大阪アジアン映画祭で中国映画「最後の夏」グランプリ、シンガポール映画がラスト飾る

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第21回大阪アジアン映画祭が9月7日に閉幕。コンペティション部門のグランプリ(最優秀作品賞)に、中国のシー・レンフェイ(史任飛)監督作「最後の夏」が輝いた。

第21回大阪アジアン映画祭の受賞者たち ©OAFF EXPO2025-OAFF2026

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大阪アジアン映画祭グランプリは中国映画「最後の夏」

「最後の夏」場面写真

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「最後の夏」を監督したシー・レンフェイ(史任飛) ©OAFF EXPO2025-OAFF2026

「最後の夏」を監督したシー・レンフェイ(史任飛) ©OAFF EXPO2025-OAFF2026 [高画質で見る]

「最後の夏」は、不慮の事故で幼女を殺してしまった女子高生が直面する苦悩から、現代に生きる中国の若者のありようを多角的に描いた人間ドラマ。審査員からは「脚本がとても魅力的であり、監督の一貫した演出は作品全体を掌握し、ブレることなく冒頭からラストシーンまで観客の心をつかんで離さない」と高く評価された。初来日したシー・レンフェイは「大阪の街をブラブラし、会場近くの川沿いも歩き、風を感じていると、ふるさとにいるような気持ちになりました」と語り、「本作は現代の中国の社会、そこで生きる人、家族、モラル的なジレンマを描いた作品です。観客の皆さんに共感の声をいただけたことがうれしい」と喜びを伝えた。

イベントレポート

韓国映画「おひとりさま族」監督、“来るべき才能賞”で再び受賞

「寒いのが好き」場面写真 ©The Coup Distribution

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「寒いのが好き」を監督したホン・ソンウン ©OAFF EXPO2025-OAFF2026

「寒いのが好き」を監督したホン・ソンウン ©OAFF EXPO2025-OAFF2026 [高画質で見る]

“アジア映画の未来を担う才能”を評価する「来るべき才能賞」には、韓国映画「寒いのが好き」の監督ホン・ソンウンが選ばれた。2022年に初監督作品「おひとりさま族」で大阪アジアン映画祭のグランプリを受賞したホン・ソンウンは「私にとって特別な映画祭です」と述べ、「映画産業は困難な時期を迎えていると感じ悲観的になっていたのですが、今回の受賞で明るい気持ちでがんばろうと思うことができました」と感謝の意を示す。

日本からは田中未来と磯部鉄平が栄誉に

「ジンジャー・ボーイ」場面写真 ©JIJI

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「ブルー・アンバー」場面写真 ©JIJI / SPOTTED PRODUCTIONS

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「ジンジャー・ボーイ」を監督した田中未来 ©OAFF EXPO2025-OAFF2026

「ジンジャー・ボーイ」を監督した田中未来 ©OAFF EXPO2025-OAFF2026 [高画質で見る]

インディフォーラム部門の日本映画を対象に、米国ニューヨーク市のジャパンソサエティが授与する「JAPAN CUTS Award」は田中未来の監督作「ジンジャー・ボーイ」が受賞。本映画祭で「焦点監督・田中未来」と題して特集が組まれ、「ブルー・アンバー」「エミレット」「ジンジャー・ボーイ」の3作品が上映された田中は「その中でも『ジンジャー・ボーイ』は特に思い入れが強い作品です。第78回カンヌ映画祭でも受賞し、活躍の場を広げてくれたきっかけとなった作品を名誉ある賞に選んでいただき、とてもうれしいです」と素直な思いを口にする。60分未満の映画を対象とした芳泉短編賞でも、「ブルー・アンバー」がスペシャル・メンションに選ばれる結果となった。

イベントレポート
「嘘もまことも」場面写真

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「嘘もまことも」を監督した磯部鉄平 ©OAFF EXPO2025-OAFF2026

「嘘もまことも」を監督した磯部鉄平 ©OAFF EXPO2025-OAFF2026 [高画質で見る]

また観客賞には磯部鉄平監督作「嘘もまことも」が選ばれ、磯部は「ツッカケ履いてチャリで、観客気分で来ました。大阪アジアン映画祭はもともと観客として来ていて、映画を撮り始めてから、いつか舞台に立てたらいいなと思っていました。その願いが叶いました」と大阪在住ならではのコメントで会場を沸かせた。

すべての受賞結果は記事の後半に掲載している。

シンガポール映画「好い子」でフィナーレ

「好い子」場面写真 ©ALL RIGHTS RESERVED © 2025 BYLEFT PRODUCTIONS

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映画祭のラストを飾ったのは、シンガポール発のヒューマンドラマ「好い子」。クロージング作品として世界初上映され、監督のワン・グォシ(王國燊)、ドラァグクイーンの主人公を演じたリッチー・コー(許瑞奇)、母親役のホン・フイファン(洪慧芳)が舞台挨拶に登壇した。同作は、自分を拒絶した父の死をきっかけに実家に戻ったドラァグクイーンが、彼を“娘”と思い込んだ認知症の母と過ごすうちに、過去を受け入れながら家族との絆を紡ぎ直していく物語だ。

シンガポール映画「好い子」舞台挨拶の様子。左からリッチー・コー、ホン・フイファン、ワン・グォシ ©OAFF EXPO2025-OAFF2026

シンガポール映画「好い子」舞台挨拶の様子。左からリッチー・コー、ホン・フイファン、ワン・グォシ ©OAFF EXPO2025-OAFF2026 [高画質で見る]

左からリッチー・コー(許瑞奇)、ホン・フイファン(洪慧芳) ©OAFF EXPO2025-OAFF2026

左からリッチー・コー(許瑞奇)、ホン・フイファン(洪慧芳) ©OAFF EXPO2025-OAFF2026 [高画質で見る]

外見の美しさと内面の葛藤を体現したリッチー・コーは「肉体的にも精神的にもプレッシャーを感じた」と役作りについて明かし、監督などスタッフに助けてもらったことへの感謝を述べる。ホン・フイファンは最初は脚本に戸惑いを覚えたというが、実在の人物の体験をもとに翻案した脚本を読み進める中で物語を受け入れ、「役作りにも自然に入り込むことができ、素晴らしい作品に参加することができました」と述懐。そしてシンガポール映画界を牽引する新世代として注目を集めるワン・グォシが「観客の皆さんにもシンガポール映画からシンガポールなりの人間、家族の温かさ、優しさを感じていただけることを願っています」と挨拶すると、会場は大きな拍手に包まれた。

第21回大阪アジアン映画祭は8月29日から9月7日まで開催され、アジア20の国と地域から集まった68作品が上映された。

第21回大阪アジアン映画祭 受賞結果

グランプリ(最優秀作品賞)

「最後の夏」シー・レンフェイ(史任飛)

来るべき才能賞

ホン・ソンウン(「寒いのが好き」)

スペシャル・メンション

「世界日の出の時」ジュー・シン(祝新)
マリス・ラカル(「サンシャイン」主演)

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薬師真珠賞

タンディン・ビダ(「アイ、ザ・ソング」出演)

JAPAN CUTS Award

「ジンジャー・ボーイ」(田中未来)

芳泉短編賞

「初めての夏」

スペシャル・メンション

「ミルクレディ」
「ブルー・アンバー」

観客賞

「嘘もまことも」

第21回大阪アジアン映画祭 受賞結果とコメント

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