天月、そらる、96猫らが「星の王子さま」を歌いつなぐ「スタプラ」今年も大盛況

8月30日に東京・東京国際フォーラム ホールAにてライブイベント「Stars on Planet -星の王子さまにさよならを-」が開催された。昼夜2公演が行われたうち、本稿では夜公演の模様をレポートする。

「Stars on Planet」は、星や宇宙にまつわる楽曲を歌い手たちが歌唱するライブイベント。曲と曲の合間には、アントワーヌ・ド・サン＝テグジュペリの代表作「星の王子さま」をテーマにした音声ドラマが流れ、出演者たちはストーリーに沿った楽曲を披露して会場に集まったオーディエンスを楽しませた。

客電が落ち、オープニングナンバーとして届けられたのは夏代孝明がイベントのために書き下ろした新曲「プラネタリウムの真実」。夏代はこの曲をアカペラで歌い始め、オーディエンスを楽曲の世界観へと引き込んでいく。彼がステージを去ると朗読パートに入り、“僕と王子さま”の出会いの物語が読み上げられた。2人の出会いを彩るナンバーとしてあほの坂田は、TAKA3の提供曲「Le Petit Prince」を歌唱。その後は星にまつわる楽曲としてEveがRADWIMPS「スパークル」を、そらるがナブナのボカロ曲「夜明けと蛍」を届け、各出演者たちは「Stars on Planet」ならではの歌唱曲でファンを楽しませていた。

96猫は黒うさPの書き下ろし曲「星の光が届くまで」を豊かな声量で朗々と歌い上げ、オーディエンスを圧倒。またEveは自身が作詞作曲を手がけた新曲「ワンダラー」をこの日初めて披露し、ファンを喜ばせた。「明星ギャラクティカ」のイントロが鳴り始めると、これまで座ってライブを鑑賞していたオーディエンスが総立ちに。そらると天月-あまつき-の2人がこの曲で声を合わせると客席からも歌声が上がり、会場内には盛大なシンガロングが響き渡った。このブロックでは「太陽系デスコ」「彗星ハネムーン」といったナユタン星人のボカロ曲のカバーが立て続けに届けられ、会場内は熱狂的な盛り上がりを見せる。「星の王子さま」の作中で書かれている「大切なものは、目には見えない」という一節が朗読パートで読み上げられると、天月-あまつき-は同じ一節が歌詞に含まれている「イデア」を熱唱。曲中で彼が「会いに来たよ」と囁くと、客席からは悲鳴のような歓声が上がった。

ライブ後半、坂田と96猫による「君の知らない物語」の歌唱中には歌詞に合わせてステージ上のスクリーンに夏の大三角が描かれ、オーディエンスは星空を眺めながら2人の歌声を堪能。天月-あまつき-はイベントのために用意した新曲「ほしのこもりうた」を甘いファルセットで歌い上げ、ファンを魅了した。朗読のストーリーがクライマックスに差しかかる頃にそらるが歌唱を担当したのは、はるまきごはんの書き下ろし曲「おとなになったら」。彼が無垢な歌声でこの曲を歌い始めると、オーディエンスはじっとその歌声に耳を傾けていた。本編最後の楽曲「Little Traveler」ではこの日の出演者全員がステージ上に勢ぞろいし、6人は声を合わせて心地よいハーモニーを響かせた。

熱烈なアンコールに応えて幕が上がると、浴衣姿の6人が登場。イベント本編でのMCがなかったためここで初めて各出演者はイベントへの思いなどを口にする。一人ひとりが挨拶をする中、これまで6回開催されてきた「Stars on Planet」すべてに出演してきた天月-あまつき-は「少しずつ会場も大きくなって、来てくれる人も多くなって、それが今日は1万人もの方に観ていただくことになりました。すごいと思います」と話し、イベントの総合演出を手がける事務員Gへの拍手を求めた。ステージ上でピアノの演奏をしながら出演者たちを見守っていた事務員Gは「平成最後の夏の『Stars on Planet』をこういう形で終わることができて、最高です。これから先も可能でしたら続けていければいいなと思っている」と笑顔を見せた。最後に6人は「夏祭り」を熱唱。客席からも盛大な声が上がり、お祭り騒ぎのような盛り上がりの中、今年の「Stars on Planet」は大団円を迎えた。