凛として時雨、Zepp Tokyo舞台に激情セミファイナル

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11月29日、凛として時雨が全国ツアー「VIRGIN KILLER」のセミファイナル公演をZepp Tokyoにて開催した。

今回のツアーでは、映像を取り入れたステージで新たな側面をみせた凛として時雨。ホールツアーではどんなライブを展開するのか注目が集まる。

今回のツアーでは、映像を取り入れたステージで新たな側面をみせた凛として時雨。ホールツアーではどんなライブを展開するのか注目が集まる。

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「傍観」のラストでは絶叫を繰り返し、オーディエンスを釘付けにしたTK。

「傍観」のラストでは絶叫を繰り返し、オーディエンスを釘付けにしたTK。

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345は激しいベースプレイと物販紹介での素朴な語り口のギャップで観客を沸かせた。

345は激しいベースプレイと物販紹介での素朴な語り口のギャップで観客を沸かせた。

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終盤のドラムソロコーナーで卓越したドラミングを披露したピエール中野。

終盤のドラムソロコーナーで卓越したドラミングを披露したピエール中野。

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最新アルバム「still a Sigure virgin?」がオリコンウイークリーチャート1位を獲得し、破竹の勢いをみせる彼ら。その世界を体感しようと、フロアは超満員のファンで埋め尽くされた。

開演前には、ワンマン公演には欠かせないピエール中野(Dr)による影アナ前説が行われ、なぜか松崎しげるをネタにしながら「『ピエールMCでスベってるなう』などのツイートはNGです」「『ピエール実物はかっこ良かった。抱かれたい』などはOKです」など大暴走。しかもライブ前だというのに息が上がっている様子で、フロアからは終始笑いが発生。すべての注意事項を読み上げると、おなじみのバイブスコールで前説を締めくくり、ライブ本編へとつなげた。

会場が静かに暗転すると、青白いライトが幻想的な雰囲気を醸し出す中、TK(Vo, G)、ピエール中野、345(B, Vo)が順番にステージに登場。スモークの噴射音とギターのチューニング音が重なり、緊迫した空気がフロアを覆い始める。1曲目「I was music」の演奏が始まると、ピエール中野の硬質なドラミングを軸に、息づかいまでもが伝わってくるTKの生々しいボーカル、345の猛るようなベースが絡み合い、会場は一瞬して圧倒的な音塊に飲み込まれる。続く「想像のSecurity」ではTKのジャキジャキとしたカッティングギターと、TKと345のデッドヒートさながらのツインボーカルが炸裂。さらにオーディエンスの性急なoiコールにあわせてフラッシュライトが明滅し、スピード感ある楽曲の魅力を引き出していく。

怒涛の展開はとどまることがなく、「ハカイヨノユメ」では原曲よりもテンポを加速。その後も「Can you kill a secret?」「シークレットG」といった躍動的なナンバーが続き、会場の熱気が上昇していった。

「凛として時雨です」とTKが穏やかな声で挨拶したのを機に、ライブは次のパートへ。345の太くグルーヴィな低音が映えた「JPOP Xfile」、機材を破壊しかねないほどのピエール中野のドラミングが圧巻だった「Telecastic fake show」と攻撃的な楽曲が続く。互いの音や歌声をぶつけ合い、次々と楽曲を演奏していく鬼気迫る3人のパフォーマンスにオーディエンスは熱狂。そこにピエール中野の華麗なスティック回しが光る「nakano kill you」が投下され、会場はさらに荒々しい空気に支配された。

しかし続くパートでその雰囲気は一転。TKの丸みのあるギターから始まる「moment A rhythm」では、ノスタルジックな色彩の映像とともに叙情的なサウンドが響く。超絶ギターが聴きどころの「this is is this?」では、スクリーンにゆらめく水面のような映像が投影され、そこにささやくようなTKのボーカルが重なる。その声はクライマックスに近づくに従い絶叫へと変わり、ピエール中野と345の刻むリズムもそれに呼応するように激しさを増した。

345の透きとおるようなボーカルが光る「秋の気配のアルペジオ」の後は、凛として時雨の“静”の部分を押し出した展開に。観客が固唾を飲んでステージを見つめる中始まったのは「illusion is mine」。メンバーにスポットが当てられ、スクリーンには同曲のビデオクリップで使われた映像素材が映される。その上に揺らぎのある345の歌声と、ディストーションギターが重なり、幽玄なサウンドスケープを作り出していく。ギタリスト・ピエール中野がフィーチャーされた「eF」の曲中には、ステージ上にキャンドルのようなライトが灯り、ぬくもりのある音を演出。3人が楽器を弾く手を止めると、指笛や拍手が一際大きく響いた。

続けて恒例のピエール中野の独壇場のMC&ドラムソロコーナーが開幕。まず「ランランルー」のコール&レスポンスが始まるが、「俺はカッコイイ『ランランルー』をやりたいんだよ!」と自分の声にディレイとリバーブをかけた上、声に合わせてフラッシュライトを点灯させ、これまでにない過剰演出で観客を動揺させる。続けてPerfumeが東京ドーム公演で繰り広げたカレーの具材をネタにしたコール&レスポンスを再現。観客の盛り上がりと良心的な反応に「マカオから帰ってきたPerfumeも喜んでるぜ!」と満足気な表情を浮かべた。

脱線気味のコール&レスポンスはその後も続き、コールにズンドコ節のフレーズを盛り込んだり、Xジャンプを強要したりと相変わらずやりたい放題。大盛り上がりの観客を前に「俺はここにいていいのか!?」と叫び、そのままドラムソロへとなだれ込んだ。スクリーンには演奏中のピエール中野が後ろからのアングルで投影され、巧みな手つきとドラミングに感嘆の声があがる。彼のドラマーとしての魅力を満喫できるひとときとなった。

ドラムの乱打が激しくなるに従い、会場は再びライブモードにシフトチェンジ。TKと345もステージに戻り「replica」から後半戦がスタート。345が奏でるイントロで観客が沸き立ったライブの定番曲「DISCO FLIGHT」、さらに「CRAZY感情STYLE」と激しいサウンドの応酬に、会場の熱気が上昇していく。

切り裂くような轟音とTKの絶叫がフロアを刺激した「a symmetry」の演奏が終わると、フロアは呆然としたムードに。TKはその空気を和らげるように「楽しんでますか?」と優しく問いかけ、「告知があります」と春に初のホールツアーを開催することを発表。「ファイナルは東京国際フォーラムです。よかったら来てください」と口にすると、オーディエンスから祝福の拍手を浴びた。そのままトークのバトンは345に渡され、恒例のグッズ紹介が始まる。345ははにかみながら「皆さん今日は来てくださってありがとう」と挨拶し、ツアーのために制作したグッズを丁寧に解説した。

和やかなMCの後、ラストナンバーとして披露されたのは「傍観」。この曲では赤く染められたステージに3人のシルエットが浮かび上がる。おどろおどろしい空気の中、TKのかすれ気味の声が次第に絶叫へと変わり、サビでは345との壮絶なツインボーカルが暗いフロアに響く。345とピエール中野が舞台の袖に消えた後も、TKはひとりギターをかき鳴らし続け、己の存在をステージに刻みつける。そしてゴトッという落下音とともにギターを床に落とすと、演奏を突然終了。そのまま祈るように客席にお辞儀をすると、サイレンのような残響を残しライブに幕を下ろした。

緻密さやクオリティの高さが印象的だった新木場STUDIO COAST公演に比べ、激しさと衝動的な一面を押し出したこの日の公演。改めて凛として時雨の奥深さや、探究心を証明するような一夜となった。

なお、凛として時雨初のホールツアー「VIRGIN KILLER SUICIDE」は、2011年4月28日の埼玉・戸田市文化会館よりスタートし計7公演を実施。本日12月5日にチケット情報が公開され、4500円の通常席に加え、1階最前席(SS1席)、2階最前席(SS2席)、1階前方席(S席)の販売が明らかになった。オフィシャルサイトでは本日12:00より先行抽選予約を開始。詳細はサイトを確認しておこう。

「VIRGIN KILLER」Zepp Tokyo公演セットリスト

01. I was music
02. 想像のSecurity
03. ハカイヨノユメ
04. Can you kill a secret?
05. シークレットG
06. JPOP Xfile
07. Telecastic fake show
08. nakano kill you
09. moment A rhythm
10. this is is this?
11. 秋の気配のアルペジオ
12. illusion is mine
13. eF
14. replica
15. DISCO FLIGHT
16. CRAZY感情STYLE
17. a symmetry
18. 傍観

凛として時雨 TOUR 2011 "VIRGIN KILLER SUICIDE"

2011年4月28日(木) 埼玉県 戸田市文化会館
2011年5月3日(火・祝) 新潟県 新潟県民会館
2011年5月5日(木・祝) 愛知県 名古屋市公会堂
2011年5月7日(土) 福岡県 福岡国際会議場
2011年5月13日(金) 宮城県 仙台市民会館
2011年5月21日(土) 兵庫県 神戸国際会館こくさいホール
2011年5月29日(日) 東京都 東京国際フォーラム ホールA

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クロプッコ @esrever42

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