FoZZtone、再現ライブ第5弾で下北沢から火星へ

FoZZtoneが11月21日に東京・下北沢GARDENにてワンマンライブ「追加公演！ vol.5 ～Reach to Mars～」を行った。

これまでにリリースしたオリジナルアルバムの各レコ発ツアーを再現するという趣旨で、下北沢GARDENを舞台に月イチで実施されている「追加公演！」。この日は5thアルバム「Reach to Mars」を軸に、同時期に発売されたシングル「GO WAY GO WAY」、ベストアルバム「O.M.A BEST」の収録曲も演奏された。

開演が迫ると、「Reach to Mars」というタイトルにちなみ、会場内の人々が“火星行き”の航空機に乗車しているというシチュエーションのアナウンスが場内に流れる。武並“J.J.”俊明（Dr）扮するキャプテンを筆頭に、副キャプテン役の渡會将士（Vo, G）、キャビンアテンダント役の竹尾典明（G）、乗客役の菅野信昭（B）がそれぞれ諸注意などを呼びかけたのち、武並の「それではよい旅を。グッドラック！」という言葉からカウントダウンが始まった。カウントが0になるまでにステージにそろった4人が手を挙げると、観客もそれに応えて拳を掲げ、そのまま「世界の始まりに」からライブがスタート。彼らは各メンバーのソロパートを盛り込んだ「ニューオーリンズ殺人事件」、硬派なロックナンバー「1983」など「Reach to Mars」の収録曲でフロアを沸かせていく。

「GO WAY GO WAY」ではPA卓の前にいつの間にか移動していた渡會が、後方から客席を見わたして力強い歌声を響かせる。彼は続く「NO WAY NO WAY」でフロアに降り、人波をかき分けながら至近距離で観客を煽った。汗だくになった黒スーツを着替える渡會を待つ間、舞台では菅野による物販紹介や、竹尾によるオリジナルカクテル「TKT」の説明が繰り広げられる。すると竹尾が突如「『TKT』に入れ忘れたものがあって……ちょっと買ってきていい？」と退出してしまう。間を持たせようと菅野が観客との写真撮影を試み、武並にシャッターを押してもらおうとしたその瞬間に場内が暗転。今度は後方の出入り口に移動した竹尾がスポットライトを浴びつつ「BABY CALL ME NOW」のギターを奏で出した。竹尾はオーディエンスに囲まれながら、ゆったりしたラブソングで温かい空気を作っていく。観客もにこやかな表情で、いつもとはひと味違った演出を存分に楽しんでいる様子をうかがわせていた。

11月12日リリースの最新アルバム「Return to Earth」から唯一披露されたのは「Gloria」。直前にファンに向けて行われたサビ部分のコーラス練習が功を奏し、会場には大きなシンガロングが響きわたる。「Shangri-La」では渡會が冒頭に「俺たち、ツアーのファイナルで沖縄に行きたい！」と話し、要所で沖縄への憧れを口にした。ファン人気の高いミドルバラード「ブランケット」がドラマチックなムードを生み出し、開放感あふれる「Reach to Mars」がオーディエンスを高揚させたところで本編は終了。渡會は「ご搭乗ありがとうございました！」とフロアの“乗客”たちへ感謝してステージを去った。アンコールでは渡會が「ひとりぼっちのミュージカルスター」を1人で弾き語り、そこに菅野、竹尾、武並が順番に現れて演奏に参加する。中でも武並は、同曲の歌詞に登場する“パン屋の親父”を思わせる格好で登場するという芸の細かさを見せた。

なおFoZZtoneは12月23日に「追加公演！」の最終回を東京・下北沢GARDENで開催。「追加公演！ vol.6 大忘年会 ～1次会～」と題し、「Return to Earth」の収録曲を中心に披露する。