木村カエラ「ずっと歌い続ける」初ベストツアー笑顔で完走

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3月28日、木村カエラが全国ツアー「木村カエラ LIVE TOUR 2010 “5years”」のファイナル公演を東京・日本武道館で行った。

MCでは「桜も咲いたね。もちろん私が咲かせたんでございますけどね(笑)」と話し、桜の開花にウキウキ気分を抑えきれない様子。(photo by Tsukasa Miyoshi)

MCでは「桜も咲いたね。もちろん私が咲かせたんでございますけどね(笑)」と話し、桜の開花にウキウキ気分を抑えきれない様子。(photo by Tsukasa Miyoshi)

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客席から「桜よりカエラのほうがキレイ!」という声が飛ぶとカエラは「わかってるねー。ありがとうございまちゅ!」と返した。(photo by Tsukasa Miyoshi)

客席から「桜よりカエラのほうがキレイ!」という声が飛ぶとカエラは「わかってるねー。ありがとうございまちゅ!」と返した。(photo by Tsukasa Miyoshi)

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3曲目「マスタッシュ」の終わりには、手で作ったこのハートから客席を覗きこむ仕草をみせた。(photo by Tsukasa Miyoshi)

3曲目「マスタッシュ」の終わりには、手で作ったこのハートから客席を覗きこむ仕草をみせた。(photo by Tsukasa Miyoshi)

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このツアーは、初のベストアルバム「5years」を引っさげ東名阪3都市で開催されたアリーナツアー。最終地の東京・日本武道館周辺は開花した桜に囲まれ、ファイナルにふさわしい晴れやかなムードの中大勢のファンが会場に集まった。

満員の武道館が暗転し、ライブはオープニングムービーからスタート。ベストアルバム「5years」の初回盤ジャケットに登場する女の子が子供部屋の中で遊んでいるというポップで不思議な映像の後、バンドメンバーたちの演奏で1曲目「You bet!!」が始まる。同時に本日の主役・木村カエラがステージ中央に姿を現すと、武道館は割れんばかりの歓声に包まれた。カエラは登場するなり「ぶどーかーん!!」と叫び、のっけからエンジン全開で歌い出す。

さらに、そこから間髪入れずに「Yellow」「マスタッシュ」「L.drunk」とアップテンポなロックナンバーが立て続けに演奏され、観客のボルテージもうなぎ登りに。カエラは4曲目までノンストップで歌ったところで「どうも木村カエラです! みなさん“5years”ツアーファイナルへようこそ!」と挨拶。「今日は寒い中待っててくれてどうもありがとう。でももう熱いでしょ? あっためますよ、とことん。今日は私が5年間で作ってきた曲をいっぱい用意してきたので、みなさん最後まで楽しんでください!」と宣言した。

次に披露されたのは「私にとってとっても大切な曲」と明かした「リルラ リルハ」。カエラはステージ左右のせり出しまで歩きながら、喜びを噛みしめるような笑顔でファンの顔を覗きこむ。続く「Samantha」「ワニと小鳥」では遊び心溢れる楽曲とともに表情をくるくると変えてみせ、オーディエンスを楽しませた。そして歪んだギターを合図に始まった「dolphin」では、深海を思わせる青色の照明が会場全体を飲み込み、カエラのエモーショナルなボーカルが場内を圧倒する。そこから次の「You」では一転、武道館はオレンジ色の光に包まれて温かな雰囲気に満たされた。

この後、「じゃあここで『5years』の中に入っている未発表曲をやりたいと思います」と話し始めたカエラ。「この曲は大切な人をずっと見守っていたいっていう気持ちをたくさん込めた歌です」という前置きに続いて「リリアン」が始まり、ステージの背面が星空で埋め尽くされた。

ロマンチックなムードでこの曲が終わると、暗闇の中にオルゴール調のメロディが響きだす。気がつけばステージにはシャンデリア風のオブジェと白いピアノが出現し、ピアノの前に座ったカエラにスポットが当たると場内から驚きの声と拍手が巻き起こった。カエラはピアノで「Butterfly」のサビをゆっくりと弾き始め、ファンは息を呑んで彼女の演奏を見守る。最後の音を間違えるという愛らしい場面もありつつ無事に弾き切ったカエラは、ステージ中央に移動しバンドの演奏を従えて「Butterfly」を熱唱。間奏では「みんなの声も聴かせてもらってもいいですか?」と客席に呼びかけ、武道館に“ラララ”の大合唱が響き渡った。

そして、カエラがツアータオルを手に持てば「Circle」の合図だと言わんばかりに、オーディエンスも次々にタオルを取り出す。“Round and round”という歌詞に乗せて武道館が無数のサークルで埋め尽くされ、観客はますます一体となった。カエラは続いて「どこ」「Whatever are you looking for?」「Snowdome」といったメッセージ性の高い曲をシンプルに歌い上げ、アーティストとしての成長ぶりを改めて見せつけた。

この後のMCタイムでは「なんか今日で終わりだと思うとすごい不思議な気分になってきたよ」と漏らしながら、彼女の脇を固めるバンドメンバーを紹介。名前を呼ばれてモニターに映ったメンバーたちはそれぞれ“らしさ”溢れるアピールで会場を笑わせた。カエラはひとしきり客席との会話を楽しんだ後「後半ここからが盛り上がっていくところなんですが、みなさん元気ですよね?」と問いかけ、「アリーナ! 1階! 2階!」と声を張り上げる。

ライブ後半は、「Hey!」のコールから始まる「Ground Control」でスタート。ここからはカエラの前置きどおり、人気曲の連発でライブは怒涛の盛り上がりをみせる。全員が人差し指を高く掲げた「STARs」、ロック色全開の「1115」、カエラのギタープレイが堪能できる「BEAT」と続きフロアは興奮の渦に。「BANZAI」では「みんなでバンザーイ!!」というカエラの絶叫に対し、オーディエンスは武道館が揺れるほどのバンザイジャンプでそれに応えた。観客のボルテージが絶頂に達したまま、ライブはラストの「TREE CLIMBERS」に流れ込む。カエラは最後までエネルギッシュなパフォーマンスでファンを魅了し、一旦ステージを去った。

アンコールではまずカエラが1人でステージに登場。「お子さんも大好きな歌を……」と話して「おどるポンポコリン」を披露すると、モニターにはカエラやスチャダラパー、ダンディ坂野が登場するビデオクリップも映し出され、会場を沸かせた。その後はバンドメンバーもステージに登場し、ネオンライトとレーザー光線が交錯する「Jasper」とライブの定番曲である「Magic Music」を熱唱した。

カエラは「みなさん、今日は本当に来てくれてありがとうございました。次で最後の曲です」という言葉に続いて、今回のツアーを振り返る。「4回しかなかったツアーですが、私にとってアリーナツアーは初めてで、武道館は2年9カ月ぶりに立たせていただいて。やっぱり武道館はすごいですね! みんながすごく近く感じられて」と語り、会場のファン、スタッフやバンドメンバーに感謝の言葉を届けた。

「次に歌うのは、私のデビュー曲です。この歌に“ずっと歌い続けるから”っていう歌詞が入ってるんですけど、5年前のあの時と今も変わらないこの気持ちを込めて歌いたいと思います。聴いてください、『Level 42』」。そう話して曲が始まると場内の客電が点き、ライブは大団円を迎える。カエラはありったけの思いを込めてデビュー曲「Level 42」を歌い切り、最高の笑顔と投げキッスを残してツアーファイナルを終えた。

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木村カエラ「ずっと歌い続ける」初ベストツアー笑顔で完走 http://natalie.mu/music/news/29680

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