このツアーは8月に発売された約13年8カ月ぶりのアルバム「KICK!」を携えて、全国7会場で行われたもの。3人は「KICK!」収録曲からインディーズ時代の楽曲まで全21曲を披露し、クリスマスイブに集まった満員の観客を楽しませた。
完全復活の象徴と言えるナンバー「千%」のイントロが鳴り響き紗幕越しに3人のシルエットが映し出されると、オーディエンスは大歓声と拍手で彼らを迎える。銀テープが舞う中幕が落とされ、真っ白な衣装のLITTLE、KREVA、MCUが登場。間髪入れずに「全員集合」「なんでもないDays」を熱演した3人は、息ぴったりの掛け声を上げる観客を眺めて「福岡最高!」と笑顔を見せ、パーティチューン「マルシェ」で場内の熱気をさらに高めた。
KREVAの「いろんな意味でお待たせしました! 復活してからなかなか縁のなかった福岡に、ツアーファイナルで来ることができました。3人揃って新しい歴史が始まるぜ! 皆さん、一緒に世界を変えてくれますか?」 というMCから、彼らは「完全チェンジTHEワールド」を披露。その後はメロディアスなミディアムナンバー「今もSing-along」やインディーズ時代の人気曲「ユートピア」、DJの熊井吾郎による高速スクラッチが冴え渡る「C'MON EVERYBODY」、RHYMESTERと共作した「神輿ロッカーズ」などを次々と届けていった。
MCもそこそこにパフォーマンスを続ける理由について、KREVAは「無敵の3本マイクで、1曲でも多く提供してみんなの期待を上回りたかった」と説明。そして3人はKICK史上初の試みとして、スタンドマイクを前に「また波を見てる」「また戻っておいで」を優しく歌い上げた。歌唱後KREVAは「みんなMCUを見ているんだもん!」と、観客の目線がMCUに集中していることに不服を申し立てる。MCUは照れた様子で会場を見渡し「どうりで視線が痛くて。今日はみんなが集まってくれてガチで幸せです! ありがとうございます!」と頭を下げた。
福岡でレギュラーラジオ番組を持つLITTLEは、思い入れのある地でツアーファイナルを迎えた現在の素直な気持ちを語りだす。彼は「ヒップホップをやめた仲間もいる中、今こうやってステージで無事みんなと再会できたり、新たに出会う人がいる。それってなかなかの奇跡だと思う。欲を言えば、この奇跡をここで終わりにしたくない。KICK THE CAN CREWと次のステージに向かって一緒に歩いてもらえないでしょうか? もう3人でやれないかもしれないと思った時に背中を押してくれた言葉があります。みんなの支えにもなってくれたらうれしいです」と述べたあと、「まだ何も終わっちゃいないぜ!」と声を上げ「イツナロウバ」をドロップした。続けて「sayonara sayonara」「アンバランス」が投下されると、観客は腕を左右に揺らしながら3人と大合唱。スクリーンに今回ツアーの様子が映し出される中、彼らは「I Hope You Miss Me a Little」で本編を締めくくった。
アンコールで3人は、雪が降る幻想的な演出の中で人気ナンバー「クリスマス・イブRap」を観客にプレゼント。そして「KICK!」のラストを飾る「タコアゲ」で場内いっぱいにシンガロングを響かせて、約13年ぶりの全国ワンマンツアーの幕を閉じた。
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KICK THE CAN CREW「LIVE TOUR 2017『タコアゲ』」2017年12月24日 福岡サンパレス セットリスト
01. 千%
02. 全員集合
03. なんでもないDays
04. マルシェ
05. 完全チェンジTHEワールド
06. カンケリ01
07. 今もSing-along
08. ユートピア
09. C'MON EVERYBODY
10. TORIIIIIICO!
11. 神輿ロッカーズ
12. 地球ブルース~337~
13. また波を見てる
14. また戻っておいで
15. イツナロウバ
16. sayonara sayonara
17. アンバランス
18. I Hope You Miss Me a Little
<アンコール>
19. クリスマス・イブRap
20. 脳内VACATION
21. タコアゲ
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