再生数急上昇ソング定点観測 (2025年12月4週目) [バックナンバー]
Vaundy「ずっとラブソング」とノストラダムス / B&ZAIの魅力伝わるシンボル的な位置付けの曲 / JO1のカバーで「しまじろう」EDが再び話題に
今、盛り上がっている曲 / これから盛り上がりそうな曲について詳しく解説
2025年12月26日 18:30 4
YouTubeでの視聴回数チャートや、ストリーミングサービスでの再生数が伸びている楽曲を観測し、今何が注目されているのかを解説する週イチ連載「再生数急上昇ソング定点観測」。今週はYouTubeで12月12日から12月18日にかけて集計されたミュージックビデオランキングの中から要注目トピックをピックアップします。
文
まずはこの週の初登場曲の振り返りから
今週のYouTubeのミュージックビデオランキングは、14位に
AK-69「And I Love You So 2026 Remastered」ミュージックビデオ
62位には藤原ハガネの「にゅー!支配者のキャロル」がランクインした。UTAU音源・里石ユカを使って制作され、里石ユカの公式コンピレーションアルバム「Re:魔法少女」にも収録されているこの曲。曲名は、20世紀にアメリカで誕生した創作神話・クトゥルフ神話のパロディ曲「旧支配者のキャロル」が元になっている。ラストでシューベルトの「魔王」をオマージュするなど、タイトル通り「支配」の要素が随所にちりばめられている。
藤原ハガネ「にゅー!支配者のキャロル」ミュージックビデオ
89位に登場したのは
SKY-HI「Future In My Pocket feat. TAIKI(STARGLOW), GOICHI(STARGLOW)」
94位にはMasato Hayashiの「0000」が登場した。ヒップホップイベント「STARZ 2025」内で行われたラッパーオーディション「RAPSTAR 2025」決勝戦の直後にリリースされたこの曲。「地獄から来た悪魔の歌」という印象的なラインから幕を開け、ビートチェンジを挟みながら、ストリートとステージに生きる姿を描写している。
Masato Hayashi「0000」ミュージックビデオ
ラップ曲が目立った今週は、下記の3曲をピックアップする。
Vaundy「ずっとラブソング」
※YouTubeウィークリーミュージックビデオランキング初登場63位
一方で、筆者は今作を初めて聴いたときに、1970年代から日本中で噂が広まった「ノストラダムスの大予言」を思い出した。この中で「空から恐怖の大王が来るだろう」と予言されていた1999年7月当時は「巨大隕石が落ちてきて、地球が滅びるのではないか」と、ワイドショーでも連日取り上げられており、書店ではノストラダムスの関連本も多く出版されるほど、ただごとではない空気が蔓延していた。曲中に登場する「いつかこの街ごと / 消えてなくなること知ってても」「もしもDopeでFunkyな隕石が / この街に落ちて来るっていう事 / 君に教えたならoh」といったフレーズは、そのときの状況と重なる点が多い。拡大解釈をすれば、地球滅亡の危機が訪れようとしているとき、僕はあなたに向けて永遠に色褪せることのないラブソングを届ける──そんな斬新な視点で紡がれた楽曲とも受け取れる。
この曲でVaundyはMVの監督も務めており、自身が宇宙人役で登場するほか、主人公として小松新、ヒロインとして
B&ZAI「なつ♡あい」 PIA MUSIC COMPLEX 2025 -ぴあフェス-
※YouTubeウィークリーミュージックビデオランキング初登場84位
この曲は夏をテーマにしたさわやかな王道アイドルソングで、ユニゾンのパートが多いからこそ、彼らの美しいハーモニーが堪能できる。また、ハートマークや指差しなど、一緒に真似しやすいキャッチーな振付も印象的だ。彼らの持つ「アイドル性」やライブの「一体感」だけでなく、メロディの中に「儚いエッセンス」も加わっており、B&ZAIを初めて知った人にも彼らの魅力が十二分に伝わる、グループのシンボル的な位置付けの楽曲だと感じる。
JO1「ハッピー・ジャムジャム(JO1 ver.)」JO1 5th Anniversary ~祭り~
※YouTubeウィークリーミュージックビデオランキング初登場88位
アニメ「しましまとらのしまじろう」のエンディングテーマとして知られる同曲は、JO1のファンネームが"JAM"であることや、メンバーの
作曲を手がけた樫原伸彦はThreadsで「長生きすると、良いことあるねハッピー・ジャムジャム最高!」と投稿し、声優の
- 真貝聡
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ライター / インタビュアー。雑誌やWebで執筆するほか、MOROHA「其ノ灯、暮ラシ」、BiSH「SHAPE OF LOVE」、PEDRO「SKYFISH GIRL-THE MOVIE-」といったドキュメンタリー映像作品や、テレビ特番「Mrs. GREEN APPLE ~Review of エデンの園~」にインタビュアーとして参加している。
バックナンバー
- (2025年12月3週目) SixTONESがJr.時代から確立していた独自性とは / なにわ男子が王道アイドルを背負う覚悟の1曲 / 「True Love」が引き出したINIの新たな可能性
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真貝 聡(シンカイ サトシ) @shinkai3
【連載企画】今週は下記の3曲について書きました。
・Vaundy「ずっとラブソング」
・B&ZAI「なつ♡あい」
・JO1「ハッピー・ジャムジャム(JO1 ver.)」
Vaundy「ずっとラブソング」とノストラダムス / B&ZAIの魅力伝わるシンボル的な位置付けの曲 / JO1のカバーで「しまじろう」EDが再び話題に https://t.co/esAcXIwOms