ももクロ最新アルバム携えた全国ツアーが“閉会”、ステージ上で進行したきらびやかな「祝典」

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ももいろクローバーZの全国ツアー「MOMOIRO CLOVER Z 6th ALBUM TOUR “祝典”」が昨日6月25日に東京・武蔵野の森総合スポーツプラザ メインアリーナでファイナルを迎えた。

ももいろクローバーZ「MOMOIRO CLOVER Z 6th ALBUM TOUR “祝典”」ファイナル公演の様子。(撮影:小境勝巳)

ももいろクローバーZ「MOMOIRO CLOVER Z 6th ALBUM TOUR “祝典”」ファイナル公演の様子。(撮影:小境勝巳)

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結成14周年記念日である今年5月17日に3年ぶり、通算6枚目のオリジナルアルバム「祝典」をリリースしたももクロ。このアルバムは“儀式”や“祝祭”をテーマにしたコンセプチュアルな作品で、ももクロ流の儀式が幕を開け、終幕に向かって進行していく様が種々様々な楽曲を通して表現されている。「MOMOIRO CLOVER Z 6th ALBUM TOUR “祝典”」は本作のリリースに合わせて5月にスタートし、全国14都市で計17公演が行われた。各会場では客席に“祝典”のプログラムが配布され、観客はそのプログラムや舞台袖に設置された「神聖なるサイリウムボール」の指令に従ってペンライトを点灯。ファイナルではABEMA PPV ONLINE LIVEで実施された生配信の視聴者を含む多くのモノノフ(ももクロファンの呼称)が、ステージ上で収録順に再現されていく「祝典」の世界観をたっぷりと堪能した。

ももいろクローバーZ「MOMOIRO CLOVER Z 6th ALBUM TOUR “祝典”」ファイナル公演の様子。(撮影:小境勝巳)

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“祝典”が開幕する時刻を迎えた瞬間、厳かなナレーションによって“案内状”が読み上げられ、アルバムにオープニングトラックとして収められている荘重なSEトラック「Opening Ceremony -阿-」が鳴り響く。それに合わせて祭壇を思わせるステージにゆらゆらとスモークが漂い、舞台を囲むように配置されたトーチに炎が灯ると、瞬く間に会場内が妖しくも神聖なムードで満たされた。ももクロは「祝典」のジャケット写真内でも着用しているメンバーカラーのきらびやかな衣装に身を包んでステージに姿を現し、まずは“祝典”の幕開けを飾るナンバーとして「PLAY!」をパフォーマンス。楽曲の冒頭で澄んだ歌声を響かせたあと、「愛を 伝えあっている?」と明るく観客に語りかけた。2曲目にはGARLICBOYSの楽曲をももクロバージョンにリメイクしたパンキッシュな自己紹介ソング「ダンシングタンク♡」が披露され、メンバーが踊るかわいらしいモンキーダンス、“ドヤ顔”で口にする自己紹介パートに会場のテンションが一気に上昇。アルバムのリード曲である「MYSTERION」では客席一面がオレンジ色のペンライトの光で染まる中、4人が「祝祭の始まりだ」と高らかに歌い上げ、“ももクロ流の儀式”が開会したことを改めて宣言した。

ももいろクローバーZ「MOMOIRO CLOVER Z 6th ALBUM TOUR “祝典”」ファイナル公演の様子。(撮影:小境勝巳)

ももいろクローバーZ「MOMOIRO CLOVER Z 6th ALBUM TOUR “祝典”」ファイナル公演の様子。(撮影:小境勝巳)[拡大]

続いて“祝典“は「余興・饌の儀」のブロックへ。ももクロは餓鬼レンジャー制作の陽気なヒップホップナンバー「満漢全席」を披露し、円卓を囲んでどんぶりや中華まんを手にとったり、乾杯したりしながら、中華料理の名前や中国語がちりばめられたリリックを上機嫌に歌う。ゲームソフト「桃太郎電鉄 ~昭和 平成 令和も定番!~」とのコラボソング「BUTTOBI!」でもハイテンションなステージが繰り広げられるが、アルバムのもう1つのリード曲「ショービズ」が始まると観客はペンライトを一斉に消灯。メンバーの等身大の姿を切り取った歌詞、浮遊感のあるポップなサウンドとメロディがモノノフたちの心に心地よく染み渡った。また「我慢せずに頼れる人やモノを頼ってほしい」というメッセージが込められたR&Bナンバー「HAND」では、4人が「人は強くないけど、でも1人じゃないから」「私も強くないけど、でも君がいるから。一緒に手をつなごう!」と笑顔で呼びかけてから歌い始め、観客と一緒になって手を左右に振って会場全体に温かい一体感を生み出した。

ももいろクローバーZ「MOMOIRO CLOVER Z 6th ALBUM TOUR “祝典”」ファイナル公演の様子。(撮影:小境勝巳)

ももいろクローバーZ「MOMOIRO CLOVER Z 6th ALBUM TOUR “祝典”」ファイナル公演の様子。(撮影:小境勝巳)[拡大]

「余興・饌の儀」を終えると、ももクロは一旦ステージから退場。インストゥルメンタルトラックの「Intermission -闍-」が流れている間、「祝典」のビジュアルでスタイリングを担当したスタイリスト / 衣装デザイナーの飯嶋久美子や、一般のモノノフからツアー開催とアルバム発売に際して贈られた祝辞が“中座”として読み上げられた。そして祝電の披露が終わると、神秘的なシルバーのワンピースドレスに着替えたメンバーが“再入場”し、ももクロの楽曲を数多く手がけてきた只野菜摘が作詞、NARASAKIが作編曲を担当した疾走感あふれるナンバー「momo」でパフォーマンスを再開。会場内の高揚感を一気に引き上げる。現在放送中の百田夏菜子主演ドラマ「僕の大好きな妻!」の主題歌に使われている「なんとなく最低な日々」では、4人がステージ上の階段に腰掛け、今の時代を生きる若者の心情を代弁するような歌詞を緩やかなエコーの効いたボーカルで響かせた。さらにこの「再入場・誓約の儀」のブロックでは「stay gold」「月色Chainon」といったアルバムリリース以前に発表されたタイアップ曲も続いたが、迫真の歌とダンスも相まって見事に「祝典」の一部として機能していた。

ももいろクローバーZ「MOMOIRO CLOVER Z 6th ALBUM TOUR “祝典”」ファイナル公演の様子。(撮影:上飯坂一)

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“祝典”が終盤に差しかかった頃、さわやかな表情を浮かべた百田の「まだまだいつもの世の中には戻らないけど、当たり前にあったものや身近な者、身近な人、その大切さがわかったような気がします。音楽もその1つ。私たちの歌が皆さんのお役に立てていたらとってもうれしいです」という言葉とともに披露されたのは、の子(神聖かまってちゃん)が作詞作曲した「孤独の中で鳴るBeatっ!」。マイクスタンドの前に立った4人は「大丈夫さ 大丈夫だよ 1人きりじゃないよ」と晴れやかに歌い上げると同時に、手話を交えた振り付けでもその前向きなメッセージを伝え、曲の終盤にはモノノフと一緒に腕を頭上に突き上げた。この曲では「MYSTERION」と同じく客席がオレンジの光一色に染まったが、時計の針が時を刻む音とともに始まった眉村ちあきの提供曲「手紙」では再び観客がペンライトの明かりをオフに。「手紙」は積み重ねてきたものが今の自分を作っているというメッセージが込められたバラード曲で、スモークが揺らめく中、会場が優しい歌声で包み込まれた。

ももいろクローバーZ「MOMOIRO CLOVER Z 6th ALBUM TOUR “祝典”」ファイナル公演の様子。(撮影:小境勝巳)

ももいろクローバーZ「MOMOIRO CLOVER Z 6th ALBUM TOUR “祝典”」ファイナル公演の様子。(撮影:小境勝巳)[拡大]

そして「手紙」を歌い終えたメンバーは、客席に背を向けてゆっくりとステージから歩み去る。この幻想的な展開に観客が心を奪われていると、“祝典”を締めくくる楽曲としてアルバムに収められている尾崎紀世彦「また逢う日まで」のカバーが華々しく流れ始めた。1人ずつ歌いながらステージに再び姿を見せたももクロは、希望と切なさに満ちた別れの歌でももクロ流の儀式を鮮やかなフィナーレへと導き、アルバムのエンドトラック「Closing Session -梨-」が流れる中で深々とお辞儀。惜しみない拍手を一身に浴びてステージをあとにした。

ももいろクローバーZ「MOMOIRO CLOVER Z 6th ALBUM TOUR “祝典”」ファイナル公演の様子。(撮影:上飯坂一)

ももいろクローバーZ「MOMOIRO CLOVER Z 6th ALBUM TOUR “祝典”」ファイナル公演の様子。(撮影:上飯坂一)[拡大]

公演本編でアルバム「祝典」の世界観を凝縮したパフォーマンスが展開されたのに対し、アンコールの“祝宴”ではいつも通りのにぎやかなももクロのコンサートが繰り広げられる。鳴り止まない拍手に応えるようにお馴染みの登場SE「overture ~ももいろクローバーZ参上!!~」が響き渡ったあと、4人はリラックスしたテンションでトークを展開。ももクロ最年長・高城れにが6月21日に29歳の誕生日を迎えたことをうれしそうに報告すると、ほかのメンバーは「こういう29歳になったのは私たちのせいだと思うから(笑)」と楽しそうにいじっていた。また、彼女たちは本ツアーより武蔵野の森総合スポーツプラザ メインアリーナ公演と東京・日本武道館公演の模様を収めたライブBlu-ray / DVDが9月14日に発売されることを発表。SNSアイコンに設定可能なNFTアートの販売がスタートしたこと、佐々木彩夏、高城、玉井詩織による「ももクロ 6月怒涛の合同生誕祭!!~黄桃紫 3人合わせて82祭~」が6月28日(火)にABEMA PPV ONLINE LIVEで生配信されること、ドキュメンタリー映画「ももいろクローバーZ ~アイドルの向こう側~〈特別上映版〉」が8月19日に全国公開されること、7月30、31日に埼玉・ベルーナドームにて夏の大型ライブ「ももクロ夏のバカ騒ぎ2022 -MOMOFEST-」が開催されることも次々に告知した。

ももいろクローバーZ「MOMOIRO CLOVER Z 6th ALBUM TOUR “祝典”」ファイナル公演の様子。(撮影:上飯坂一)

ももいろクローバーZ「MOMOIRO CLOVER Z 6th ALBUM TOUR “祝典”」ファイナル公演の様子。(撮影:上飯坂一)[拡大]

大人の年齢になった今でも変わらない、和気あいあいとした仲睦まじい姿でモノノフを笑顔にしたももクロは、「ダンシングタンク♡」 と同じくGARLICBOYSの楽曲をリメイクしたナンバー「あんた飛ばしすぎ!!」をアンコールの1曲目にパフォーマンスし、会場の熱気を増幅させる。さらに「笑一笑 ~シャオイーシャオ!~」をさわやかに歌唱した4人が、このツアーを締めくくるラストナンバーとして披露したのはライブの定番曲「走れ! -ZZ ver.-」。ペンライトから発せられるカラフルな4色の光がきらめき、清々しい空気が流れる中でツアーの幕が閉じた。

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ももいろクローバーZ「MOMOIRO CLOVER Z 6th ALBUM TOUR “祝典”」2022年6月25日 武蔵野の森総合スポーツプラザ メインアリーナ セットリスト

SE. Opening Ceremony -阿-
01. PLAY!
02. ダンシングタンク♡
03. MYSTERION
04. 満漢全席
05. BUTTOBI!
06. ショービズ
07. HAND
SE. Intermission -闍-
08. momo
09. なんとなく最低な日々
10. stay gold
11. 月色Chainon
12. 孤独の中で鳴るBeatっ!
13. 手紙
14. また逢う日まで
SE. Closing Session -梨-
<アンコール>
SE. overture ~ももいろクローバーZ参上!!~
15. あんた飛ばしすぎ!!
16. 笑一笑 ~シャオイーシャオ!~
17. 走れ! -ZZ ver.-

ももクロ夏のバカ騒ぎ2022 -MOMOFEST-

2022年7月30日(土)埼玉県 ベルーナドーム
2022年7月31日(日)埼玉県 ベルーナドーム

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