the pillowsとgo!go!vanillas、「音楽と人」企画で世代を超えた競演実現

2月16日に東京・LIQUIDROOMで雑誌「音楽と人」主催企画「音楽と人LIVE 2018『恵比寿クロッシング』」が開催された。

“スタート地点も辿ってきた道のりも違う2組のガチンコ対バン”というテーマのもと、2016年から開催されている「恵比寿クロッシング」。今回はthe pillowsとgo!go!vanillasの2組が競演を果たした。

先攻を務めたgo!go!vanillasは、疾走感あふれる「マジック」でライブをスタートさせた。「尊敬するピロウズとのツーマン。俺たちは準備万端です！」と興奮と気合いが入り乱れた牧達弥（Vo, G）の言葉の通り、彼らはキレのある演奏とパフォーマンスを次々と展開。メンバー全員がボーカルをとる「デッドマンズチェイス」では牧、長谷川プリティ敬祐（B）、柳沢進太郎（G）がステージを縦横無尽に動き回り、オーディエンスのテンションをさらに上昇させた。

途中のMCでは、メンバーの中でも特にthe pillowsへの思い入れが強いという長谷川が「（the pillowsを）聴き始めて10年くらい。この日を待ってました！ 今日はセットリストも見てないし、リハもなるべく聴かないようにして、それくらい楽しみで。でもgo!go!vanillasの音楽もカッコいいんだってところを見せます！」と今回の公演に対する熱い思いを語った。後半は日本の祭りのリズムを取り入れた「ヒートアイランド」や、柳沢がボーカルを務める「ストレンジャー」など、幅広いバンドの音楽性をしっかりと聴かせていく。そしてラストには、自分たちが生きている時代に対する思いを題材にした「平成ペイン」をオーディエンスに届けて出番を終えた。

この日が約1カ月ぶりのライブとなったthe pillowsは、まず山中さわお（Vo, G）が足元のモニターに登り、両手を広げオーディエンスをアジテート。そして「デブリ」「空中レジスター」とロックンロールナンバーを続けざまにプレイした。山中は「おじさんとおじさんとおじさんと、（ドラムの佐藤シンイチロウを見ながら）おじいさんでバンドやってます」「あんなキラキラした若者のあとに、ギリギリ死んでねえ俺たちをやらせるなんて！」と毒っ気のある挨拶をしつつ、「長谷川（プリティ敬祐）くんの熱い思いを受け取って感動してからステージにあがっているんで、今日はいいライブになると思う。よろしく！」と意気込んだ。

中盤には長谷川のリクエストに応え、「レッサーハムスターの憂鬱」も披露された。山中いわく「ピロウズの中でもマニアックで暗く、悲しい曲」というこのナンバーは、バンド形態で演奏されるのはひさびさとなるミドルチューン。彼らは美しいメロディや物悲しい歌詞で、楽曲の世界観を表現した。そして後半は「Blues Drive Monster」「ハイブリッド レインボウ」といった名ナンバーを経て、「Locomotion, more! more!」で本編はフィニッシュ。フロアからの熱いアンコールに応えて披露された「アナザーモーニング」「Ready Steady Go!」で「恵比寿クロッシング」は幕を閉じた。

「音楽と人」は3月22日に東京・新木場STUDIO COASTにて主催イベント「音楽と人LIVE 2018『新木場ナイトカーニバル～Three-bands in sunny march～』」を開催。この公演にはNICO Touches the Walls、BIGMAMA、sumikaの3組が出演する。