昨年デビュー30周年を迎え、ドキュメンタリー映画「
[Day.1] 1991-1994
チケットがソールドアウトし、当時のファンから若いリスナーまで幅広い客層でにぎわうLIQUIDROOM。開演前のDJをバンドのオリジナルメンバーである小嶋謙介とエンジニアのZAKが担当し、フィッシュマンズに影響を与えたアーティストの楽曲でライブに向けたムードを作り上げる。そんな中、フィッシュマンズのライブのオープニングナンバーとしてお馴染みの「Oh! crime」が流れると、茂木、柏原譲(B)、HAKASE-SUN(Key /
レアなナンバー「疲れない人」も織り交ぜつつ、「頼りない天使」「救われる気持ち」など前期の代表的な楽曲を次々と届けていくフィッシュマンズ。「Blue Summer」はバンド結成時に佐藤がデモテープを持ってきたという最初期のナンバーであり、茂木はそのデモテープに衝撃を受けた思い出を振り返り、「2022年3月に演奏しても、ものすごく心を持ってかれるし、ずっとこの音楽を届けたいなという気持ちになってます」と語った。またフィッシュマンズが1987年の結成から1991年のデビューまでに4年かかっていることに触れた茂木は、その期間の楽曲を披露する「HISTORY Of Fishmans:La.mama編」も開催したいと発言。彼らが所属した明治学院大学のサークル・ソングライツに話に及ぶと、ソングライツ時代のヒット曲の演奏になだれ込み、この曲は同サークルに所属していたチバユウスケ(The Birthday)も歌えるはずだという小ネタも交えて観客を喜ばせた。
MC後、ドラマのタイアップ曲となるもヒットしなかったというエピソードが「映画:フィッシュマンズ」で語られた「100ミリちょっとの」や、HAKASE-SUN作詞作曲の「オアシスへようこそ」などを演奏したフィッシュマンズは、「感謝(驚)」に続けて前期の代表曲「いかれたBaby」を披露。ここでステージをあとにするが、鳴り止まない拍手に応じて再び現れると、スペシャルゲストの鈴木真海子(
[Day.2] 1995-1998
デビュー以降、作品を重ねるごとに音楽的な進化を遂げ、世界的に評価される唯一無二の個性を確立していったフィッシュマンズ。前期と後期では音楽性が大きく異なり、後期の曲が披露される2日目は、開演前からして1日目とは雰囲気が違い、どこか神妙なムードが漂っていた。そこへ前日と同じ編成で現れたフィッシュマンズは、佐藤が生前書き下ろした最後の作品と言われる「A Piece Of Future」で演奏を開始すると、後期の代表曲の1つである「すばらしくてNICE CHOICE」を早速演奏。とろけるようなボーカルとサウンドでLIQUIDROOMを包み込んでいく。
「MAGIC LOVE」では木暮と関口がアグレッシブなギタープレイをぶつけ合って観客を沸かせる場面もありつつ、2日目のライブは浮遊感あふれるスロウナンバーが中心。「バックビートにのっかって」「BABY BLUE」「SLOW DAYS」「ずっと前」といった楽曲に新たなアレンジを加えつつ、フィッシュマンズはじっくりとした演奏で重厚なグルーヴを生み出していく。「1曲1曲好きな曲しかなくて、噛み締めてます」と語った原田がアコースティックギターを手に取ると、彼女の弾き語りから「IN THE FLIGHT」へ。観客はその演奏にじっと聴き入り、心を浄化するような音に浸った。ライブ終盤、「WALKING IN THE RHYTHM」「Weather Report」で強烈なトリップ感をもたらしたフィッシュマンズは「SEASON」からバンドの代名詞と言える「ナイトクルージング」につなげ、ライブ本編を終えた。
その後のアンコールには、ソングライツのメンバーとして古くから親交があり、フィッシュマンズのライブツアーにも参加していた
なおStreaming+では本公演のアーカイブ映像を有料配信中。1日目のアーカイブは3月7日、2日目のアーカイブは3月8日まで視聴できる。またWOWOWでは「2カ月連続!デビュー30周年ライブ放送記念 フィッシュマンズ特集」として、佐藤の命日である3月15日(火)に映画「映画:フィッシュマンズ」とドキュメンタリー「THE LONG SEASON REVUE」、4月29日(金・祝)に今回のワンマンライブの模様が放送される。
フィッシュマンズ「HISTORY Of Fishmans」2022年3月1、2日 LIQUIDROOM セットリスト
[Day.1] 1991-1994
01. Oh! crime
02. チャンス
03. いなごが飛んでる
04. ひこうき
05. いい言葉ちょうだい
06. 土曜日の夜
07. RUNNING MAN
08. 頼りない天使
09. 疲れない人
10. 救われる気持ち
11. Blue Summer
12. 100ミリちょっとの
13. Go Go Round This World!
14. 気分
15. オアシスへようこそ
16. 感謝(驚)
17. いかれたBaby
<アンコール>
18. Just Thing
19. Smilin' days, Summer Holiday
20. 夜の想い
[Day.2] 1995-1998
01. A Piece Of Future
02. すばらしくてNICE CHOICE
03. MAGIC LOVE
04. バックビートにのっかって
05. BABY BLUE
06. SLOW DAYS
07. ずっと前
08. IN THE FLIGHT
09. WALKING IN THE RHYTHM
10. Weather Report
11. SEASON
12. ナイトクルージング
<アンコール>
13. ひこうき
14. 新しい人
WOWOWライブ / WOWOWオンデマンド「2カ月連続!デビュー30周年ライブ放送記念 フィッシュマンズ特集」
映画:フィッシュマンズ
2022年3月15日(火)19:30~
THE LONG SEASON REVUE
2022年3月15日(火)22:30~
フィッシュマンズ “HISTORY Of Fishmans” [Day.1] 1991-1994 / [Day.2] 1995-1998
2022年4月29日(金・祝)21:00~
showgunn @showgunn
【ライブレポート】フィッシュマンズの歴史をたどる2DAYSワンマン、鈴木真海子や小宮山聖も迎えて新たなバンドの姿を示す(写真10枚) https://t.co/JXE67fOBU4