大森靖子＆THEピンクトカレフとどめの一発、新宿LOFTで“最終公演”

大森靖子＆THEピンクトカレフの単独公演「『トカレフ』発売記念ワンマンGIG」が5月12日に東京・新宿LOFTにて開催された。

2月に解散を発表し、3月にバンドにとって最初で最後となるアルバム「トカレフ」をリリースした彼女たち。この日の公演はラストライブにあたり、台風が近づく中会場には満員のファンが詰めかけた。

会場が暗転すると、バンド名の由来にもなった加地等の楽曲「これで終わりにしたい」がSEとして流れる。幕が開くとまずは川畑 usi 智史（Dr）がステージに上がり、客席をゆっくりと見つめた。そして高野京介（G）、 “安産御守”のお守り型の衣装を身に付けた大内ライダー（B）、小森清貴（G）、大森靖子（Vo, G, Key）が順に登場。全員が準備を整えると大内はいきなり客席に向かってダイブし、“安産御守”衣装を脱いでステージへと戻った。

大内のダイブでファンのテンションが高まる中、バンドは「hayatochiri」からライブをスタート。高野と小森は積極的にステージ前方で演奏を行い観客を煽っていった。「Over the party」のサビでは合唱も行われ、バンドとファンは一体となり会場の熱気を上昇させる。だんだんと激しく体を動かしていくオーディエンスの様子を、高野はほほ笑みながら見守っていた。

客席がピンクのサイリウムや大森のツアー公演のグッズ“処女膜再生ステッキ”の明かりで照らされた「ミッドナイト清純異性交遊」の演奏が終わると、大森はMCで「あっという間だね。今日のライブもきっともうちょっとで終わってしまうし。でもいつも今日しかないからね。1個1個のことを大事に大事に楽しんで、いつものように今日も楽しんでいってください！」とファンを歓迎した。

ライブ後半の「最終公演」では大内と川畑がキレのあるリズムで演奏をリードし、大森、小森、高野によるギターサウンドが絶妙に絡み合っていく。最後の曲となった「歌謡曲」が終盤に差し掛かると、大森が客席に向かってキーボードやマイクスタンドを掲げる。ファンによってキーボードが客席の後ろまで運ばれていく中、ステージ上のメンバーはジャンプしてリズムを合わせ、息ぴったりで演奏を終えた。

オーディエンスによる“安産”コールで迎えられたアンコールはMCからスタート。大森はボロボロになった“安産御守”衣装を見て「安産できなくなっちゃうよ……」と話し大内をいじる。ファンによる花束のプレゼントを挟み、大森は「言い残したロックンロールエピソードとか、言っていいよ」と小森に尋ねると、彼は「もうすべて注いできたから」と返答した。

その後バンドは「少女3号」から演奏を再開。「あたし天使の堪忍袋」の途中では高野と小森によるギターソロが交互に行われた。さらに5人は2011年の初ライブにて1曲目に演奏された「パーティドレス」も披露し、ラストの「ワンダフルワールドエンド」で荘厳な雰囲気を生み出してフィニッシュ。再び会場に「これで終わりにしたい」が流れると大森と高野は笑顔でお礼を言い、小森は「ありがとう。大森靖子＆THEピンクトカレフでした」と約3年半にわたる活動に終止符を打った。

大森靖子＆THEピンクトカレフ「『トカレフ』発売記念ワンマンGIG」2015年5月12日 新宿LOFT セットリスト

01. hayatochiri
02. 背中のジッパー
03. Over the party
04. 苺フラッペは溶けていた
05. 新宿
06. 絶対彼女
07. ミッドナイト清純異性交遊
08. きゅるきゅる
09. 料理長の音楽は豚肉の焼ける音だった
10. 最終公演
11. 歌謡曲
＜アンコール＞
12. 少女3号
13. あたし天使の堪忍袋
14. パーティドレス
15. ワンダフルワールドエンド