ネタバレ注意!「真田十勇士」勇ましく開幕、勘九郎「今日が千秋楽ならいいのに」

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真田十勇士」が、本日9月11日に東京・新国立劇場 中劇場にて開幕。初日に先がけてゲネプロの一部が公開され、出演者の中村勘九郎加藤和樹篠田麻里子加藤雅也浅野ゆう子と、演出を手がける堤幸彦が囲み取材に応じた。

「真田十勇士」より。左から、山口馬木也演じる久々津壮介、中村勘九郎演じる猿飛佐助。

「真田十勇士」より。左から、山口馬木也演じる久々津壮介、中村勘九郎演じる猿飛佐助。

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「真田十勇士」フォトセッションの様子。

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本作は勘九郎主演、堤演出、マキノノゾミ脚本によって2014年に初演された「真田十勇士」の再演版。“天下に知られる名将”という虚像と実像のギャップに悩む真田幸村を、10人の家臣が盛り立てようと奮闘するさまが描かれる。公演と同時期に映画版が公開され、小説本も出版されるなど、メディアを横断して行われる作品展開が話題を集めている。

「真田十勇士」より。

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主人公・猿飛佐助役を演じる勘九郎は「堤監督が製作発表のときにおっしゃっていた『大変です』という言葉、まさにその通りで本当に“大変”でした。今日が千秋楽だったらいいのに、と思っております!」と朗らかに口火を切り、記者たちの笑いを誘う。

「真田十勇士」より、中村勘九郎演じる猿飛佐助。

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初演、映画を経ての再演について問われると「初演ではアクションからほとばしる“熱”に重きを置いていました。対して映画はカットで進んでいくので、一つひとつのカットに全身全霊を込められましたが、それを舞台でやってしまうとぶっ倒れてしまう。でも初演時に重視していた“熱”も常に持っていなければなりません。実際にすでに何人かぶっ倒れていますが、マジで倒れる人が出ないことを祈っています」と激しい舞台裏を明かす。

「真田十勇士」より。

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勘九郎の言葉を受けた堤は、演出として「申し訳ございません!」とキャストに向かって一礼。「いえいえいえいえ……」と声を揃えて恐縮する一同に、報道陣から笑いがこぼれる。再演の見どころについては「初演で作り上げた、自由自在に動き回るセットを生かした合戦のシーンを、いっさいがっさいリニューアルいたしました。前回ご覧になった方も『あれ? パワーアップしているな』と思っていただけるような仕上がりになったと思います」と述べ、出来栄えに自信を覗かせた。

「真田十勇士」より。

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初演と映画で十勇士の1人である由利鎌之助を演じた加藤和樹は、再演では佐助の相棒である霧隠才蔵を務める。「稽古当初は前の役がまだ残っていて、『鎌之助!』と呼ばれると反応してしまうところがありました。今回は映画で松坂桃李くんが演じた才蔵をいい意味で超えていかなければと思っています。才蔵の生き方、佐助とのコンビネーションを意識しながら臨みます」と意気込んだ。

「真田十勇士」より、篠田麻里子演じる火垂。

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女忍者の火垂役を演じる篠田は「今、私が出し切れる全力で乗り切りたい」と決意を述べる。また初挑戦となる立ち回りに時間を割いた約1カ月の稽古期間を「動きがどうしてもダンスっぽくなって流れてしまって。それで『本当に殺しに行く気持ちがないと成り立たない』という感情や間を取り入れた演技のご指導をいただきました」と振り返り、充実した稽古の様子を窺わせた。

初演と映画版を通じて真田幸村に扮した加藤雅也は「映画ではCGやカット割りを使って、かなり迫力ある合戦シーンが表現できました。でも舞台ではそうした効果が使えませんので、生身の体を使って立ち向かうことになります」と映画と舞台の違いについて言及。その上で「舞台では生身の“熱”をお客さんにお見せできれば。映画とはまた異なる合戦シーンが展開できると思います」と見どころを語る。

「真田十勇士」より。浅野ゆう子演じる淀殿。「セクシー・バス・ストップ」と紹介され、足首をチラリ。

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淀殿役にキャスティングされた浅野は、十勇士をはじめとするアクションシーンを「泣けるんですよ。私は“いの一番”の観客として、それを拝見し続けてこられたことに幸せを感じております」と紹介。そして「ひょっとしたら最後の最後に、その立ち回りにお邪魔しちゃうかも? そんな危なっかしいシーンもあるかもしれません」と茶目っ気たっぷりに笑みを浮かべた。

ゲネプロは、中村橋之助のナレーションに合わせ、登場人物15人の紹介がなされる“第一幕序景”からスタート。それぞれが決めゼリフを発しながら見得を切る中、「その存在は永遠に我が国の“セクシー・バス・ストップ”」と紹介された浅野演じる淀殿は、足首をチラリ。加藤和樹演じる才蔵は、ミュージカル「レ・ミゼラブル」に登場するナンバー「民衆の歌」を高らかに歌いながら登場した。勘九郎演じる佐助に「おいコラ! ここ帝劇じゃねえんだから! 真面目にやりなさい?」とツッコまれ、「はい……」と大人しく引き下がるひと幕も。

「真田十勇士」より、加藤雅也演じる真田幸村。

「真田十勇士」より、加藤雅也演じる真田幸村。[拡大]

佐助は「よっ! 中村屋!」と囃し立てる橋之助のナレーションに「再演もやりづら! 身内が出てきちゃったよ……」と漏らす。しかし続く「喉と腰に気をつけてがんばりなさいよ?」という叔父の励ましに「橋之助さん、芝翫襲名おめでとうございまーす!」と呼びかけるなど、役と本人を交えた華やかなオープニングとなった。

続いて繰り広げられたのは“大坂夏の陣”の場面。敵味方が入り乱れて迫力の立ち回りが行われる中、海野六郎(栗山航)、望月六郎(青木健)、由利鎌之助(丸山敦史)、筧十蔵(高橋光臣)が次々と絶命していく。佐助と山口馬木也演じる久々津壮介による一騎打ちの場面では、客席にせり出すセットの上で歌舞伎風の立ち回りが行われ、才蔵と石垣佑磨演じる仙九郎はワイヤーに宙吊りにされ登場。映像を交えながら空中で一騎打ちが展開された。

「真田十勇士」より、村井良大演じる根津甚八。

「真田十勇士」より、村井良大演じる根津甚八。[拡大]

なおこのほど、徳川家康役として松平健が映像出演することも発表された。東京公演は10月3日まで。その後、10月8日から10日まで神奈川・KAAT神奈川芸術劇場、10月14日から23日まで兵庫・兵庫県立芸術文化センター KOBELCO 大ホールへと巡演する。

※動画は現在非公開です。

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「真田十勇士」

2016年9月11日(日)~10月3日(月)
東京都 新国立劇場 中劇場

2016年10月8日(土)~10日(月・祝)
神奈川県 KAAT神奈川芸術劇場

2016年10月14日(金)~23日(日)
兵庫県 兵庫県立芸術文化センター KOBELCO 大ホール

脚本:マキノノゾミ
演出:堤幸彦

キャスト

猿飛佐助:中村勘九郎
霧隠才蔵:加藤和樹
火垂:篠田麻里子
筧十蔵:高橋光臣
根津甚八・豊臣秀頼:村井良大
三好清海:駿河太郎
三好伊三:荒井敦史
海野六郎:栗山航
真田大助:望月歩
望月六郎:青木健
由利鎌之助:丸山敦史
仙九郎:石垣佑磨
久々津壮介:山口馬木也
真田幸村:加藤雅也
淀殿:浅野ゆう子

柳生宗矩:野添義弘
大野治長:奥田達士
大野治房:渡辺慎一郎
みつ:田島ゆみか
毛利勝永:荒木健太朗
後藤又兵衛:横山一敏
ほか

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