2023年に結成され、現在活動3年目のアイドルグループ・なみだ色の消しごむ(通称:なみけし)が、12月29日に東京・Kanadevia Hall(旧TOKYO DOME CITY HALL)でキャリア最大規模となるワンマンライブ「この日のなみだは、絶対に消さない。」に挑む。7人体制になって初めて迎える大舞台は、ツアーや対バンを重ねてきたこの1年の集大成であり、新たなフェーズへ踏み出すための大きな節目となる。
音楽ナタリーではワンマンに向けてメンバーにインタビュー。現体制のグループの魅力や、ワンマンに向けたツアーで得た手応え、最新曲「夢幻スケッチブック」「イーアルカンフー」の注目ポイント、そしてKanadevia Hall公演への意気込みを語ってもらった。
取材・文 / 川崎龍也撮影 / 佐々木康太
全員がマイペースなグループ
──この7人編成になってからまだ半年も経っていないですが、皆さんの中で「7人になった今のなみけしのここが魅力だ」と感じる部分はどんなところでしょうか?
高松穂乃花 新メンバー2人が入ったことで、ほかのメンバーも含めてそれぞれの個性がよりはっきりしてきましたし、全体的にフレッシュさというか、元気さがすごく増したなと思います。
滝口愛奈 人数が増えたことで、ステージでの存在感が大きくなりました。前の体制から1人増えただけなんですけど、にぎやかな印象に変わった気がします。
廣川かのん 新メンバーが2人とも物怖じしないタイプで。本人たちはライブ前とかに「緊張する」と言うんですけど、いざとなったらちゃんと実力を発揮できる子たちなんです。グループに加入してまだ半年しか経っていないのに、いつも元気で明るい。その姿につられて、自分もがんばろうとポジティブな気持ちになれます。一緒に活動する中で、自分自身もすごく明るくなれているなと感じます。
堀川すず 2人が入ったことで、なみけし全体がさらに明るくなったなと私も感じます。もともと「ちょっと暗いグループ」という印象を持たれることが多かったんですけど(笑)、2人はいつもわちゃわちゃしているタイプで、楽屋でもずっと話しているイメージです。その明るさがグループ全体に広がっている気がします。
──「ちょっと暗いグループ」という印象を持たれるとのことですが、確かに今も落ち着いた雰囲気を感じます。
高松 MBTIってあるじゃないですか。7人中6人がI(内向型)なんです。E(外向型)なのは私だけで。Eが“陽”、Iが“陰”というか……。
一同 (笑)。
高松 私も周りを引っ張るタイプではないですし、全員がマイペースなんですよね。でも、みんなの波長が合っているから、一緒にいるのが全然苦じゃないんです。ライブの準備中はそれぞれ必死ですけど(笑)。
滝口 必死すぎて全然しゃべらないときもあるよね。
──菜森さんと望月さんが加入してからは、楽屋の雰囲気も少し明るくなりました?
高松 はい。唯織ちゃんは最近よくしゃべるようになりました。
望月唯織 少しずつ慣れてきました(笑)。
菜森未咲 私もようやく打ち解けられるようになりました。私、素の性格がけっこう変だと思っているんですけど、いつも猫をかぶってしまうタイプで(笑)。でも最近はだんだん素を出せるようになってきました。
──菜森さんもどちらかと言うと内向的なタイプ?
菜森 そうですね。内向的なタイプだと思いますし、よく「マイペース」って言われます。
ツアーでファンが増えた実感がある
──パフォーマンス面で、7人体制になって手応えを感じている部分はありますか?
廣川 前の体制から振付が変わった部分がけっこうあるんです。7人だからこそ成立する見せ方があり、視覚的にもわかりやすい変化が出てきたと思います。ファンの方により楽しんでもらえているんじゃないかなと感じています。
──皆さんは今、年末のワンマンに向けてライブを重ねていますよね。その中で手応えも感じられている?
高松 地方のファンの方が「年末のワンマンは行くね」と言ってくれたりして、すごくうれしいです。ファンの皆さんがワンマンを「大切な日」と思ってくれているのがありがたいなって。
白浜つゆは つい最近まで各地でツアーをしていて、メンバープロデュース公演という形で1人ずつ演出を担当したんです。与えられたものをやるのではなく、自分で考えて動く公演だったので、ライブに対する意識がすごく変わりました。セトリ1つとっても、以前は大人の方に任せきりだった部分が、「こうしたほうがいいんじゃないか」と自分たちで考えられるようになって。すごくいい経験でした。
──「ライブのここをこうしたい」「こういうセトリを組みたい」といった明確なイメージを持ちながらライブを作れた実感がある?
白浜 そうですね。各公演でその子が主役になって、セットリストや演出、衣装まで全部自分で決めたので、その経験が日々の対バンにも生きてきている気がします。
滝口 ツアー中に、1人のファンの方が友達を連れてきて、さらにその友達がまた別の友達を連れてくる、ということがあって。なみけしを知ってくれている方がツアーを通してすごく増えたと思います。
菜森 ツアーでいろんな場所に行ったんですけど、「なんとなく興味ある」という感じで来てくれた方がファンになってくれたり、専用のSNSアカウントを作って応援してくれたり、遠征してくれるようになったり……。私もツアーでファンが増えた実感があります。
──ツアーを通してパフォーマンス面でも成長を感じましたか?
菜森 対バンだと今までは「1曲やって別のポジションに移動して、また1曲」という流れが多かったんです。でもツアーでは曲と曲をつないだり、構成に変化をつけたりして、対応力が上がったなと感じます。最近は対バンでも見せ方を工夫するようになっていて、お客さんから「なみけし、すごく熱くていいね」と言ってもらえることも増えました。ツアーで吸収したものが今にしっかり生きているので、個人としてもグループとしてもいい方向に作用していると感じています。
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“なみけしらしさ”とは?




