ドレスコーズ志磨遼平、3都市ツアーで毛皮のマリーズ楽曲披露

ドレスコーズのライブツアー「Tour 2015 "Don't Trust Ryohei Shima"」が昨日1月25日に東京・新木場STUDIO COASTにて終幕した。

今回はドレスコーズが志磨遼平の単独体制となってから初のツアーで、大阪、愛知、東京の3都市で実施。志磨はバンドメンバーに牛尾健太（G / おとぎ話）、有島コレスケ（B / told、スズメーズ、BOYLY Entertainment）、前越啓輔（Dr / おとぎ話）、長谷川智樹（Key, G）を迎え、最新アルバム「1」の収録曲に加え毛皮のマリーズ時代の楽曲も惜しみなく披露し、各地のファンを興奮させた。

最終日の新木場公演では、場内SEが突然ぷつっと切れたことを合図に、ラジカセを抱えた志磨がスポットライトに照らされながら登場。ドラムセットの付近にラジカセを置いてスイッチを入れると、そこからドラムのビートが流れ出す。彼は同じように2つのラジカセをステージ上に運び込んでベース、ギターの音色を重ね、3つのラジカセに囲まれる形で毛皮のマリーズ「ジャーニー」を歌い出した。思わぬ選曲に沸き上がる観客を前に、マイクスタンドにつかまりながら身をよじらせて熱唱する志磨。曲の途中でバンドメンバーが参加してからは、会場に厚いバンドサウンドが響きわたった。その後志磨はマイクスタンドをなぎ倒して花道を突き進み、継ぎ目なく次々と楽曲を披露していく。曲調に似合わない陽気な振りを踊るシーンも見られた「ルソー論」ののちに、「初めまして、志磨遼平です」と口を開いた。

志磨が“先生”と呼ぶ長谷川による哀愁たっぷりのアコギが場内の空気を変えた「みずいろ」からは、本編終了までほぼノンストップで進行。出だしで大きな歓声が上がった毛皮のマリーズ「ビューティフル」では、志磨がマイクを客席に向けたことで盛大なシンガロングが起こった。「あん・はっぴいえんど」でテンション高く飛び跳ねたり花道で倒れこんだりしてオーディエンスの目を奪い、「スーパー、スーパーサッド」で「どうもありがとう、愛してる！」と叫んだ志磨は、堂々とした立ち振る舞いで足早に舞台を去った。

アンコールでは1人ステージに現れ、四つ打ちのビートに乗せてアコギを弾き語るというスタイルで「ゴッホ」を披露する。そしてバンドメンバーをバックにつけ、「じゃあ、また会う日まで皆さんお元気で！ お体に気を付けてね！ あと、愛に、愛に気を付けてね！」と言って「愛に気をつけてね」へつなげた。天井の巨大なミラーボールが回る中、彼はステージや花道を縦横無尽に移動する。終盤にはフロアにダイブして観客をアジテートし、花道に戻ると荒ぶった様子でのたうち回った。そしていち早く志磨がステージを去ったあと、バンドメンバー4人は轟音で演奏を続ける。最後にギターのフィードバックノイズを残したままその場を離れ、会場は強烈な余韻で満たされた。

なおこの日の模様は4月1日にリリースされるドレスコーズの初映像作品「"1" year（仮）」に収録される。作品にはそのほか丸山康太、菅大智、山中治雄が在籍した4人体制時のライブ映像、「1」の制作風景などが収められる。