を前に演奏していた僕らが、8年越しにPayPayドームに立っているのがヤバいな、ドラマがあるなと」と語る。またBEAMSが「Happy Life Solution Company」という企業理念を掲げていることに触れ、「暗い曲ばっかりやりましたが、僕らも根はHAPPYです!(笑)みんなが愛と平和な気持ちでいっぱいになれる曲を持ってきました!」と「LOVE」を歌唱。バンドは、「1on1」で柳田の掛け声にあわせて観客がタオルを振る“コール&タオルポンス”を行い、会場をひとつにまとめ上げた。

yama(撮影:渡邉一生)

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yamaは「色彩」でRIGHT STAGEの幕開けを飾った。「くびったけ」では力強い歌声を響かせ、「麻痺」では低音から高音までを自由自在に操ってみせる。yamaは「歌い出してからずっとドキドキしてるんです……ドームでライブをする機会が少ないので、すごく新鮮です」と笑みを見せた。楽しみな気持ちと不安な気持ちが半々で、昨夜は眠れなかったというyama。「もしかしたら、今ここにいる君も眠れない夜があるんでしょうか。そんな悲しいときも苦しいときも、間違ってないんだよって肯定できるような曲を歌いたいと思ってます。明けない夜はないので、自分も今日の皆さんの楽しそうな表情を忘れないでいたいと思います」と話し、「世界は美しいはずなんだ」を歌い上げる。ラストは代表曲「春を告げる」で観客の大きな手拍子を浴びた。

Novelbright(Photo by AZUSA TAKADA)

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「福フェス」が2023年初ライブとなったNovelbright。バンドは「開幕宣言」で華やかな空気を会場に充満させ、「Morning Light」では竹中雄大(Vo)がステージを端から端まで駆け抜けてオーディエンスの熱気を誘う。MCで竹中は、バンドが福岡ソフトバンクホークスと関わりの深いことから、ねぎ(Dr)が球団から贈られたユニフォームを着用していることを説明。ねぎが背中にプリントされた名前“ネッギーニ”を観客にアピールすると、竹中は「助っ人外国人みたいになってるやん!(笑)」とすかさずツッコミを入れていた。暖かなラブソング「愛とか恋とか」「夢花火」では、観客がスマートフォンのライトを照らし、会場が一体に。ラストに「Walking with you」を届けたのち、竹中は「CDで聴く音楽も、サブスクで聴く音楽もいいけど、ライブが一番最高なんだってこれからも俺は思ってます!」とうれしそうに声を上げた。

緑黄色社会(撮影:渡邉一生)

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そろいの白シャツで登場した緑黄色社会は、「始まりの歌」を伸びやかに届け、「キャラクター」でオーディエンスを踊らせる。去年「福フェス」に出演予定だったが、残念ながらキャンセルとなってしまったリョクシャカ。長屋晴子(Vo, G)は「自分たち的にはリベンジ。皆さんにも去年の分まで楽しんでもらえるように、自分たちも楽しみたいと思います」と宣言した。どこか不気味な旋律のロックチューン「ミチヲユケ」を経て、「ここからどんどん上げていきたい!」と観客を煽った長屋。その言葉通り「sabotage」では小林壱誓(G)と穴見真吾(B)がステージの左右に飛び出し、peppe(Key)も鍵盤を叩く指に力を込める。長屋は最後に「こんな僕も『FUKUOKA MUSIC FES.』のヒーローになりたいのさ」と替え歌しつつ「Mela!」を歌い上げた。

尾崎世界観(Vo, G / クリープハイプ)(Photo by AZUSA TAKADA)

尾崎世界観(Vo, G / クリープハイプ)(Photo by AZUSA TAKADA)[拡大]

クリープハイプは、「ナイトオンザプラネット」で尾崎世界観(Vo, G)のアカペラから静かにライブを開始。観客は1曲目からスマホのライトを点灯し、ドーム中に美しい光が広がった。禍々しい雰囲気の「キケンナアソビ」で会場を魅了したのち、尾崎が「クリープハイプです、よろしく」と一言だけ挨拶すると、バンドはライブ定番曲「HE IS MINE」を熱演。オーディエンスも恒例のコールでそれに応えた。「1曲でも多く、しっかり曲を残して帰りたいと思います」という尾崎の言葉から、「二十九、三十」「イト」がまっすぐに届けられる。最後に「また出たいです、このフェスに」と話すと、尾崎はギターをかき鳴らして「栞」の一節を歌唱。そのままバンドは疾走感のある演奏で尾崎の歌声を支え、会場を大いに盛り上げた。

04 Limited Sazabys(撮影:渡邉一生)

04 Limited Sazabys(撮影:渡邉一生)[拡大]

04 Limited Sazabysは「midnight cruising」「Kitchen」「swim」と序盤からライブアンセムを畳みかけ、肌寒いドームを温める。去年はリョクシャカの代打で急遽「福フェス」に出演したフォーリミ。GEN(B, Vo)は「今年はスタメンに入りました!」と喜びを爆発させた。この日の出演者の中でINIに注目していると語ったRYU-TA(G, Cho)。これにGENは「なかなかご一緒する機会がなくて。メンバーの中に1人友達がいるんですけど、オフステージの状態しか観たことないから楽しみです」と笑みを浮かべた。ライブ終盤、GENはコロナ禍でのライブシーンの状況に触れ、「誰かにとっての“不要不急”も、俺たちにとってはライフワーク。音楽は微力じゃないとライブで見せつけたい」と真剣に語る。そして「一歩一歩ここまで来たなと。ともに前に前に進んでいきましょう!」と「Keep going」を力強く届けた。

INI(Photo by AZUSA TAKADA)

INI(Photo by AZUSA TAKADA)[拡大]

INIとWANIMAのコラボステージの様子。(Photo by AZUSA TAKADA)

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この日唯一のボーイズグループであるINIは、「SPECTRA」でパフォーマンスを開始。彼らのライブが始まると、ドームは見る見るうちに11色のペンライトでカラフルに彩られていく。MCでは西洸人が「急に男の群衆が踊り出してびっくりさせちゃったと思うんですけど……」とユーモアたっぷりに切り出し、「目一杯盛り上げていきます!」と意気込んだ。彼らは「Dramatic」「CALL 119」と続け、“男の群衆”だからこそできる、スキルフルなフォーメーションダンスでロックファンも魅了した。またこの日INIは“チェンジ”がテーマの新曲「New Day」をライブ初披露。MCでは“チェンジ”にちなんで、許豊凡が「決意をしました。このフェスの影響を受けて、楽器を始めようと思います!」と宣言するシーンも。ライブの最後には、WANIMAが提供した「HERO」をWANIMAの演奏に乗せて披露することに。KENTA(Vo, B)は、ステージに登場するやいなや「ふぇんちゃん(許)! 楽器教えるから!」と許とハグ。さらにロックファンに向けて「この11人はめちゃくちゃ純粋でいい子です! これから日本のグループのトップになると思います!」とアピールすると、メンバーから口々に「お兄ちゃーん!」と叫ばれていた。KENTAと11人が円陣を組んだのち、WANIMAとINIは「HERO」をコラボ。裏打ちのバンドサウンドに乗せ、メンバーそれぞれが熱い歌声を響かせた。

はっとり(Vo, G / マカロニえんぴつ)(撮影:渡邉一生)

はっとり(Vo, G / マカロニえんぴつ)(撮影:渡邉一生)[拡大]

ホークスのユニフォームを着たはっとり(Vo, G)率いるマカロニえんぴつは、軽やかなピアノが印象的な「レモンパイ」やダンサブルなロックチューン「洗濯機と君とラヂオ」を連投し、バンドの多彩な魅力をドームに届ける。田辺由明(G, Cho)のエモーショナルなギターソロが光る新曲「リンジュー・ラヴ」ののち披露された「恋人ごっこ」では、客席がスマホライトの光で埋め尽くされた。はっとりは最後に、「どうか、あなたが自分で選んで、自分で腹くくって、『この人が好きだ』と心に決めた人のそばにいてあげる、もしくはいたいと願う、その体力だけはなくさないように。ただ、あなたの覚悟が必要だと思う2023年です。あなたの前で歌い続けたい。マカロニえんぴつは強くそう思います」とメッセージを送り、「なんでもないよ、」でライブを締めくくった。

渋谷龍太(Vo / SUPER BEAVER)(Photo by AZUSA TAKADA)

渋谷龍太(Vo / SUPER BEAVER)(Photo by AZUSA TAKADA)[拡大]

「俺たちの35分間、ここを一緒にライブハウスにしませんか!?」という渋谷龍太(Vo)の煽りから、SUPER BEAVERは「青い春」で爽快にライブをスタート。渋谷は1曲目からステージの端まで移動し、「見えてるぞ!」とバンドが音楽を届ける先だと掲げる“あなた”1人ひとりへと届けるようにまっすぐに歌い上げる。4人はロカビリーテイストの「irony」で会場を踊らせたかと思えば、「名前を呼ぶよ」では気迫に満ちた演奏を届けてオーディエンスを圧倒した。渋谷の「4人で音を出せば音楽なんだけど、俺たちは“あなた”と音楽をやるのが楽しいと知ってしまったバンド。あなたがいてくれてよかったって思ってんの! 青臭いと思われるかもしれないんだけど、これが本心なんで。これからもこの曲を歌っていきます」という言葉から、「東京」を届けてステージを終えた。

[Alexandros](撮影:渡邉一生)

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[Alexandros]はタイトなビートを刻む「無心拍数」でライブを始めると、序盤からフルスロットルで「Starrrrrrr」「Girl A」といったライブ定番曲を次々とプレイ。川上洋平(Vo, G)は「一緒にこの屋根吹っ飛ばしませんか福岡!」と声を上げ、ユーモアあふれる歌詞とサウンドが特徴の「どーでもいいから」を踊りながら歌い上げた。「ハナウタ」では、川上の呼びかけによりドーム中のスマホライトが点灯し、楽曲にぴったりの幻想的な空間を作り上げる。MCでは磯部寛之(B, Cho)がサラリーマン時代に福岡に住んでいたことが話題に上がり、「ラーメンを食べて今より太っていた(笑)」と川上から指摘されるひと幕も。バンドの力強い演奏とシンガロングに観客が手を上げて応えた「閃光」を経て、ラストに届けられたのはヒット曲「ワタリドリ」。伸びやかなギターサウンドと川上の歌声が響く中、オーディエンスはジャンプを繰り返し、会場のボルテージを上昇させた。

sumika(Photo by AZUSA TAKADA)

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LEFT STAGEのトリを務めたsumikaは、ポップな「Lovers」でライブの幕を開ける。さらに黒田隼之介(G, Cho)のオリエンタルなギターリフが面白い「Flower」や、「ふっかつのじゅもん」「グライダースライダー」といったライブアンセムをエネルギッシュにプレイ。イベントも終盤となりやや疲れが見えるオーディエンスを再び熱狂へと導いた。ダークな打ち込みサウンドの「Babel」で会場をクールダウンさせたあと、sumikaはみずみずしいバンドサウンドで「透明」を演奏。片岡健太(Vo, G)が「2020年から悲しいこと、苦しいこと、たくさんありました。きっとあと少しがんばれば、俺たちの知らないめちゃくちゃ楽しい時代がやってくるんだと思います。それを“音楽をライブで聴きたい”と思ってくれるあなたと共有したい。もうちょっと先で、もう1回楽しく音楽やりましょう!」と少し先の未来への期待をにじませると、sumikaは最後に「Shake & Shake」を演奏した。

WANIMA (撮影:渡邉一生)

WANIMA (撮影:渡邉一生)[拡大]

KENTA(Vo, B / WANIMA)(撮影:渡邉一生)

KENTA(Vo, B / WANIMA)(撮影:渡邉一生)[拡大]

大トリのWANIMAはRIGHT STAGEに登場。KENTAが「“地元”福岡にWANIMAが帰ってきたぞー! 1日お疲れさーん! ノンストップ35分! 福岡バリバリ! バリカタなセットリスト持ってきました!」と叫ぶと、まずは“短めの曲”「Hey Lady」を演奏した。さらにKENTAの「WANIMAのライブには予習も復習もいらんよー! みんなで楽しむっちゃけんねー!」という呼びかけから、3人は「HOPE」「Japanese Pride」「雨あがり」を連投。観客は思い思いに体を動かしてWANIMAの音楽を楽しんだ。KENTAが「ここに何人おるかわからんけどさ、毎日ボロボロになりながらそこに立っとる“お前1人”だけに、届けるチャンスをくれんね。自分をなめんなよ! お前やったらまだまだやれるからな! そうやないと俺がおる意味もお前がおる意味もないやろう!」と言葉に力を込めると、バンドは「眩光」を熱く届ける。KO-SHIN(G, Cho)とFUJI(Dr, Cho)による力強いコーラスワークが響いた「離れていても」に続けて、人気曲「いいから」「BIG UP」を畳みかけたWANIMA。KENTAが最後に「『福フェス』が来年も開催されますように!」と叫ぶと、バンドは「ともに」でドームを大きく揺らし、2回目の「福フェス」を締めくくった。

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「FUKUOKA MUSIC FES.2023」2023年1月28日 福岡PayPayドーム セットリスト

神はサイコロを振らない

01. 巡る巡る
02. タイムファクター
03. イリーガル・ゲーム
04. 夜永唄
05. LOVE
06. 1on1
07. キラキラ

yama

01. 色彩
02. くびったけ
03. 麻痺
04. Oz.
05. a.m.3:21
06. 世界は美しいはずなんだ
07. 春を告げる

Novelbright

01. seeker
02. 開幕宣言
03. Morning Light
04. 愛とか恋とか
05. 夢花火
06. 青春旗
07. Walking with you

緑黄色社会

01. 始まりの歌
02. キャラクター
03. Shout Baby
04. ミチヲユケ
05. sabotage
06. Don!!
07. Mela!

クリープハイプ

01. ナイトオンザプラネット
02. キケンナアソビ
03. HE IS MINE
04. 二十九、三十
05. イト
06. 栞

04 Limited Sazabys

01. midnight cruising
02. Kitchen
03. swim
04. Every
05. monolith
06. fiction
07. Finder
08. Keep going
09. Squall
10. Remember

INI

01. SPECTRA
02. BAD BOYZ
03. Dramatic
04. CALL 119
05. Do What You Like
06. New Day
07. HERO

マカロニえんぴつ

01. レモンパイ
02. 洗濯機と君とラヂオ
03. たましいの居場所
04. リンジュー・ラヴ
05. 恋人ごっこ
06. 星が泳ぐ
07. なんでもないよ、

SUPER BEAVER

01. 青い春
02. ひたむき
03. irony
04. 名前を呼ぶよ
05. 美しい日
06. 東京

[Alexandros]

01. 無心拍数
02. Starrrrrrr
03. Girl A
04. どーでもいいから
05. ハナウタ
06. 閃光
07. ワタリドリ

sumika

01. Lovers
02. Flower
03. ふっかつのじゅもん
04. グライダースライダー
05. Babel
06. 透明
07. Shake & Shake

WANIMA

01. Hey Lady
02. HOPE
03. Japanese Pride
04. 雨あがり
05. 眩光
06. 離れていても
07. いいから
08. BIG UP
09. ともに

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