彼らは最新アルバム「OSジャンクション」を携え、昨年11月から今年1月にかけて今回のツアーを行った。この日3人は入場早々、SEに合わせてポーズを決め観客たちにアピール。下川リヲ(Vo, G)が「渋谷で性の風紀を乱す者たちがいた……」「射精警察と申します! 捜査にご協力お願い致します!」と絶叫すると、下ネタたっぷりの歌詞が飛び出す「カルマポリスII」でライブはスタートした。彼らは序盤で「JKコンピューター」「〆切を守れない~無力~」といったアルバム「OSジャンクション」収録曲を次々と披露しつつ、ライブ終盤に演奏されることの多かった「下川最強伝説」をここでプレイした。「下川最強伝説」では演奏前、下川が初恋の相手について熱く語ることが恒例となっているが、今回彼らはMCを挟まずに演奏を開始。さらにこの曲では、下川が心に宿る初恋相手の亡霊を“除霊”するため、拳を掲げるよう毎回催促するが、オーディエンスはその説明なしでも自主的に拳を掲げてみせ、一体感のあるパフォーマンスが繰り広げられた。
下川、アベマコト(B, Cho)、夏目創太(G, Cho)だけでなく、サポートドラマーの菅大智(ゴールデンシルバーズ、電化アベジュリー)も演奏そっちのけでダンスを行った「卑屈人間 踊ってみた」ののち、下川は「(演奏せずに踊るのは)ナシだよな。俺こんなん対バン相手だったら超やだ」と自虐的に語って観客の笑いを誘う。彼の「さわやかなギターロックバンドと対バンするときは絶対演奏しないような曲やります!」という説明のあとには「約束の青」「チャーハンたべたい」「クズとリンゴ」など、どこかノスタルジックな雰囲気を感じさせるナンバーが届けられた。
中盤からは夏目の「アップアップダウンダウンレフトライトレフトライトヘイチュー!」というコールに合わせてオーディエンスが踊った「絶望シネマで臨死」、3人が裏声でアイドル顔負けの自己紹介を行ってからの「☆君☆と☆メ☆タ☆モ☆る☆」、下川が「ファイナルなのに、盛り上がりこんなもんか……」「帰る帰る! ありがとうございました!」と何度も退場しようとする「ピカデリーナ受精」など、バラエティに富んだステージングが展開された。そして下川たちは「セルアウト禅問答」「恋の奴隷」といった疾走感あふれるナンバーを畳みかけ、本編ラストの「ダンス・スタンス・レボリューション」では、観客同士で歩きながらハイタッチする“ウォークオブハイタッチ”を行う人たちでフロアが埋め尽くされた。
アンコールで下川は「泣ける曲やります!」と説明するものの、その後披露されたのはハードコアパンク調の「webザコ」。そんなハードな楽曲ののち、彼は「『今は誰のことも恨んでません!』とか思ってましたけど……。やっぱり体育会系の人たちから嫌がられそうなこと、たくさんやりたくなっちゃいますね!」「彼らにとってこの空間は最悪かもしれないけど、俺にとっては最高です。ユートピアです!」と観客たちに感謝の言葉をかけた。そして最後に挫・人間は、下川のファンに対する思いが赤裸々に描かれた「笑いあうために」でピースフルな空間を作り出し、年をまたいで行われたツアーは無事に終わりを迎えた。
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挫・人間 TOUR 2018/19 ~厨二病?いや、チューしよう~
2019年1月25日 渋谷CLUB QUATTRO セットリスト
01. カルマポリスII
02. JKコンピューター
03. 〆切を守れない~無力~
04. 下川最強伝説
05. 卑屈人間 踊ってみた
06. 約束の青
07. チャーハンたべたい
08. 明日、俺はAxSxEになる……
09. クズとリンゴ
10. 絶望シネマで臨死
11. ☆君☆と☆メ☆タ☆モ☆る☆
12. バラバラBABY
13. ゲームボーイズメモリー
14. ピカデリーナ受精
15. セルアウト禅問答
16. 恋の奴隷
17. ダンス・スタンス・レボリューション
<アンコール>
18. テクノ番長
19. webザコ
20. 笑いあうために
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