THE BAWDIES|独立後の充実した“今”、2年ぶりのビルボードライブ公演で飾る2026年の幕開け

THE BAWDIESが2026年1月24日に大阪・ビルボードライブ大阪、31日に東京・ビルボードライブ東京でワンマンライブ「ROCKIN' THIS JOINT TONIGHT 2026」を行う。

今年3月に約19年所属していたSEEZ RECORDSを離れ、自主レーベル・HOT DOG RECORDSを立ち上げたTHE BAWDIES。彼らがビルボードライブのステージに立つのは、2024年1月に東京と大阪で行われた結成20周年公演「20TH BIRTHDAY BASH」以来およそ2年ぶりとなる。

音楽ナタリーでは、「ROCKIN' THIS JOINT TONIGHT 2026」の開催を記念してTHE BAWDIESにインタビュー。ROY(Vo, B)が「ビルボードライブのステージには毎年立ちたい」と語る同会場の魅力や公演への意気込み、独立後のバンドのムードについて話を聞いた。

取材・文 / 森朋之撮影 / 入江達也

公演情報

THE BAWDIES「ROCKIN' THIS JOINT TONIGHT 2026」

2026年1月24日(土)大阪府 ビルボードライブ大阪
[1st]OPEN 14:00 / START 15:00
[2nd]OPEN 17:00 / START 18:00

チケット情報はこちら


2026年1月31日(土)東京都 ビルボードライブ東京
[1st]OPEN 14:00 / START 15:00
[2nd]OPEN 17:00 / START 18:00

チケット情報はこちら

バンド結成時のフレッシュさが戻ってきた

──THE BAWDIESにとって自主レーベル・HOT DOG RECORDSの設立は、今年の大きなトピックだったかと思います(参照:THE BAWDIESが独立、ROYがHOT DOG RECORDSの代表取締役に)。その際に「自分たちの信念を大切にしながら、より主体的に音楽活動を続けていきたい」とコメントしていましたが、この9カ月間の活動はどうでしたか?

ROY(Vo, B) 「みんなと一緒に楽しみ続けたい」というバンドとしての姿勢は変わらないんですけど、自分たちで意見を出して、いろんなことを決めていくのは面白いですね。例えば革ジャンをテーマにしたツアー(参照:THE BAWDIESが革ジャン着用のツアー開催、会場は100人規模のライブハウス)もそうですけど、自分たちから出てきたアイデアを形にするのはやっぱり楽しいです。

TAXMAN(G, Vo) 基本的にはメンバー4人とスタッフで考えてるんですけど、「ここはコイツに任せちゃおうか」みたいなことができれば、もっといい感じで回っていく気がしていて。JIMは絵が得意なんで、グッズで使うイラストを描いてもらってるんですよ。

ROY HOT DOG RECORDSのロゴもJIMが描いてくれて。おかげでいいスタートを切ることができました。

JIM(G) いえいえ(笑)。でも、バンドを始めた頃って、みんなそうじゃないですか。自分たちでライブのブッキングをしたり、フライヤーを作ったり。

ROY インディーズデビューする前は、全部自分たちでやってましたからね。フライヤーもそうだし、デモテープを作って街で配ったり。

ROY(Vo, B)

ROY(Vo, B)

TAXMAN 大学の授業で習ったフォトショップを使ってデザインしてたよね。

ROY そんなことあった? 俺は習ってない。

TAXMAN いやいや、一緒に授業受けたよ(笑)。当時はホームページも自分たちで作ったなあ。主に僕とJIMがやってましたけど。

JIM やってたね。その頃のフレッシュな感じがバンドに戻ってきてるんですよ。ライブ自体も新鮮な感覚でやれているし、自分たち主導だから自然と責任感も強くなってきてる。各地のライブハウスの店長さんとも、今年はいっぱい話しました。やっぱり信頼関係が大切なので。

──MARCYさんも役割が増えているんですか?

MARCY(Dr) いや、そんなに増えてないです(笑)。

ROY MARCYはTHE BAWDIESのマスコットなので。独立するときも「これからもマスコットとしてお願いします」って今後について確認したもんね?

MARCY してねえよ。

JIM (笑)。メンバー同士で会うペースも増えてるし、いい感じだと思います。

ROY あと、YouTubeチャンネルを始めたのも大きくて。THE BAWDIESをよく知らない人からすると、クールなロックバンドというイメージがあるみたいなんですよ。「スーツでステージに立って、ロックンロールをやってる硬派なバンド」みたいな。中身はすごくポップな人たちだから、YouTubeやSNSではそれをもっと押し出していけたらいいですね。

──ライブを観れば、どんな人たちなのか一発でわかるんですけどね。

ROY そうなんですよ。ただ、ライブに行くのって実はハードルが高いことなんですよね。僕らはずっとライブで生きているから当たり前になっちゃってるんですけど、実際に会場に来てくれる人って、ひと握りだったりするので。SNSなどでその間口をもっと広げて、ぜひ生で音楽を体感してほしいなと。ライブハウスに来れば、きっと世界が変わりますから。

THE BAWDIESの今を詰め込んだ最新曲

──11月に配信された新曲「HERE ARE THE BAWDIES」からも、バンドの好調ぶりが伝わってきました。このタイミングで、バンド名がタイトルに入った曲をリリースしたのはどうしてなんですか?

ROY 独立したのもあるし、THE BAWDIESのテーマを作りたかったんです。ライブの1発目だったり、最後にバーン!とやれる、「これが俺たちだ!」みたいな曲。

TAXMAN ショートチューンでROYはシャウトしまくってて、ギター2人はファズ全開で。THE BAWDIESをギュッと詰め込んだ曲ですけど、今のタイミングじゃないと作れなかったと思います。

JIM 爆裂系ですね。すでにライブで演奏していますが、みんな楽しんでくれてますよ。お客さんが歌えるところも多いし、“いい夜のスタート”という感じの1曲になってます。

MARCY 前回のツアーは「HERE ARE THE BAWDIES」を1曲目にやってたんですけど、演奏が勢い任せになりすぎないように心がけてました。曲が持ってる味が出ないともったいないし、落ち着いてやりたいなと。最近はお客さんの顔を見る余裕も出てきて、イントロで手を上げたり、盛り上がってくれていてよかったです。

MARCY(Dr)

MARCY(Dr)

──さすがMARCYさん、冷静ですね。

MARCY 緊張しいなんで。

JIM 緊張しいってひさびさに聞いた。関西弁だよね。

MARCY 関西の血が入ってるからね。おばあちゃんが関西の人なんで。

ROY ムキになった小学生みたいだな(笑)。

──(笑)。バンドとして、この先のビジョンも見えてますか?

ROY 大きな目標としては、武道館に立ち続けたいと思っていて。まずはレーベル設立から5年後に日本武道館でライブをやりたいんですよね。そこに向かってどんなことができるか、どう面白くできるかを考えているところです。

TAXMAN うん。さっきも話に出た“革ジャンツアー”は、スリーコードのロックンロールが多めだったんですよ。ガレージ、パンク色が強めのライブはそういうスタイルでやって、ソウルやリズム&ブルースはビルボードライブなどでしっかり見せられたらなと。どちらも自分たちのルーツだし、両方ともしっかり根っこにあるのがTHE BAWDIESの強みなので。

レジェンドたちが立ったビルボードライブのステージ

──THE BAWDIESにとって2年ぶりのビルボードライブ公演が1月24日に大阪、31日に東京で開催されます。皆さん、ビルボードライブには観客としてもよく行かれてますよね?

ROY めちゃくちゃ行ってますね。特にソウルシンガー、ブルースマンのレジェンドの来日公演は、自分たちのライブが重なっていない限り、ほとんど観に行ってるんじゃないかな。印象に残ってるライブはたくさんありますけど、一番はオーティス・クレイかな。とにかく声がすごかった。何度もレコードで聴いてましたけど、そこには収まりきらない声があるんだなと。

THE BAWDIES

THE BAWDIES

TAXMAN The Blues Brothers Bandも感動しましたね。スティーヴ・クロッパーのギターがすごくて。

JIM うん、クロッパーはカッコよかった。

MARCY そういうライブに行くと、ドラマーばっかり見ちゃうんですよ。ビルボードライブという会場で、どんなドラミングをするのかな?とか考えちゃう。

TAXMAN めちゃくちゃうまい人しか来ないからね。ライブの中で急に曲を変えても、瞬時に全員が合わせたりするし。

ROY レジェンドたちの演奏をあの距離で観られるのはぜいたくですよね。1月のボビー・ラッシュの公演もめちゃくちゃ楽しみです(※1月5、6日にビルボードライブ東京で開催)。