cinema staffトラブル乗り越え初リキッドワンマン遂行

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cinema staffが昨日7月15日にLIQUIDROOM ebisuにてワンマンライブ「望郷」を開催した。

7月15日にLIQUIDROOM ebisuで行われたcinema staffワンマンライブ「望郷」の様子。(撮影:橋本塁)

7月15日にLIQUIDROOM ebisuで行われたcinema staffワンマンライブ「望郷」の様子。(撮影:橋本塁)

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飯田瑞規(Vo, G)(撮影:橋本塁)

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辻友貴(G)(撮影:橋本塁)

辻友貴(G)(撮影:橋本塁)

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三島想平(B)(撮影:橋本塁)

三島想平(B)(撮影:橋本塁)

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久野洋平(Dr)(撮影:橋本塁)

久野洋平(Dr)(撮影:橋本塁)

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このライブは、メジャーデビュー作「into the green」のリリースを記念して、彼らの地元岐阜および現在の拠点である東京にて行われたもの。本編は新旧の楽曲が並ぶセットリストが組まれ、バンドの変遷をたどる集大成的なステージが繰り広げられた。

この日、緊張した空気が漂うステージに順番に登場したメンバーは、1人ひとり丁寧にオーディエンスに挨拶。「水平線は夜動きます」という言葉から、三島想平(B)がイントロでアコースティックギターを奏でる1曲目の「水平線は夜動く」へ。飯田瑞規(Vo, G)の伸びやかなボーカルが響き、フロント3人の丁寧なアンサンブルと久野洋平(Dr)の力強いリズムと絡み合う。続けて辻友貴(G)のディストーションギターが曲の世界観を彩る「AIMAI VISION」、バンドの激しい側面が炸裂する「daybreak syndrome」が披露された。三島が「まだまだいけるでしょ?」と煽ったところで、会場の熱気はますます帯びていく。飯田のエモーショナルなボーカルをバックに三島と辻が楽器を抱えて暴れた「AMK HOLLIC」など轟音ナンバーが続く。そして、ヒステリックなギターのイントロから疾走感あふれるサウンドへと流れる「優しくしないで」で、フロアは大きく揺れた。

MCで飯田は「今回は『into the green』をひとつの節目としてcinema staffの歴史をたどるセットリストにしてるんですが……」と「望郷」のコンセプトを説明。さらに「9月に『SALVAGE YOU』というミニアルバムをリリースします。次の2曲はそのアルバムからのナンバーです」と、辻の跳ねるようなギターフレーズから始まるドラマチックな「奇跡」と、深緑のライトがノスタルジックなサウンドを彩った「warszawa」をオーディエンスにプレゼントした。

その流れをくんだまま間髪入れずに「実験室」が始まるはずだったが、飯田のギターがノイズ混じりになり、ライブは一時中断を余儀なくされる。しかし不測の事態にあってもメンバーはオーディエンスを楽しませることを忘れない。三島は「『望郷』のコンセプト的にあんまりしゃべらないってのがあるんですが……」と笑いながら、「技術は日々向上しようとスタジオに入ってます。日々こういうトラブルがないよう練習してるんですけど。全然テンパってない!」と語り、久野をフロントへ呼び出しギターの弾き語りをリクエストしたり、辻をいじったり、トラブルも笑いに変えてみせた。

飯田のギターが無事復活したところでライブも再開。トラブルを引きずることなく、メンバーは1音目を奏でた瞬間に「実験室」の世界へと入り込んでいく。その後、ライブはクライマックスに向けて加速。合間に三島は先輩の9mm Parabellum Bulletのライブを観にLIQUIDROOM ebisuに足を運んだ思い出を明かし、「自分がここでライブするなんて思わなかったけど、続けるもんですね」としみじみ語った。メンバーは手元を確認しながら、何度もフロアに視線を投げ掛けつつ、激情がほとばしる「super throw」、めまぐるしい展開が聴き手を翻弄する「想像力」など激走ナンバーを次々と届ける。

「自分とこの場に来ている皆様、我々の音楽を聴いてくれる皆様を幸せにできる音楽を作りたい。まだまだ続けていきたいと思います。我々は岐阜から来ましたcinema staffです」と改めて三島が挨拶したことをきっかけに、「into the green」が始まる。初々しさとみずみずしさをたたえたサウンドと飯田のボーカルがフロアいっぱいに広がり、終盤はcinema staffらしくギターのハウリング音が深い余韻を残した。

「into the green」で本編を無事完結したことを受けて、アンコールは遊び心も盛り込んだ内容に。まずは先輩9mmの「Talking Machine」をcinema staff流にカバー。飯田の透明感ある歌声と、三島のシャウトのコントラストがオーディエンスを魅了していた。そしてラストナンバーの「Poltergeist」では、久野の4つ打ちのドラムに乗せて、トリッキーなギターや飯田と三島の絶唱やシャウトが響く。彼ららしい混沌とした空気が漂う中で、cinema staff初のLIQUIDROOM ebisuワンマンはフィナーレを迎えた。

ライブ終了後メンバーは、ナタリーの取材に対してそれぞれに心境を吐露。三島は「トラブルもあってバタバタした部分もあったけど、オーディエンスの待っていてくれる感じが伝わってきて楽しかった。トラブルがあった分課題も見えてきたし、いいライブになったと思います」、久野は「一筋縄ではいかないライブだったけど、それも楽しかった。やっぱりLIQUIDROOMって(自分たちが)観に来るハコだったから、自分たちのイベントができるのがうれしかったし。11月にもう1回ライブがあるんでもっといいライブにしたい」と語った。

昨日のライブで一番緊張したであろう飯田は、「トラブルもあったけど、その分たくさんのスタッフやファンに支えられてるのを感じられましたね。ホントにメンバーに支えられてるなと」とコメント。辻は「今日はホント楽しかったですね。生ならではのトラブルもありましたけど、それがあったから後半のライブが生きたかなと。4カ月後のリキッドでのライブは会場に穴を空けたいですね。それくらい盛り上がるライブがやりたいです」と意気込んだ。

なおcinema staffは9月5日に新作ミニアルバム「SALVAGE YOU」を発表。同作をタワーレコードもしくはTSUTAYA RECORDSにて購入すると、LIQUIDROOM ebisu公演の模様を収録したDVDがプレゼントされる。なお収録内容は、購入店によって異なる。

cinema staff「cinema staff 1st E.P.『into the green』release oneman live『望郷』」
2012年7月15日 東京都 LIQUIDROOM ebisu セットリスト

01. 水平線は夜動く
02. AIMAI VISION
03. daybreak syndrome
04. ニトロ
05. AMK HOLLIC
06. 部室にて
07. シンメトリズム
08. 第12感
09. 優しくしないで
10. KARAKURI in the skywalkers
11. 奇跡
12. warszawa
13. 実験室
14. skeleton
15. 棺とカーテン
16. 白い砂漠のマーチ
17. super throw
18. 想像力
19. 君になりたい
20. into the green
<アンコール>
21. Talking Machine
22. Poltergeist

※記事初出時、「skeleton」の表記に誤りがありました。訂正してお詫びいたします。

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