オリジナル曲も誕生!「矢野フェス」ポップ三昧の2日間

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アレンジャー/プロデューサーの矢野博康が企画する、ポップアーティストによる音楽フェスティバル「YANO MUSIC FESTIVAL 2010」が、2月23日・24日の2日間にわたって開催された。

両日とも約4時間におよぶボリュームとなった「YANO MUSIC FESTIVAL 2010」。次回はさらに大規模なイベントを期待したい。

両日とも約4時間におよぶボリュームとなった「YANO MUSIC FESTIVAL 2010」。次回はさらに大規模なイベントを期待したい。

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イベントプロデューサー兼ドラマーとして会場を奔走した矢野博康。

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土岐麻子

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堀込泰行(馬の骨)

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堀込高樹(The Granola Boys)

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堂島孝平

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NONA REEVES

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羊毛とおはな

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南波志帆

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Sunshine Love Steel Orchestra

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コトリンゴ

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「矢野博康コーナー」のひとコマ。スクリーンに大写しにされた矢野の幼少時の写真を見て唖然とする堀込泰行と西寺郷太。

「矢野博康コーナー」のひとコマ。スクリーンに大写しにされた矢野の幼少時の写真を見て唖然とする堀込泰行と西寺郷太。

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「YANO MUSIC FESTIVAL 2010」は、イベントプロデューサー矢野博康と親交の深いアーティストを中心に、独自のセンスでポップを追求するアーティストばかりが集まった新しい音楽フェス。初日は渋谷duo MUSIC EXCHANGEでスタンディング形式、2日目はShibuya O-EASTでオールスタンディングと日程ごとにカラーを分け、それぞれ趣向を凝らしたステージが展開された。

■2010年2月23日(火)渋谷duo MUSIC EXCHANGE

イベント初日の渋谷duo MUSIC EXCHANGEにはフロアに椅子が敷き詰められ、観客は常盤響の選曲によるソフトロック/ジャズ/イージーリスニングなどの心地良いサウンドに耳を傾けながら、リラックスした様子でステージの開始を待つ。一般的な「ロックフェス」ではお目にかかれない光景だ。

この日の出演アーティストは羊毛とおはな、Sunshine Love Steel Orchestra、コトリンゴ、The Granola Boys、そしてオープニングアクト南波志帆の計5組。南波は渡辺シュンスケ(Key)、小松シゲル(Dr/NONA REEVES)の演奏をバックに、矢野博康プロデュースで制作された2枚のアルバム「はじめまして、私。」「君に届くかな、私。」から4曲を披露した。この2作には「矢野フェス」出演アーティストが多数参加しているので、未聴の人はぜひチェックしてみてほしい。

オープニングアクトが終了すると、まずはイベントプロデューサー矢野がひとりで登場。普段はドラムセットの奥にいる姿しか観られない彼が、見慣れないスーツ姿で現れたため、客席からは大きなどよめきが。「身ひとつでしゃべるのは不慣れなのですが……」と照れ笑いを浮かべながら、イベントの開幕を宣言した。

トップバッターの羊毛とおはなは、千葉はな(Vo)と市川和則(G)2人だけのシンプルな演奏で、NHK「みんなのうた」に起用された新曲「あくび猫」や、スティングのカバー「Englishman In New York」など5曲を披露。あたたかい歌声とアコースティックギターの優しい音色で会場を包み込んだ。

次に登場したSunshine Love Steel Orchestraは田村玄一、大野由美子(Buffalo Daughter)、土生剛(LITTLE TEMPO)の3人を中心に結成されたインストバンドで、この日はドラムを矢野博康が担当。5台のスティールパンによる圧巻のサウンドで、オリジナルソングから服部良一の名曲「蘇州夜曲」まで、合計6曲を演奏した。このライブで初めてスティールパンの生の音色を耳にした人も多いはず。彼らは4月1日にLIQUIDROOM ebisuで行われるSAKEROCKの企画ライブ「げんざいのぐうぜん」にも出演するので、興味を持った人はぜひ足を運んでおこう。

3番手のコトリンゴは、自身のピアノと徳澤青弦のチェロのみの編成ながら、緩急のついた重厚なサウンドで観客を圧巻。「豪華な出演者の方々とご一緒できてうれしいです」と「矢野フェス」出演のよろこびを語り、デビュー曲「こんにちは またあした」や、話題のアニメ映画「マイマイ新子と千年の魔法」の主題歌「こどものせかい」など6曲を歌い上げた。

そして、初日のトリを務めたのは堀込高樹(キリンジ)、矢野博康、田村玄一、千ヶ崎学、桜井芳樹という実力派ミュージシャン5人により結成されたバンド、The Granola Boys。ペダルスティールやバンジョー、ピアニカ、トイピアノなどさまざまな楽器を取り入れたエキゾチックなポップサウンドが彼らの特徴で、映画「どですかでん」やNHK「新日本紀行」のテーマソング、かまやつひろし「我が良き友よ」といったカバー選曲の妙も魅力のひとつ。この日は桜井作曲の「波止場侍」、放置された工事現場のパイロンが野性化するSF的シチュエーションをイメージした「ワイルド・パイロン」や、「アフロ」といったオリジナルソングも演奏された。

アンコールでは、時間の都合で出られなかった南波志帆を除く4組すべてがステージに登場。「今のシーズンにぴったりの曲」と、斉藤由貴の名曲「卒業」を賑やかなセッションで披露した。

■2010年2月24日(水)Shibuya O-EAST

2日目のShibuya O-EASTはスタンディング形式。壁面の巨大なスクリーンやサブステージなど、会場のセッティングも前日とは大きく異なっている。2日連続でオープニングアクトを務めた南波志帆は、前日よりもリラックスした様子。コンパクトシンセ「KAOSSILATOR」の演奏を披露するなど、堂々としたパフォーマンスを見せた。

一旦閉じられた幕がふたたび開くと、ステージ後方に並ぶ2台のドラムの間に階段が設置されており、バンドが演奏するNONA REEVES「透明ガール」にあわせて矢野博康が歌いながら登場。ここからNONA REEVESが土岐麻子の「How Beautiful」、土岐が馬の骨「燃え殻」、馬の骨(堀込泰行)が堂島孝平の「葛飾ラプソディ」と、次々にリレーする「夜のヒットスタジオ」形式で姿を見せ、最後は堂島がマイクを受け取り「葛飾ラプソディ」を熱唱した。

堂島のライブでは矢野博康(Dr)、奥田健介(G/NONA REEVES)、渡辺シュンスケ(Key)、須藤優(B/U&Design)がこの日のために結成した「矢野フェスバンド」がバックバンドを担当。豪華共演によるお祭りムードで、堂島の軽妙なMCもいつも以上に冴えわたる。ちなみに、この日彼が歌ったのはすべて矢野のリクエストによるもの。ステージを所狭しと駆け回り、最後は得意のバック転でフィニッシュ。トップバッターとしてフロアを大いに盛り上げた。

幕間に次の演奏の準備が行われる中、サイドステージではトークコーナーがスタート。これは矢野博康&南波志帆がMCを担当し、出番を終えたアーティストとトークを行うというもの。8月に初のワンマンライブを控えている南波が「私も堂島さんみたいにバック転をしてみたい。側転ならできるけど……。これをやったら盛り上がる! というものはありますか?」と質問すると、堂島は「側転も15回ぐらい連続でやれば伝説になるんじゃないかな(笑)。あとはトークで笑わせる。ドン引きされることもあるけど(笑)スベるスベらないじゃないからね、音楽は!」と心強いアドバイスを与えた。

また、この幕間のコーナーではトークのほかに、プロデューサー矢野が自身の歴史を紐解く「矢野博康コーナー」も。普段は裏方として活躍する彼がどのような道を歩んできたのかを秘蔵写真を公開しつつ話すというもので、仰々しいBGMにあわせてスクリーンにコーナータイトルが投影され、南波が「矢野博康は1970年、大分県で生まれ……」とテレビ番組のアシスタントさながらに台本を読み上げると、観客は大爆笑。結局、赤ん坊時代の写真が紹介されたところでメインステージの準備が完了し、「矢野博康コーナー」は謎だらけのまま次の幕間へと続く。

続いてメインステージには馬の骨が登場。1曲目の「カメレオンガール」で堀込泰行のスウィートな歌声が響いた瞬間、会場には女性客の歓声と、男性客の「おおお」という大きなどよめきが巻き起こる。泰行は沖山優司(B)、松江潤(G)、小松シゲル(Dr)、渡辺シュンスケ(Key)の演奏をバックに「燃え殻」「クモと蝶」「YOU AND ME」など計6曲を披露。色気ただよう歌とギタープレイでファンを魅了した。

次の幕間には、泰行と西寺郷太(NONA REEVES)が参加。盛り上がるトークもそこそこに「矢野博康コーナー」へと移行したが、ここでは幼稚園の頃の写真が紹介されたのみ。矢野は「これは……誕生日が12月24日だから、誕生日とクリスマスを一緒に祝われて不機嫌になっているところです」とその古びた写真の裏側を暴露。「このペースだといつ今の矢野博康にたどり着くんだよ!」という周囲のツッコミをよそに、矢野は次の出演者、土岐麻子をメインステージに呼び込んだ。

土岐のステージも堂島と同じく、矢野フェスバンドがバックを担当した。土岐と矢野が同じステージに立つのは2004年1月のCymbals解散ライブ以来で、奇しくも場所は同じO-EAST。土岐は「矢野さんとはいつかまた同じステージに立つだろうと思ってたけど、まさかこんなことになるなんて。矢野さんがフェスをやるなんて(笑)」と感慨深そうに話した。続けて「矢野さんが音楽人生をスタートさせるルーツになった曲を」とYMO「君に、胸キュン。」がカバーされたが、後半には矢野がボーカルをとるというまさかのサプライズも。また「FOOLS FALL IN LOVE」では堀込泰行との生デュエットが実現した。

土岐を招いた幕間では、やはりトークもそこそこに最後の「矢野博康コーナー」へ。ラストの写真は小学生の頃、お祭りで太鼓を叩く矢野少年。「彼はこのとき打楽器の魅力に惹かれ、のちにドラマーとしての道を歩むことになるのです」という南波志帆のナレーション口調で、場内はふたたび爆笑の渦に包まれた。

2日間の大トリを務めたNONA REEVESは「パーティは何処に?」でスタートさせると、終始エンジン全開。「DJ! DJ! ~とどかぬ想い~」「Smooth Criminal(マイケル・ジャクソンのカバー)」「Hey, Everybody!」とアッパーチューンばかりを連発し、客席もこの日一番の盛り上がりを見せる。さらに「LOVE ALIVE」では小松シゲルと矢野博康がツインドラムを披露。最後は西寺郷太が「みんな音楽が好きか? 俺はメッチャ好きや!」とよろこびを爆発させ「I LOVE YOUR SOUL」を熱唱した。

アンコールの声に応え、ふたたびステージに現れた矢野は「思った以上にいいイベントになりました。みんなのおかげです」とコメント。そして「最後にもう1曲」と参加メンバーを呼び出すと、この日のためにメンバーが共作したオリジナルナンバー「We Can Work It Out」が初披露された。堂島孝平、土岐麻子、堀込泰行、西寺郷太が順にボーカルをとる、矢野フェス版「We are the World」とも言える極上のポップソングで、2日間におよんだ夢の時間はしめくくられた。

今後の定期化も大いに期待される「YANO MUSIC FESTIVAL」、通称「矢野フェス」。次回以降の開催も楽しみにしておこう。

2/23 セットリスト

■南波志帆
01. 不思議なミラー
02. クラスメイト
03. じさくじえんど
04. セプテンバー

■羊毛とおはな
01. 逢いにゆこう
02. 晴れのち晴れ
03. Englishman In New York
04. あくび猫
05. 風に吹かれて
06. Don’t Look Back In Anger

■Sunshine Love Steel Orchestra
01. Capybara
02. Green on Silver
03. 蘇州夜曲
04. ともしび
05. 宝石の泉
06. Sunshine Swing

■コトリンゴ
01. 予感
02. こんにちは またあした
03. flower
04. おいでよ
05. tiey tiey tea
06. こどものせかい

■The Granola Boys
01. どですかでん
02. 新日本紀行
03. 我が良き友よ
04. 波止場侍
05. ワイルド・パイロン
06. アフロ

<アンコール>
01. 卒業

2/24 セットリスト

■南波志帆
01. サンダル
02. それでも言えないYOU&I
03. みたことないこと
04. セプテンバー

■堂島孝平 with 矢野フェスバンド
01. 葛飾ラプソディー
02. Still
03. スロウダンス
04. ナイトグライダー
05. CHOCO ME BABY
06. LUCKY SAD

■馬の骨
01. カメレオンガール
02. 枯れない泉
03. Chewing Gum On The Street
04. 燃え殻
05. クモと蝶
06. YOU AND ME

■土岐麻子 with 矢野フェスバンド
01. How Beautiful
02. 君に、胸キュン。
03. FOOLS FALL IN LOVE sings with 堀込泰行
04. ファンタジア
05. WALK ON

■NONA REEVES
01. パーティは何処に?
02. DJ! DJ! ~とどかぬ想い~
03. Smooth Criminal
04. Hey, Everybody!
05. LOVE ALIVE
06. I LOVE YOUR SOUL

<アンコール>
01. We Can Work It Out

※記事初出時、文中に一部誤りがありました。訂正してお詫びいたします。

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