「万博追跡」2Kレストア版世界初上映、ジュディ・オングが万博でのゲリラ撮影回想

2025年8月30日 10:44 61 2 映画ナタリー編集部

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第21回大阪アジアン映画祭（OAFF2025）が昨日8月29日に開幕。オープニング作品として「万博追跡（2Kレストア版）」が世界初上映され、キャストのジュディ・オングと国家電影及視聴文化中心（TFAI）のチェアマンであるアーサー・チュウが登壇した。

第21回大阪アジアン映画祭オープニングイベントに登壇したジュディ・オング

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「万博追跡 2Kレストア版」場面写真 ©︎2025 Taiwan Film and Audiovisual Institute. All rights reserved.

TFAIによって復元された本作は、1970年の大阪万博で台湾パビリオンのコンパニオンに抜擢された少女・雪子がかつて母と自分を助けてくれた台湾の恩人を探すため、万博会場を駆け巡るさまを描いた物語。彼女はその過程で父と恩人のある過去を知ることになる。ジュディ・オングが雪子を演じた。

国家電影及視聴文化中心（TFAI）のチェアマンであるアーサー・チュウ［拡大］

アーサー・チュウは「今回、国家電影及視聴文化中心が修復した作品を、大阪万博に合わせて上映していただき、光栄です」と述べ、「映画の見どころは私の隣にいる方、ジュディ・オングさんです！ 20歳のジュディ・オングさんを観ていただきたいです！」と力説。作品を修復する際に大切にしていることを問われると「映画というのは、歴史や文化を反映するもの。その時代の魂を映画で表現していると思うので、それをご覧いただけるように修復しています」と語った。

「万博追跡（2Kレストア版）」のポスターに写った雪子と同じポーズを決めるジュディ・オング［拡大］

前日に大阪万博を訪れたというジュディ・オングは「死ぬかと思いました！暑くて！」と言って、会場の笑いを誘ってから「1970年の万博は近未来の社会への夢が膨らむような内容だったと思いますが、今回の大阪万博はいかに自然と人間が共存していくかということがテーマになっていました。自分たちさえよければいいという時代もありましたが、これからは地球からいただいたものを返す時代に入っていくんだと感じました」と伝える。

第21回大阪アジアン映画祭オープニングイベントの様子。左からアーサー・チュウ、ジュディ・オング、武田梨奈［拡大］

1970年の大阪万博で撮影された「万博追跡」だが、人の行き来を止めたりすることはできなかったそう。ジュディ・オングは「映画の撮影はできないので、ドキュメンタリーを撮るということで許可を取ったんです。だからゲリラ撮影でした。監督が小声で『よーい、スタート』と言って、撮影を始めるんだけど、周りに気付かれることもありましたね（笑）」と回想。司会が「カメラ目線の人もいましたね」と口にすると、会場からは笑いが起こった。

第21回大阪アジアン映画祭は、9月7日まで大阪・ABCホール、テアトル梅田、T・ジョイ梅田、大阪中之島美術館、大阪市中央公会堂で開催。