KID FRESINO、初の主催イベントでリスペクトする同世代アーティストと競演「またぜひやりましょう」

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KID FRESINOによる主催イベント「another 5 years」が、4月24日に東京・LIQUIDROOMで開催された。

「Cats & Dogs」パフォーマンス時の様子。(Photo by Ray Otabe)

「Cats & Dogs」パフォーマンス時の様子。(Photo by Ray Otabe)

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オリジナルTシャツを着用したKID FRESINO。(Photo by Ray Otabe)

オリジナルTシャツを着用したKID FRESINO。(Photo by Ray Otabe)[拡大]

KID FRESINOにとって初の主催イベントとなる本公演には、彼が敬愛する同世代のアーティストとして安部勇磨(never young beach)、MONO NO AWARE折坂悠太カネコアヤノが出演。弾き語りやバンドセットなどKID FRESINOが要望する形態でそれぞれパフォーマンスを繰り広げ、その模様はスペースシャワーTVがプロデュースするライブ配信サービスLIVEWIREで生配信された。またイベントのアートワークはkudosの工藤司が担当。ライブ会場やLIVEWIREのWebサイトでは本公演のオリジナルTシャツが販売された。

「Let It Be」パフォーマンス時の様子。(Photo by Ray Otabe)

「Let It Be」パフォーマンス時の様子。(Photo by Ray Otabe)[拡大]

イベントのオープニングを飾ったのは、主催のKID FRESINOによるバンドセットのパフォーマンス。バンドメンバーには三浦淳悟(B / ペトロールズ)、佐藤優介(Key)、斎藤拓郎(G / Yasei Collective)、石若駿(Dr / Answer to Remember、millennium parade、SMTK)、小林うてな(Steelpan、Traktor、Cho / Black Boboi)、西田修大(G)の6人を迎えた。先にステージにスタンバイしたバンドメンバーが「Coincidence」の演奏を始める中、拍手で出迎えられたKID FRESINOは「ありがとうございます」と微笑みマイクを握ると、複雑な演奏に叩き込むようにラップ。「come get me」では緩急を付けたパフォーマンスで観客を圧倒する。そこから「Let It Be」になだれ込むとDaichi Yamamotoがサプライズで登場。2ステップを取り入れたビートに乗ってKID FRESINOとDaichi Yamamotoは軽快なラップを繰り広げた。Daichi Yamamoto退場後、KID FRESINOはバンドメンバーが制作に参加した最新アルバム「20,Stop it.」の収録曲を中心にノンストップでライブを展開し、最後にセルフプロデュース曲「Rondo」を披露。メロウなビートに乗って気持ちよさそうに歌声を響かせた。

安部勇磨のライブの様子。(Photo by Ray Otabe)

安部勇磨のライブの様子。(Photo by Ray Otabe)[拡大]

KID FRESINOに続いて登場したのは、never young beachのフロントマンである安部勇磨。6月30日に自主レーベル・Thaian Recordsから初のソロアルバム「Fantasia」をリリースする彼は、アルバムにも参加した香田悠真(Key)、嘉本康平(Dr, G / DYGL)とともにステージに現れ、アルバム収録曲「ファンタジア」をゆったりと歌い始めた。never young beachの楽曲「春らんまん」も交えつつ、安部はバンドとは違うやり方で制作したというソロアルバムの収録曲を次々に披露。温かい歌声を会場いっぱいに響かせ、穏やかな時間を作り上げる。MCで安部はKID FRESINOについて「ちゃんとお話ししたことはないんですけど、なんか好きなんですよね。絶対いい人じゃん」とコメント。「今日はライブの機会もいただけて楽しかったです」と語ると、自宅にあるゴジラの人形を見て思ったことを曲にしたという「おまえも」を伸びやかに歌って出番を終えた。

MONO NO AWARE(Photo by Ray Otabe)

MONO NO AWARE(Photo by Ray Otabe)[拡大]

安部に続いては、言葉遊びが印象的な歌詞とポップなメロディセンスで知られる4人組ロックバンド・MONO NO AWAREが登場。早口言葉を連呼するユーモラスなナンバー「かむかもしかもにどもかも!」でライブの口火を切ったバンドは、続けて「ゾッコン」を軽快に演奏し、より激しさを増したライブアレンジの「そういう日もある」で観客の体を揺らす。MCで玉置周啓(Vo, G)はKID FRESINOについて「カッコいいけど関わることになると思っていなかった」と述べつつ、イベントに招かれたことを感謝。「せっかくだから後半はフレシノくんが気に入ってくれた曲をやりたい」と語って「言葉がなかったら」「東京」を生き生きと演奏し、最後は3月に配信した新曲「そこにあったから」で心地よいアンサンブルを奏でた。

折坂悠太(Photo by Ray Otabe)

折坂悠太(Photo by Ray Otabe)[拡大]

1人で登場した折坂悠太は、スモークがかったステージでエレキギターを爪弾き始めると「春」でライブを開始。ルーパーにより自身の歌声を重ねて幻想的な雰囲気を生み出していく。「光も暮らしもない夜にあれを歌おうか、あれを歌おうか。折坂悠太、独奏でございます」と挨拶した折坂は、butajiと共作した楽曲「トーチ」を朗らかに歌ったあと、KID FRESINOについて「イベントをやるなんてすごい」と語りつつ、「マジできてよかったです今日」とつぶやいて拍手を浴びる。「おのおの楽しく生きましょう。音楽とか人生の楽しみというのは正しさとは少し距離を置いたほうがよいときもあると思います」と語った折坂は、浅川マキ「こんな風に過ぎて行くのなら」のカバーでパフォーマンスを再開し、続けて「さびしさ」を披露。ラストの「心」では再びルーパーを駆使し、浮遊感あふれるサウンドで会場を包み込んだ。

カネコアヤノのライブの様子。(Photo by Ray Otabe)

カネコアヤノのライブの様子。(Photo by Ray Otabe)[拡大]

トリを務めたカネコアヤノは、林宏敏(G)、本村拓磨(B / ゆうらん船)、Bob(Dr / HAPPY)を迎えたバンド編成で登場。Bobのドラムカウントから「アーケード」で勢いよくライブが始まると、カネコはギターをかき鳴らし、荒々しく声を張り上げる。その勢いのまま「天使とスーパーカー」「カウボーイ」をエネルギッシュに演奏したカネコは、最新アルバム「よすが」から「抱擁」を伸びやかに歌唱。さらにアルバム収録曲「栄えた街の」「爛漫」を力強く歌い、最後は「愛のままを」で声を振り絞ると「ありがとう」と挨拶してステージをあとにした。カネコの退場後、観客が拍手でアンコールを求めると主催のKID FRESINOが再登場。カネコの披露した「栄えた街の」を「今、世界で一番いい曲ですよね」と絶賛しつつ、カネコやバンドメンバーを再び迎え入れる。そしてKID FRESINOはカネコとのコラボ曲「Cats & Dogs」をラストナンバーとして披露。パフォーマンスを終えると「またぜひやりましょう」と観客に笑顔で呼びかけて初の主催イベントに幕を下ろした。

なおLIVEWIREのWebサイトでは本公演のチケットを5月2日21:00まで販売しており、購入者は5月2日23:59まで安部のライブパフォーマンスを除くアーカイブ映像を視聴できる。

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「another 5 years」

2021年4月24日 LIQUIDROOM セットリスト

KID FRESINO

01. Coincidence
02. Lungs
03. come get me
04. Let It Be
05. Dejavu
06. not nightmare
07. No Sun
08. youth
09. Rondo
<アンコール>
10. Cats & Dogs

安部勇磨

01. ファンタジア
02. 春らんまん
03. さよなら
04. 風まかせ
05. ありがとさん
06. おまえも

MONO NO AWARE

01. かむかもしかもにどもかも!
02. ゾッコン
03. そういう日もある
04. 言葉がなかったら
05. 東京
06. そこにあったから

折坂悠太

01. 春(ルーパー)
02. トーチ
03. こんな風に過ぎて行くのなら(浅川マキ カヴァー)
04. さびしさ
05. 心(ルーパー)

カネコアヤノ

01. アーケード
02. 天使とスーパーカー
03. カウボーイ
04. 抱擁
05. 栄えた街の
06. 爛漫
07. 愛のままを

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SPACE SHOWER MUSIC STAFF @ssm_staff__

4月24日(土)、恵比寿LIQUIDROOMで開催された「another 5 years」のライブレポートがナタリーに掲載されています。是非ご覧下さい。
https://t.co/V8A4WiUeFb

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