このライブは青葉が同日にニューアルバム「アダンの風」をリリースしたことを記念して行われたもの。アルバムのテーマである“架空の映画のためのサウンドトラック”を具現化するように青葉は、原美術館のサンルームを舞台に、夜の静けさを感じさせる幻想的な空間の中で演奏を繰り広げた。
サンルームの大きな半円形の窓の外には白い布がなびき、海の水面の映像が投影されている。わずかな電気スタンドの灯りに照らされた青葉は、アルバムの1曲目「Prologue」をアコーディオンで奏でた。続けてギターに持ち替えると、ゆったりと「Porcelain」を歌唱。透き通った高音のアカペラを響かせた「帆衣」ののち、再びギターを手に「Easter Lily」をしっとりと歌い上げた。
「アダンの風」の収録曲をパフォーマンスしていく中で青葉は、昔このサンルームから品川の海が見渡せたというエピソードをもとに、当時の景色とかつて品川に打ち上げられた鯨を思い描きながら即興演奏も披露。まるで朝日が昇ったような明るさに包まれた部屋の中で、「むかしむかし」から始まる物語を語るように穏やかな歌を届けた。最後に彼女はアップライトピアノに向かい、「アダンの島の誕生祭」と「Parfum d'etoiles」をミックスした曲を弾き語ると、部屋の灯りを消して退室し、ライブに幕を下ろした。
なおこのライブのアーカイブ映像は12月27日23:59まで視聴可能。配信チケットは27日21:00まで販売されている。
青葉市子「Hara X Ichiko Aoba quiet solo concert "Windswept Adan"」2020年12月2日 セットリスト
- Prologue
- Porcelain
- 帆衣
- Easter Lily
- Sagu Palm's Song
- 血の風
- 即興曲
- Dawn in the Adan
- アダンの島の誕生祭 Parfum d'etoiles mix
※「Parfum d'etoiles」の「e」はアキュートアクセント付きが正式表記。
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青葉市子が夜の原美術館で奏でた「アダンの風」、品川の海と鯨に思い馳せる即興曲も https://t.co/kZRT0T02qu