坂本真綾

アーティストの“創作のお供” Vol. 5 [バックナンバー]

坂本真綾が愛してやまない赤くてレトロな魚肉ソーセージ

レコーディングでもライブ現場でも欠かせない定番、苦手なコミュニケーションの助けにも

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常日頃よりゼロからイチを生み出す作業に従事しているアーティストたち。そんな彼らにとって創作の源になっているものとはなんだろう? そんな疑問を探る本コラム。第5回では声優として、歌手として、作家として八面六臂の活躍を見せる坂本真綾に、愛する“お供”と音楽制作において大切にしていることを聞いた。

取材・構成 / 中野明子

音楽制作において欠かせない、あなたの「創作のお供」は?

坂本真綾の創作のお供。

坂本真綾の創作のお供。

魚肉ソーセージ

いつから愛用 / 活用していますか?

小さい頃から時々口にする身近なものではあったんですけど、ひとり暮らしをするようになってからありがたみがわかるようになりました。値段もそんなに高くなくて、満足感も高くて、何回助けられたか……。1日忙しくて何も食べられなかったけど、夜中に1人で買い物に行くのも怖いなというときに、家にある魚肉ソーセージで空腹を紛らわせていましたね。

ずっと自分1人で楽しむものだったので、あまり注目してなかったんですけど、10年くらい前に現場に持って行ったことがあるんです。ライブのリハーサルとかレコーディングで長時間スタジオにこもるときに、スタッフの方が気を使っておにぎりとかパンを買ってきてくれるんですけど、お腹の都合がついてこないときもあって。それで、自分で食べたいからという理由で持って行ったら思いのほか大好評だったんです。今ではすっかり私の現場には欠かせないケータリングです。魚肉ソーセージがあると、だいたいみんなテンションが上がるんですよね。初めて参加してくださるミュージシャンがいるときも、魚肉ソーセージが置いてあると会話が弾んで仲よくなるとか。ほかのアーティストのリハーサルにも差し入れしちゃうくらい(笑)。みんな大好きなんです。

歌詞を書くにしても、ライブのリハーサルをするにしても、とにかくお腹が減る。だからライブやレコーディングがあるときは、普段の何倍も食べるんです。体が糖分を消費するんでしょうね。炭水化物をものすごく欲する。もちろん炭水化物を摂取することで、頭が回るところもあるんですが、1日中私食べてない?みたいなことになっちゃう。その罪悪感から「炭水化物以外のものを食べたい」「しょっぱいものを食べて、疲れを取りたい」みたいなときに魚肉ソーセージは絶妙な存在で。タンパク質だし、それなりに腹持ちがして、最高なんです。今はいろんな味の魚肉ソーセージが出てるんですよね。体によさそうな塩分控えめのものもあるので食べてみたりしたんですが、やっぱり私は定番が一番好き。

その「創作のお供」に向けてひと言伝えるとしたら?

見た目も色もレトロなままで、ずっと変わらないでいてください。開けにくいのもそのままでいい。私はきっと歳をとっても食べていると思います。

音楽制作(レコーディング、作詞、作曲、編曲 etc.)において一番大切にしているものを教えてください。

人との出会いですね。そもそも私は社交的なタイプではないですし、こういう仕事をしてなかったら自ら積極的にいろんな人と付き合っていこう、話してみようと思う性格ではないはずなんです。でも、自分の音楽に関わってくれるミュージシャンやスタッフと出会ったからには、その方々に「楽しかったな」「このチームに参加して気分よかったな」と思ってもらいたい。一期一会を繰り返す日々の中で、「楽しかったな」という思い出を、出会ったみんなに持ってもらえたらという気持ちがあるんです。

会話していく中で、お互いのことを知ったり、不意に共通点を発見したり、心底笑い合えたり、頷き合えたりすることで、音楽制作のいろんなことがスムーズになる。理解し合ったうえで曲を作れたり、歌詞を書いてもらえたりすることにつながる。他者との関係の中で、こういう作品ができましたというプロセスが生まれる。そのためにもコミュニケーションは大事なのかなと思ってます。だから苦手だけど一生懸命コミュニケーションを取るようにしてます。そのきっかけが魚肉ソーセージだったりすることも(笑)。

坂本真綾

1980年3月31日生まれ、東京都出身。幼少期より劇団で活動し、自身が主人公の声を担当した1996年放送のテレビアニメ「天空のエスカフローネ」のオープニングテーマ「約束はいらない」で歌手デビュー。以降コンスタントに作品を発表する傍ら、声優、女優、ラジオパーソナリティとしても活動している。2021年3月にデビュー25周年を迎え、神奈川・横浜アリーナで2DAYSライブ「坂本真綾 25周年記念LIVE『約束はいらない』」を開催。2022年5月にシングル「菫 / 言葉にできない」をリリースし、同年11月に東京・東京国際フォーラム ホールAで2DAYSライブ「坂本真綾LIVE 2022 “un_mute”」を行った。2023年5月に11thアルバム「記憶の図書館」を発表した。6月に4都市6公演の全国ツアー「坂本真綾LIVE TOUR 2023『記憶の図書館』」を開催。

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takora.RIPE @takora9090

回復を祈って魚肉ソーセージでも買ってくるか
https://t.co/MuIjieefLy

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