GANG PARADEは音楽事務所WACK所属のアイドルグループで、2014年に結成されたプラニメが前身にあたる。メンバーチェンジや改名を経て、2019年にメジャーデビューを果たした。しかし2020年1月にグループ発起人であるカミヤサキが脱退を表明。3月にはGANG PARADEが
開演直前に舞台袖からメンバーが気合いを入れる声が漏れ聞こえ、客席からは自然と拍手が沸き起こる。そしてGANG PARADEのオープニングBGMが流れ、ステージにカミヤ、ヤママチミキ、ユメノユア、キャン・GP・マイカ、ココ・パーティン・ココ、テラシマユウカ、ユイ・ガ・ドクソン、月ノウサギ、ナルハワールドの9人が並んだ。一段と大きな拍手を送る遊び人(ギャンパレファンの呼称)を前に、9人は「私たち、エンジョイプレイ! みんなの遊び場、GANG PARADEです! よろしくお願いします!」と挨拶し、キラーチューン「Plastic 2 Mercy」でライブの口火を切った。序盤でギャンパレは「UNIT」「Happy Lucky Kirakira Lucky」「QUEEN OF POP」とシングル曲をリリース順に披露。気合い十分のメンバーは、“みんなの遊び場”と形容するギャンパレ流の熱狂的なライブ空間を作り上げていった。MCでは現在、振付師として活動中のカミヤが柔らかい表情を浮かべ、「遊び人の皆さん、おひさしぶりです! お元気でしたか! エネルギーがすごい! 素晴らしい光景をありがとうございます!」とコメント。クラウドファンディングに参加した人たちに改めて感謝の気持ちを伝え、「あの日、止まってしまった時計の針を、今日遊び人のみんなと一緒に動かします」と述べて「FOUL」につなげた。歌詞に込められたメッセージは活動が止まっているグループの状況とシンクロする部分があり、昨年5月に中止を余儀なくされた脱退ライブの開催予定日からちょうど1年、止まっていたギャンパレの時間が動き出したことを示しているかのような内容だった。
ライブ中盤には月ノが「遊び人! ずっとずっとこの名前を叫びたくてたまりませんでした! 遊びにーん!」とうれしそうに呼びかける。続けて「世界や日常がたくさん変わってしまって。そんな中でもGANG PARADEでみんなとまた出会えたことがうれしいです。今日まで待っていてくれて本当にありがとうございます。私は今、PARADISESでもなくGO TO THE BEDSでもなく、
ライブ終盤にはココがコメント。「4年半前、私は何者でもなくて、どこにも必要とされていなかった人間だったはずなんですけど、サキちゃんに、GANG PARADEのメンバーに、そして遊び人のみんなに受け入れてもらって、こうしてここまで活動してくることができました。負け続けてばかりの私たちを支えてくれた遊び人のみんな、メンバー、感謝してもしきれない恩が、まだまだ私にはたくさんあります。ギャンパレがこの先どうなるかはわからないけど、こうして一緒に戦ってきたメンバーと場所は違えど、GANG PARADEの魂というか、イズムみたいなものは根強く、ずっと心の中で生き続けると思います。遊び人にはたくさんのありがとうを伝えに来ました。愛してくれてありがとう。そしてこれからもGANG PARADEをよろしくお願いします」と語った。感極まった雰囲気から一転して声を張り上げたココは、「でもこういう感じはギャンパレらしくないじゃないですか! 皆さんの心の声は届いています。最後は笑顔で踊って、ハッピーな時間を過ごしましょう!」と呼びかけた。そんな言葉のあと、ギャンパレは初期ナンバー「pretty pretty good」と、エモーショナルな「らびゅ」を最後にパフォーマンス。「らびゅ」は2019年発表のメジャー1stアルバム「LOVE PARADE」の収録曲で、カミヤによるコンセプチュアルな振り付けが採用されており、メンバー全員がダンスとフォーメーションで“愛”を表現した。
拍手が鳴り止まない中、アンコールは「CAN'T STOP」でスタート。MCではカミヤがマイクを握り、自らの思いを語った。「今日はここに立つ前にいろいろ想像してたんですけど、緊張とも違う不思議な感覚です。立ってみたら、生まれてからこれまでで一番朗らかなんじゃないかというくらい温かい気持ちです。GANG PARADEと遊び人はアイドルとファンという関係だけじゃない、家族のような関係なんだと思いました」と述べ、優しい笑顔を浮かべる。カミヤは続けて、「公演が決まってからひさびさにGANG PARADEの曲を聴いたら、遊び人のみんなの顔が自然と浮かび上がってきました。曲に喜び、感動が詰まっていたんだなと思って、涙が出そうでした。今日こうして皆さんの前に立って、今まで同じ時間を過ごしたメンバー、私たちが前を向いて活動できるようにとたくさん支えてくださったスタッフさん、そして遊び人のことが大好きだったんだなと改めて実感しました。幸せで仕方がありません。カミヤサキの人生において、遊び人の皆さんはなくてはならない、かけがえのない存在です。それはGANG PARADEを離れても一生変わりません。大好きな人たちにこうして『大好きです』と伝えられること、うれしく思います。カミヤサキは遊び人のみんなが大好きです!」と語った。「そして、胸を張って……自信を持ってこう言えます。私はGANG PARADEが大好きです! 7年間本当にありがとうございました!」と深く一礼。拍手を浴びながら、「最後の曲は、始まりの曲です。これからもずっとこの曲が歌い継がれていくよう、私は願っています。そのときが来たら、皆さん大声で叫んでください。今はたくさん手を叩いてください。みんなの遊び場を、みんなと作れて幸せでした。言葉にしても足りないくらいの愛を込めて」と最後の言葉をファンに捧げ、ラストナンバーとしてライブの1曲目にパフォーマンスした「Plastic 2 Mercy」を再び披露。去り際にギャンパレは手をつないで「BODY & 9 SOUL!」と叫び、カミヤが「今まで本当にありがとうございました!」とマイクを使わずにお礼の言葉を遊び人に送り、ステージを去っていった。
なお2部ではヤママチ、テラシマ、カミヤがMCを担当。もともとカミヤのファンだったヤママチは、この日が来ることに楽しい気持ちと寂しい気持ちを抱えていたという。当日の心境については「今日こうして大好きなメンバーと、大好きな遊び人の皆さんと素敵な時間を過ごせて、とても特別な存在のサキちゃんと同じステージに立つことができて、今とても幸せです。今日を迎えることができてよかったなと思います」とし、「これからGANG PARADEがどうなるかはわからないです。GANG PARADEと遊び人の力を信じて、これから私たちは進んでいきます」と語った。またテラシマはギャンパレ分裂が決まってから、コロナ禍の影響でファンの前にギャンパレとして姿を見せられなかったことを振り返り、「もどかしい思いをさせたと思います。本当に1年間、たくさんお待たせしました。今日で終わりだと思っている人もいると思うけど、“みんなの遊び場”をあきらめないでいてほしいです。『GANG PARADEがみんなを幸せにする』と口をそろえて言ってきたこと、明日からそれぞれの道に戻っていっても、その言葉は叶え続けていきます。今日が一生記憶に残るように、最高の遊び場を届けます」と決意を表明して、ライブに臨んでいた。
カミヤは2部のアンコールでギャンパレの成り立ちに触れ、「前身グループのプラニメを始めたとき、グループを作ることがどういうことかきちんと理解できていませんでした。メンバーに頼る方法も、メンバーという存在の大切さもわからない残念なやつでした」と振り返った。そして「2014年7月8日に何も知らないまま始めたプラニメから、活動することの難しさ、素晴らしさを教えてくれたのはメンバーであり、スタッフ、遊び人のみんなでした。本当に幸せでした。愛しています」と感謝しきりの様子。最初期の楽曲である「Plastic 2 Mercy」については、「(歌詞の)『不安でも 蹴り上げて飛べ』は、7年前、新しい道を進む自分の不安な気持ちがあっても、やってやるんだという誓いを立てたときの言葉です」と説明。そして2部のラストでの「Plastic 2 Mercy」のパフォーマンス中に「愛してるぞGANG PARADE!」と絶叫して感情を爆発させた。
1日限りの復活となったGANG PARADEは活動を停止しているため、今後の予定は不明。カミヤ以外のメンバーは、それぞれGO TO THE BEDS、PARADISES、WAggに戻ってグループ活動を継続する。
「FOREVER GANG PARADE FOREVER」2021年5月22日 東京・中野サンプラザホール セットリスト
01. Plastic 2 Mercy
02. UNIT
03. Happy Lucky Kirakira Lucky
04. QUEEN OF POP
05. FOUL
06. ブランニューパレード
07. sugar
08. Beyond the Mountain
09. GANG 2
10. イミナイウタ
11.
12. LAST
13. pretty pretty good
14. らびゅ
<アンコール>
15. CAN'T STOP
16. Plastic 2 Mercy
関連記事
リンク
J_ROCKNews @J_ROCKNews
GANG PARADE、たくさんの愛にあふれた1年越しカミヤサキ脱退ライブ https://t.co/CkHSLGfvoo