高嶺のなでしこ インタビュー|1stアルバム「見上げるたびに、恋をする。」は“戦友”と駆け抜けた青春の証

HoneyWorksがサウンドプロデュースを手がけるアイドルグループ・高嶺のなでしこが、1stアルバム「見上げるたびに、恋をする。」をリリースした。

2024年2月にビクターエンタテインメントよりメジャーデビューを果たし、2025年9月に千葉・幕張メッセ 幕張イベントホールでのワンマンライブを成功させるなど、王道のアイドルグループとしての輝きを放ちながら着実に活動の規模を拡大させている高嶺のなでしこ(参照:高嶺のなでしこ、幕張ワンマンで見せたアイドルとしての全力の姿 アルバム発売&アジア公演含むツアー決定)。記念すべき初のアルバムは“今の高嶺のなでしこのベスト盤”とも言える、彼女たちの魅力が存分に凝縮された内容で、初めて高嶺のなでしこの楽曲に触れる人にもオススメできる作品だ。

音楽ナタリーではアルバムのリリースを記念し、メンバーを2組に分けてインタビューを実施。3年間の活動を振り返って感じる思い、リード曲「花は誓いを忘れない」をはじめとするアルバム収録曲の注目ポイント、高嶺のなでしこが持つアイドルとしての武器を語ってもらった。

取材・文 / 左藤豊撮影 / 堀内彩香

城月菜央・涼海すう・橋本桃呼・東山恵里沙・日向端ひな インタビュー
左から東山恵里沙、涼海すう、橋本桃呼、城月菜央、日向端ひな。

左から東山恵里沙、涼海すう、橋本桃呼、城月菜央、日向端ひな。

3年間、高嶺のなでしこの活動に青春を捧げてきた

──1stアルバム「見上げるたびに、恋をする。」は、2024年にメジャーデビューした高嶺のなでしこのベスト盤とも言える作品です。ここまでの歩みを振り返ってみて、どのような思いがありますか?

橋本桃呼 元ラストアイドルのメンバーと「JDOL AUDITION」に合格した子たちが出会ってから3年が経ちました。今年9月には幕張イベントホールという大きなステージに立たせていただき、成長できた3年間だったと思います。メンバーとの仲も深まり、ファンの皆さんとたくさんの思い出を作ることができました。そして今回、16曲も収録されたアルバムをリリースできることにとても感謝しています。

東山恵里沙 私はアイドルになったときからアルバムをリリースすることが夢だったので、念願が叶ってうれしいです。このアルバムを聴くと3年間の思い出が一気によみがえってくるんです。「あのときはこんなことがあったなあ」といろんな思い出を懐かしく感じられることに幸せを感じています。

涼海すう この3年間でたくさんのオリジナル曲をいただきました。私たちをプロデュースしてくださっているHoneyWorksさんのカバー曲も含めたら、高嶺のなでしこの楽曲は40曲くらいあるんです。こんなに多くの楽曲を歌うことができて幸せです。私たちはこの3年間、高嶺のなでしこの活動に青春を捧げてきたので、1stアルバムは“青春の証”だなと思います。

日向端ひな まず率直に、3年間このメンバーと過ごした時間はとても楽しかったです。そして、私たちの3年間の思い出をアルバムという形で皆さまのもとに届けられることがうれしいです。多くの楽曲でタイアップをいただき、曲をきっかけにいろんな作品やイベントに携われたことにも感謝しています。

城月菜央 この3年間ですごく成長できましたし、ファンの方と一緒に思い出を作ることができて、私にとって大切な時間だったなと思います。そして、まだまだこの先も一緒に未来を作っていきたいと思いました。

城月菜央

城月菜央

絆と覚悟が詰まったリード曲

──アルバムのリード曲「花は誓いを忘れない」には、皆さんが3年間で経験した感情や未来に向けての意志が投影されているように感じました。

橋本 高嶺のなでしこにはかわいい曲やカッコいい曲などいろんなタイプの楽曲がありますが、その中で「花は誓いを忘れない」はとても私たちらしい雰囲気の曲だと感じています。人それぞれ違いはあってもともに同じ方向を向いて歩いていこう、といった思いが歌詞に込められていたり、メンバーみんなが同じ方向に手を伸ばす振付もあったり、一体感のある素敵な曲だなって。「ありがとう」という歌詞もあり、3年間の感謝を伝えられる1曲です。

──「ありがとう」のフレーズはとても印象的です。メンバーからファンに向けての感謝が込められているわけですね。

橋本 はい。「高嶺のなでしこを見つけてくれて、応援してくれてありがとう」と。また同時に、メンバーへの感謝も込めています。この部分の振付は、まずメンバーを見てからファンの皆さんの方向を向いて「ありがとう」と言うんですよ。なので、3年間一緒に活動してくれたメンバーへの「ありがとう」の意味もありますね。

東山 私は、冒頭の「君の本音が分からない それでも君と歌いたい」という歌詞がまず印象的でした。このフレーズはいろんな捉え方ができると思うんですけど、高嶺のなでしこはもともとアイドル経験のある子もいれば、初めての子もいて、価値観もそれぞれ違う。だけど、そんなメンバーが集まって3年間一緒に過ごすことで絆が生まれました。今の私たちだからこそ「それでも君と歌いたい」と言えるし、高嶺のなでしこらしさを感じられるので、好きな歌詞です。

東山恵里沙

東山恵里沙

城月 「花は誓いを忘れない」は、私たちの絆と覚悟が詰まった曲です。お互いのよさを認め合いながら一緒に戦っていこう、という思いが込められています。また、サビの「戦友よ」や「盟友よ」という歌詞も好きです。私たちは一緒に戦っている仲間なんだと思うと、メンバーのことがより大切に感じられます。

──普段の活動において、どういった場面でメンバー間の絆を感じたり「戦友」「盟友」だと実感したりしますか?

城月 ステージ上ですね。パフォーマンス中は「アイドルの世界で戦っている」という気持ちになるので、一緒にライブを作り上げているメンバーのことは戦友だと思っていて。あと、メンバーとはプライベートでもすごく仲がいいんですよ。一緒に遊びに行ったりするときも「私たちは仲間だな」って気持ちになります。

涼海 メンバーは仲間であり友達であり、年齢的に私は最年少なので、みんな頼れるお姉ちゃんでもあります。例えば私が悩んでいたとき、桃呼ちゃんにいきなり電話したら親身になって相談に乗ってくれて。菜央ちゃんとも相談し合ったりしました。

涼海すう

涼海すう

城月 すうちゃんは私の悩み事に対してすごくポジティブに返してくれるんです。「そのままでいいんだよ」と声をかけてくれたりして、仲間でよかったなと思います。

橋本 でもちょっと聞いてください。すうさんから相談の電話がかかってきたので、私は本気で答えていたんですよ。でも途中で急にすうさんが「あ、今ココスにいるんだけど、ハンバーグが届いたから切るね」って! さすがにそのときはびっくりしました(笑)。

涼海 ごめん!

橋本 ふふふ。でも頼ってくれてうれしかったよ。

涼海 こちらこそ、いつもありがとうございます! 高嶺のなでしこって、本当に優しい子たちが集まったグループなんですよ。普通は女の子が集まったらケンカすることもあるかもしれないけど、私たちは全然なくて。だから私、「高嶺のなでしこってすごいな」と感動しています!