夕闇に誘いし漆黒の天使達がNon Stop Rabbit、ネクライトーキーと初競演果たす「新たな歴史の幕開け」

ライブイベント「SYNERGY」が昨日3月21日に神奈川・Yokohama Bay Hallで開催された。

「SYNERGY」はクリエイターサポート事業などを手がけるUUUM、ニュースサイト・ナタリーを運営するナターシャ、KDDIが共催する企画。UUUM所属のクリエイターがさまざまな世界で活躍するアーティストとパフォーマンスで競い合う。2回目となった今回は昼と夜の2公演。夕闇に誘いし漆黒の天使達が両公演に出演し、昼公演でNon Stop Rabbit、夜公演でネクライトーキーとの対バンを繰り広げた。イベントの模様は昼夜ともにuP!!!で生配信も行われた。

昼公演

開演時刻を迎えると、Non Stop Rabbitの3人が登場し「私面想歌」で勢いよくライブをスタート。スリーピースバンドならではの無骨なアンサンブルで場内を熱気で満たし、矢野晴人（Vo, B）は「みんなでいけますか！」「かかってこい！」と観客を煽りつつボルテージを高めていく。「昔々あるところにウサギと亀がいました。あの日敗れたウサギは、こう思いました。俺たちはもう止まらない。止まらないウサギ・Non Stop Rabbit走ります」という挨拶に続けて披露されたのは「明るい歌」と「BIRD WITHOUT」。田口達也（G, Cho）のエモーショナルなギターや、太我（Dr）が作り出す軽快なビートに乗せて、観客は手拍子をしたり体を思い切り揺らしたりと、全身を使ってライブを堪能していった。

中盤で3人は「夕闇と約束した曲を歌います」とバラードナンバー「大丈夫じゃない」をパフォーマンスし、矢野がエモーショナルな歌声を響かせる。さらに「僕らの友達のバンドは猫にも感謝できる素敵な人間です！」という言葉に続けて、彼らは夕闇の「猫サンキュー」をカバー。目まぐるしく展開する複雑な構成の曲に乗せてハードなデスボイスを轟かせた。その勢いのまま「Refutation」に突入すると、観客も頭上でタオルを振り回しながら一心不乱にジャンプし応戦。疾走感のある「PLOW NOW」でラストスパートへとさらなる盛り上がりが作り出されたあとに、田口が「普通のバンドではない2組がこうしてツーマンをやれることを誇りに思います」「皆さんは早く進みすぎる僕らを早く見つけすぎた人たちです。そんな皆さんも誇りを持って僕らを応援してください。本当に今日はありがとうございました！」と熱い気持ちを言葉にする。ラストに3人は「優等生」を演奏し、颯爽とステージをあとにした。

続く夕闇は、「We Are 健康人間」でラウドな演奏と強烈なデスボイスをいきなり響かせ、観る者を圧倒する。小柳（Vo）が「"SYNERGY"というのは相乗効果という意味らしいです。我々の初めてのツーマンということで、皆さんは歴史の始まりの目撃者ということですから、1分1秒余すことなく楽しんでいってください！」と語ったのちに、4人は夕闇らしいユニークな歌詞が印象的なロックナンバー「I want to change the band name.」、さわやかなラブバラード「3兆回目のアイラブユー」とバラエティに富んだ楽曲でライブを盛り上げる。「なんでやねん」では漫才師のツッコミのような手の振りで観客がひとつになった。

中盤では赤の全身タイツに身を包んだ小柳と、田口に扮した金の全身タイツ姿の人物が舞台上に登場し、「正義の味方『ジャスティスマン』」が披露される。最新曲「時給アップアップソング」の演奏前には、振り付けのレクチャーが入念に行われ、息の合った動きでステージとフロアに一体感が作り上げられた。その後、「Non Stop Rabbitとツーマンをする機会があって本当によかったです。本当にありがとう。またこのツーマンやりたいと思っています。それが僕らにとっての"SYNERGY"だと、相乗効果だと思いませんか？」と語られたのちに、Non Stop Rabbit「私面楚歌」のカバーが披露された。ラストに4人は「猫サンキュー」「30秒間以上手を洗わないとウイルスは除去できない」をノンストップで演奏し、駆け抜けるようにすべてのパフォーマンスを終えた。その後ステージに2組が集結し、小柳が「『私面楚歌』難しかったかも。次々言葉が入ってくるから歌詞を見る暇が全然なかった。歌うまいね」と矢野を称える場面も。最後に両者は観客をバックに記念撮影をし、昼の部の幕を下ろした。

夜公演

ステージに登場したネクライトーキーは、カズマ・タケイ（Dr）の刻むビートを起点に「めっちゃかわいいうた」の演奏をスタート。中村郁香（Key）が奏でるキーボードのファニーな音色、メンバー全員のコーラスを交えて、にぎやかに夜公演の幕を開けた。続いて5人は、もっさ（Vo, G）と朝日（G）のギターの掛け合いから「きらいな人」を疾走感たっぷりに、藤田（B）の歪んだベースをフィーチャーした「はよファズ踏めや」を荒っぽく披露。決めフレーズが心地いい「北上のススメ」のラストには、全員がリズムに乗って首を左右に振る、見た目にも楽しいステージを展開した。

次の「許せ！服部」では、「服部！」のフレーズに合わせて観客が手を上げ盛り上がる。牧歌的なムードの「だけじゃないBABY」を終えると、もっさは「ライブハウスは2カ月弱ぶりで、今、めちゃくちゃ楽しいです」と笑顔で語り、「ライブが終わったら、あとは楽しむだけ」と夕闇のステージへの期待をにじませる。朝日は「どんなバンドを観るにもルールなどはございません。好きな形で楽しんでいってもらえたらと思います」と観客へ呼びかけた。その後には軽快なメロディの「気になっていく」をはじめ、ダンサブルな楽曲が続く。「誰が為にCHAKAPOCOは鳴る」のメンバー全員で唱える「CHAKAPOCO！」というコールには、観客が大きく手を上げて応答。「オシャレ大作戦」では朝日がシンセのリズムに合わせて観客のクラップ、ハンズアップを煽り、フロアの一体感を高めていった。そして5人は「遠吠えのサンセット」をスピーディに届けて出番を終えた。

夕闇は登場するやいなや楽器隊が爆音、小柳がデスボイスを轟かせ、この日2度目のステージに臨む気合いを見せる。そして昼公演同様「We Are 健康人間」でライブをスタートさせた。小柳はまったくジャンルの異なるネクライトーキーとの対バンであることに言及。「キーボードの方（中村）に『髪型すごい！ 触ってもいいですか!?』と言われて、頭を差し出したら『ふーん……』と言って触らなかった。なんか汚かったりしましたかー!?」と壁を感じたことを明かしつつ、「普通じゃ考えられない対バンだけど、対バンしちゃいけないバンドなんて存在しない。新たな歴史の幕開けを見逃さないようにお願いします」と会場の観客と配信の視聴者に呼びかけた。

「幸せな曲をやります」という言葉で始まったのは、突き抜けて明るい「Super Ultimate Happy Happy Song」。ストレートな欲求を歌う「Q.O.L」では、タイトルを手で表現する振りで会場がひとつになった。続く「Waiting for you」はエモーショナルなサウンドに乗せ、パチンコの当たりを待つ感情を歌うナンバー。ラストでは小柳がキーボードを肩に担いで熱唱した。続いて彼はギターを手に取り、バンドマンとしての思いを熱く語る。しかし「『ネクライトーキー』って呼び捨てして生意気だと思ってます？」「何言ってんだこいつって思ってます？」と何度も話を中断しているうちに、曲を始めるタイミングを見失ってしまう。ともやん（B）に「長い！」とツッコまれながら小柳が歌い始めたのは「コミックバンドとして」。次の「ウォウウォウイェイイェイ酒ナイト」の終盤では、全員が楽器を置いてステージ前方で踊り狂い、黒衣を交えて組体操の技「カシオペア」を成功させた。

その後4人は昼公演と同様、ダンスをレクチャーして「時給アップアップソング」を披露。小柳は結った髪がほどけるほどの激しいステージングを見せる。ラストに彼らは「はたらく君に贈る歌」「30秒間以上手を洗わないとウイルスは除去できない」を最後の力を振り絞るように演奏し、2公演にわたったイベントを締めくくった。ライブ終了後、夕闇はネクライトーキーをステージに呼び込み、集合写真を撮影。中村は小柳に「髪の毛触らなくてごめんなさい（笑）」と謝罪していた。小柳は去り際にネクライトーキーと観客に向けて「また一緒にやるときにはお願いします！」と挨拶しステージをあとにした。

ライブの模様は3月28日（月）23:59までアーカイブ配信中。配信チケットは28日20:00まで販売される。