少女の死を招いた女子高生描く、中国映画「最後の夏」シー・レンフェイがOAFF登場

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中国映画「最後の夏」(原題「夏墜」)が第21回大阪アジアン映画祭(OAFF2025)で上映され、本日9月5日に大阪・ABCホールで行われたQ&Aに監督のシー・レンフェイ(史任飛)、プロデューサーのリン・ボーユー(林博宇)、ポストプロダクション・スーパーバイザーのホー・グオウェイが登壇した。

中国映画「最後の夏」の監督シー・レンフェイ(史任飛)

中国映画「最後の夏」の監督シー・レンフェイ(史任飛)

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「最後の夏」場面写真

「最後の夏」場面写真[拡大]

本映画祭で海外初上映された本作は、大学入試を目前に控えた優等生ジージーを主人公とする物語。彼女はある日、ベランダから父親の不倫現場を目撃する。そのショックで置いてあった灰皿を落とし、階下で遊んでいた少女が亡くなってしまうことに。警察の捜査が始まるも、事実を言い出せず、良心の呵責に苛まれるジージー。両親は彼女の様子がおかしいことに気付くも、娘を入試に挑ませるため、事実を隠蔽しようとする。オーディションで選ばれたツイ・ジョンユー(崔鍾予)が、家族の裏切りで壊れる寸前の高校生ジージーを演じた。

中国映画「最後の夏」の監督シー・レンフェイ(史任飛)

中国映画「最後の夏」の監督シー・レンフェイ(史任飛)[拡大]

シー・レンフェイは「中国の大学入学試験は、若い人の人生の中で、大変大きな出来事です。単に勉強し、知識を吸収するだけではなく、入試そのものが、若者の人格形成に大きな影響を与えていて、18年の人生のすべてに関わっています。また若者だけでなく、その家庭にも非常に大きな影響を与えているんです。この作品では、子供が安心して試験に臨めるように、両親はある事実を隠していますが、試験期間中は悪い話は伝えないというようなことがあるんです」と説明。そして「こういった状況は、私が成長する中で、ずっとつきまとってきた課題です。この世に生きている意義はいったいなんなのか? 成績がよければいい、先生や親に喜んでいるために生きている、そういったことに私は対抗していきたいという意識が強いんです」と語った。

中国映画「最後の夏」のポストプロダクション・スーパーバイザーであるホー・グオウェイ

中国映画「最後の夏」のポストプロダクション・スーパーバイザーであるホー・グオウェイ[拡大]

本作では、ジージーを取り巻く問題のほか、彼女と同級生の男の子との交流も描かれる。シー・レンフェイは「彼は、ジージーが少女を殺してしまったことになんら関係がない存在です。とてもつらい気持ちを抱えているジージーにとって、彼は逃避できる場所になっているんです」と言い、「常に重圧にさらされていると人は死んでしまいます。私が描きたかったのは、ジージーが少女を殺してしまったことから、一直線に死に向かっていくような話ではなく、山あり谷ありの中で爆発していく様子だったんです」と言及する。

中国映画「最後の夏」プロデューサーのリン・ボーユー(林博宇)

中国映画「最後の夏」プロデューサーのリン・ボーユー(林博宇)[拡大]

最後にリン・ボーユーは「プロデューサーとして、より多くの日本の観客に届けるため、日本で配給できるようがんばりたいと思っています」と伝えた。

第21回大阪アジアン映画祭は、9月7日まで大阪・ABCホール、テアトル梅田、T・ジョイ梅田、大阪中之島美術館、大阪市中央公会堂で開催。

中国映画「最後の夏」予告編

第21回大阪アジアン映画祭

2025年8月29日(金)~9月7日(日)
大阪府 ABCホール、テアトル梅田、T・ジョイ梅田、大阪中之島美術館、大阪市中央公会堂

オープニング作品

  • 万博追跡(台湾)

コンペティション部門

  • ワン・ガール・インフィニット(アメリカ、シンガポール、ラトビア)※アジア初上映
  • 世界日の出の時(中国)※日本初上映
  • 退避(カザフスタン)※日本初上映
  • アイ、ザ・ソング(ブータン、フランス、ノルウェー、イタリア)※日本初上映
  • 紅い封筒(タイ)※日本初上映
  • シャンバラストーリー(日本、アメリカ、インド)※世界初上映
  • 寒いのが好き(韓国)※日本初上映
  • 浅浅歳月(香港)※日本初上映
  • 私たちの意外な勇気(台湾)※日本初上映
  • 最後の夏(中国)※海外初上映
  • サンシャイン(フィリピン)※日本初上映

特別注視部門

  • 橋(ブータン)※世界初上映
  • D-デイ、フライデイ(韓国)※日本初上映
  • 明日が来る前に(中国)※世界初上映
  • 初めての夏(韓国)※日本初上映
  • その間(インド)※世界初上映
  • MA-沈黙の叫び(ミャンマー、韓国、シンガポール、フランス、ノルウェー、カタール)※日本初上映
  • コンチェッタ、どこにいるの?(タイ)※海外初上映
  • トゥームウォッチャー(タイ)※日本初上映
  • ウィービング(韓国)※海外初上映
  • あなたを植える場所(韓国)※アジア初上映
  • クィアパノラマ(香港、アメリカ)※日本初上映

インディ・フォーラム部門

  • 生きているんだ友達なんだ(日本)
  • 結局珈琲(日本)※世界初上映
  • 白昼夢(日本)※世界初上映 / R15+指定作品
  • カミナンって、呼ぶな。(日本)※世界初上映
  • 夢と進路(日本)※世界初上映
  • 火の華(日本)※世界初上映
  • 息子の鑑(日本)※世界初上映
  • イマジナリーライン(日本)
  • 糸の輪(日本)
  • たぶん未来が呼んでいる(日本)※世界初上映
  • ミルクレディ(日本)※日本初上映
  • よそ者の会(2025)(日本)
  • 桃味の梨(日本)※世界初上映
  • わたのはらぞこ(日本)
  • 星野先生は今日も走る(日本)※世界初上映
  • 嘘もまことも(日本)※世界初上映
  • まっすぐな首(日本、中国)※日本初上映
  • もういちどみつめる(日本)※世界初上映

インディ・フォーラム部門<焦点監督・田中未来>

  • ブルー・アンバー(日本)※世界初上映
  • エミレット(日本)
  • ジンジャー・ボーイ(日本)

特集企画<台湾:電影ルネッサンス EXPO 2025>

  • 黒犬(台湾)※日本初上映
  • 洗(台湾)※日本初上映

小特集<台湾クラシックスとTFAIのレストア成果>

  • ドラゴン・スーパーマン(レストア版)(台湾、日本)※日本初上映
  • 進学を拒絶した人生(2Kレストア・ディレクターズカット版)(台湾)※日本初上映
  • さようなら十七歳(2Kレストア版)(台湾)※世界初上映
  • 寂寞十七歳(レストア版)(台湾)※アジア初上映
  • 私たちの意外な勇気 ※コンペティション部門にも入選

特集企画<Special Focus on Hong Kong EXPO 2025>

  • レッド・キス(香港)※海外初上映
  • フルムーン・イン・ニューヨーク(デジタル・リマスター版)(香港)
  • 上海ブルース(レストア版)(香港)※日本初上映
  • 浅浅歳月 ※コンペティション部門にも入選
  • クィアパノラマ ※特別注視部門にも入選
  • 私立探偵 ※日本初上映

特別招待作品部門

  • フレイムユニオン 最強殺し屋伝説国岡[私闘編](日本)※世界初上映

神戸女学院大学国際学部協賛上映

  • 晩秋(インド)※日本初上映

特別上映 《VIPO Film Awardの成果》

  • ポストハウス(フィリピン)※海外初上映

クロージング作品

  • 好い子(シンガポール)

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