
これのドラムを聞け!5秒だけでもいい Vol. 34 [バックナンバー]
大井一彌が最初の5秒で大満足する曲は
「生音か打ち込みかわからないバランスを狙う現代のドラムサウンドの正解」
2025年10月6日 18:00 3
楽曲のリズムやノリを作り出すうえでの屋台骨として非常に重要なドラムだけど、ひと叩きで楽曲の世界観に引き込むイントロや、サビ前にアクセントを付けるフィルインも聴きどころの1つ。そこで、この連載ではドラマーとして活躍するミュージシャンに、「この部分のドラムをぜひ聴いてほしい!」と思う曲を教えてもらいます。
第34回は、10月12日に東京・Zepp Shinjuku(TOKYO)にて結成10周年記念ライブ「OLD FLESH OLD BLOOD」を開催する
構成
ドラムフレーズが好きな曲とその理由
The Meters「Cissy Strut」(ドラム:ジョセフ“ジガブー”モデリステ)
キャッチーなリズムパターンというのは一生かけて研究するべき課題だけど、その正解の1つ。ニューオーリンズファンクにはキャッチーなビートが多く、その中でもジカブーは親しみやすく歌えるドラムフレーズをたくさん作っていてすごい。
The Winstons「Amen Brother」(ドラム:グレゴリー・コールマン)
ジャングル / ドラムンベース界で一番知られているリズム、アーメンブレイクのサンプリング元。60年代後半~70年代初期あたりのファンクやレアグルーヴはとにかく作品が多いのもあって、アーメンブレイクの次の名作ドラムブレイクを切り取るべく、日夜レコードディグに明け暮れる人も多いはず。
Little Barrie「Burned Out」(ドラム:ウェイン・フルウッド)
大好きLittle Barrieのファーストから。簡素ながらに音の隙間の空白部分に詰まってるグルーヴがたまらなく気持ちいい。イントロの絶妙なモタり感を食らって、リズムというのは音符が均等に並んでなくても、むしろ音のズレが気持ちよさを生むこともあるのだと知った作品。
Nickelback「Follow Your Home」(ドラム:ダニエル・アデア)
モダンでハイファイでラウドなドラムサウンドを目指すとき必ず参考にするNickelback。ミックスバランスが素晴らしく、ギリギリ生音か打ち込みかわからないくらいのバランスを狙う現代のドラムサウンドの正解の1つ。
Toto「Falling In Between」(ドラム:サイモン・フィリップス)
最初の5秒で大満足できるくらいの太鼓の音。こういうのを聴いてしまうと、LAでレコーディングすればよくなるはずだと信じてしまう。
自身でドラムフレーズをプレイする際に意識していること
反復して聞こえる音というのはそれだけで一定の気持ちよさがあって、ドラムのリズムはそれを表現するのに最適な楽器の1つなので、1小節や2小節のフレーズ単位での流れの繰り返しの気持ちよさを維持しつつ、曲の大きな流れに沿ってそれを少しずつ変化させていくイメージを大切にしています。
自身のプレイスタイルに影響を与えたドラマー
ビル・ブルーフォード
ドラムセットに組み込む電子ガジェットへの造詣深さとそのセンスには大きく影響を受けました。
大井一彌
1992年生まれ、神奈川県出身のドラマー。Yahyel、DATS、Ortance、LADBREAKS、QUBITに所属し、AAAMYYY、Dos Monos、THE SPELLBOUND、UA、GLIM SPANKY、YOASOBI、アイナ・ジ・エンド、木村カエラら多数アーティストのサポートプレイヤーとしても活動している。CMやゲームなどのサウンドデザイン、プロデュースも行う。
大井一彌 - Kazuya Oi -
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日本のドラマーで好きな方のひとりです👍✨