UVERworldにとって2010年に行われた「UVERworld LAST TOUR FINAL at TOKYO DOME」以来、約9年ぶりとなる東京ドーム公演。男性限定ライブ「KING'S PARADE 男祭り FINAL」として行われる2日目と合わせて、会場には合計約9万人のCREW(UVERworldファンの呼称)が集結する。
開演前、期待を募らせたCREWはついに訪れる瞬間が待ちきれないとばかりに、巨大なスクリーンに表示される時計に合わせて「10、9、8……」とカウントダウンでスタンバイ。レーザーライトが飛び交い、大きな火花が打ち上がると、真太郎(Dr)とドラムを乗せたサブステージが上昇していく。地鳴りのような歓声の中、信人(B)、誠果(Sax, Manipulator)、克哉(G)、彰(G, Programming)もメインステージにせり上がりで登場し、最後にはTAKUYA∞(Vo, Programming)が花道の先の高い柱の上に現れた。6人はドームの高い位置で会場中から熱い視線を浴びながら「Touch off」で豪快にライブをスタート。火柱が上がり続ける中、CREWは喜びを爆発させるように合唱し、ライブは灼熱のオープニングとなった。ステージに降り立った6人は「WE ARE GO」を演奏し、スケール感のあるサウンドで会場を包み込む。ライブ序盤から盛大なシンガロングが響きわたっていたが、「stay on」でTAKUYA∞は「足りねえよ!」とCREWを煽り、その合唱はどんどん大きくなっていった。「境界」では彰のカッティングギターとTAKUYA∞のボイスパーカッションが炸裂。メンバーは花道に並び、ドームの広いステージ全体を使ってライブを展開した。
TAKUYA∞の咆哮でスタートした「ナノ・セカンド」では誠果の高らかなサックスが鳴り響き、CREWは拳を振り上げて熱いコールを飛ばす。その後TAKUYA∞は「たくさんの期待も多くのマイナスの意見も超えて、ここにたどり着いて、今日俺たちが一番伝えたいことは……ドームまでUVERworldと一緒にたどり着いてくれて、本当にありがとう!」と顔をほころばせ、「俺たちのことを見つけて、選んで、愛してくれて本当にありがとう」と真摯にもう一度感謝の言葉を述べた。TAKUYA∞は「今日も何者にも臆することなく、自分たちらしいライブをやるよ!」と叫び、「在るべき形」をエネルギッシュに歌う。「最高の夜を迎えに行こうぜ!」と叫んだと同時に銀テープが発射され、会場は華やかに彩られた。
「ODD FUTURE」では心地よい音色に酔いしれるようにオーディエンスが一斉に飛び跳ね、東京ドームが巨大なダンスフロアと化す。東京で披露するのはひさしぶりだという「WORLD LOST world」では、ストレートなバンドサウンドが力強く鳴り響いた。花道の途中に作られたサブステージに集結した6人は「KINJITO」をパワフルにパフォーマンス。その迫力に押されることなく、CREWも負けじと熱いコールを飛ばし、すさまじいエネルギーが会場に満ちていった。「3回目の東京ドーム! 誰だよ、UVERworldが売れねえって言ったやつは!」とTAKUYA∞が言葉を放ち、そのままサブステージで「NO.1」「PRAYING RUN」をオーディエンスと大合唱。最新アルバム「UNSER」の1曲目「Making it Drive」ではローテンポのずっしりとしたビートに乗せて、CREWが一斉に腕を上げて体を揺らした。
彰によるアコースティックギターを交えた「ALL ALONE」を経て、TAKUYA∞が「もう1曲、大切な曲を」とスタンドマイクで歌い始めたのは「THE OVER」。その後「後ろのやつら、遠くないよ! 俺たち今からそっちに行くからさ!」と宣言したかと思えば、信人、彰、誠果、克哉は楽器を持ったままフロートに乗り込む。4人は大きなハンドクラップの中「和音」「Massive」を華麗に演奏し、バックステージに移動した。大盛り上がりの中、ここでTAKUYA∞が真太郎を乗せてバイクでアリーナ外周を走り、オーディエンスを驚かせる。バックステージへとたどり着いたTAKUYA∞は「First Sight」をまっすぐに歌い上げ、「うれしいな、この距離でみんなを見れるなんて。こんなに盛り上がってくれるんだな」と喜びを噛み締めた。UVERworldは客席を見渡しながら「EDENへ」を演奏。「誰1人置いていかねえぞ!」というTAKUYA∞の言葉の通り、会場全員で歌声を重ねる一体感あふれる光景が広がった。
フロートでステージに戻ったメンバーはレーザーライトが派手に交錯する中、信人のスラップベースが炸裂する「UNKNOWN ORCHESTRA」をパフォーマンス。ライブ終盤に向けて勢いを加速するように「Don't think.Feel」を続け、東京ドームに熱狂の渦を巻き起こした。燃え盛る炎をバックに「Q.E.D.」を披露したあと、TAKUYA∞は「今日は正真正銘、俺たちの歴史に刻まれる記念日! 最高の一体感を作ろうぜ! 俺たちも全力で出し切るから!」と叫び、「IMPACT」をCREWと熱唱。「間違いなくUVERworld史上最高の一体感!」と高揚し、「いつだって世界の中心は 今立つその場所」と右手を高く掲げて歌い上げた。さらにTAKUYA∞は「AFTER LIFE」でまっすぐな言葉をラップで届け、「俺たちの生き方、間違ってねえよな!」と呼びかけて歓声を浴びる。「俺たちはまだたどり着いたわけじゃない。まだまだ作りたいメロディがあって、まだまだ見たい景色がある! 今日を始まりにしようよ!」とCREWと心を通わせ、力強いビートに乗せて「0 choir」を合唱した。
TAKUYA∞は「本当に楽しいし、うれしい。名前のない感情が湧き出て、それがありがとうにつながっちゃう」と穏やかな表情を浮かべ、「他人に何を言われようが、俺たち本当に今幸せなんだよ。子供の頃に見た夢よりも幸せな未来にいる」と感慨深げな様子。そして「俺たちは自分たちのやりたい音楽を信じてきたし、自分たちが生み出す音楽、言葉を信じてこれてるし、それが一番幸せなことだなと思ってる。みんなももっとやりたいことをやればいいんだよ! それが合ってようが間違ってようが、もっと愛したいものを愛せばいいんだよ! 後悔のない生き方を!」とオーディエンスの背中を押すように「7日目の決意」をエモーショナルに届けた。TAKUYA∞は何度もCREWに感謝を告げ、「いい思い出になったよ! 素晴らしい日だったと言えるよ!」と晴れ晴れしい表情を浮かべる。そして「最後にこれだけは言わせてほしい。俺たちにとってバンドは遊びじゃねえ! 音楽はビジネスじゃねえ! 俺たちにとってUVERworldはすべてだ! そのすべてがいつかあなたたちの人生の一部になるように、いい曲を書き続けるよ!」と熱い思いを叫んだ。そして6人がラストナンバーとして演奏し始めたのは「MONDO PIECE」。CREWの手が一斉に左右に揺れ、ピースフルな空気の中、「俺たちがUVERworldだ! よろしくどうぞ!」というTAKUYA∞の言葉で初日公演は締めくくられた。
UVERworld「UVERworld LIVE 2019 at TOKYO DOME」2019年12月19日 東京ドーム セットリスト
01. Touch off
02. WE ARE GO
03. stay on
04. 境界
05. ナノ・セカンド
06. 在るべき形
07. ODD FUTURE
08. world LOST world
09. KINJITO
10. NO.1
11. PRAYING RUN
12. Making it Drive
13. ALL ALONE
14. THE OVER
15. 和音
16. Massive
17. First Sight
18. EDENへ
19. UNKNOWN ORCHESTRA
20. Don't think.Feel
21. Q.E.D.
22. 零HERE~SE~
23. IMPACT
24. AFTER LIFE
25. 0 choir
26. 7日目の決意
27. MONDO PIECE
※「0 choir」の「0」はストローク符号付きが正式表記。
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田中 聖太郎 @seitaro_tanaka
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