第21回大阪アジアン映画祭が9月7日に閉幕。コンペティション部門のグランプリ(最優秀作品賞)に、中国のシー・レンフェイ(史任飛)監督作「最後の夏」が輝いた。
大阪アジアン映画祭グランプリは中国映画「最後の夏」
「最後の夏」は、不慮の事故で幼女を殺してしまった女子高生が直面する苦悩から、現代に生きる中国の若者のありようを多角的に描いた人間ドラマ。審査員からは「脚本がとても魅力的であり、監督の一貫した演出は作品全体を掌握し、ブレることなく冒頭からラストシーンまで観客の心をつかんで離さない」と高く評価された。初来日したシー・レンフェイは「大阪の街をブラブラし、会場近くの川沿いも歩き、風を感じていると、ふるさとにいるような気持ちになりました」と語り、「本作は現代の中国の社会、そこで生きる人、家族、モラル的なジレンマを描いた作品です。観客の皆さんに共感の声をいただけたことがうれしい」と喜びを伝えた。
韓国映画「おひとりさま族」監督、“来るべき才能賞”で再び受賞
“アジア映画の未来を担う才能”を評価する「来るべき才能賞」には、韓国映画「寒いのが好き」の監督ホン・ソンウンが選ばれた。2022年に初監督作品「
日本からは田中未来と磯部鉄平が栄誉に
インディフォーラム部門の日本映画を対象に、米国ニューヨーク市のジャパンソサエティが授与する「JAPAN CUTS Award」は
また観客賞には
すべての受賞結果は記事の後半に掲載している。
シンガポール映画「好い子」でフィナーレ
映画祭のラストを飾ったのは、シンガポール発のヒューマンドラマ「好い子」。クロージング作品として世界初上映され、監督のワン・グォシ(王國燊)、ドラァグクイーンの主人公を演じたリッチー・コー(許瑞奇)、母親役の
外見の美しさと内面の葛藤を体現したリッチー・コーは「肉体的にも精神的にもプレッシャーを感じた」と役作りについて明かし、監督などスタッフに助けてもらったことへの感謝を述べる。ホン・フイファンは最初は脚本に戸惑いを覚えたというが、実在の人物の体験をもとに翻案した脚本を読み進める中で物語を受け入れ、「役作りにも自然に入り込むことができ、素晴らしい作品に参加することができました」と述懐。そしてシンガポール映画界を牽引する新世代として注目を集めるワン・グォシが「観客の皆さんにもシンガポール映画からシンガポールなりの人間、家族の温かさ、優しさを感じていただけることを願っています」と挨拶すると、会場は大きな拍手に包まれた。
第21回大阪アジアン映画祭は8月29日から9月7日まで開催され、アジア20の国と地域から集まった68作品が上映された。
第21回大阪アジアン映画祭 受賞結果
グランプリ(最優秀作品賞)
「最後の夏」シー・レンフェイ(史任飛)
来るべき才能賞
ホン・ソンウン(「寒いのが好き」)
スペシャル・メンション
「世界日の出の時」ジュー・シン(祝新)
マリス・ラカル(「サンシャイン」主演)
薬師真珠賞
タンディン・ビダ(「アイ、ザ・ソング」出演)
JAPAN CUTS Award
「ジンジャー・ボーイ」(田中未来)
芳泉短編賞
「初めての夏」
スペシャル・メンション
「ミルクレディ」
「ブルー・アンバー」
観客賞
「嘘もまことも」
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大阪アジアン映画祭で中国映画「最後の夏」グランプリ、シンガポール映画がラスト飾る (ナタリー)
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