12月15日に東京・中野サンプラザホールにて、Lily Chou-Choの単独ライブ「Lily Chou-Chou 2010.12.15 Live“エーテル”」が開催された。
小林武史や
彼らにとって再始動ライブとなったこの日。会場にはプレミアムチケットを手に入れた幸運なファン約2200人が足を運び、目の前で繰り広げられるLily Chou-Chouの魅惑的なパフォーマンスに釘付けになった。
定刻を迎えると、静寂に包まれた会場がゆっくりと暗転。ザァーという音とともに、スクリーンに砂嵐の映像が映し出される。劇的な演出に客席にほのかな緊張が走る中、大鐘の音が高らかに響き、厳かな雰囲気が漂い始めた。そしてステージに小林、Salyu、名越といったメンバーが登場。「共鳴(空虚な石)」を歌う伸びやかな歌声とともにライブの幕が上がった。
ベールがかかったようなほの暗いステージの上で、情感豊かな声が響く。その歌声に飲み込まれた観客は、身じろぎもせずステージに見入った。続いては小林の弾くサイケデリックなシンセが響く「愛の実験」へ。極彩色のオイルアートがスクリーンを彩り、ドープな空気を醸し出していく。その後も、妖艶で挑発的なボーカルが映える「飛行船」、水面に星空を写した美しい光景とたおやかな歌声がリンクした「飽和」など、Lily Chou-Chouの楽曲が続けられた。打ち込みの音と名越のノイジーなギターから始まった「エロティック」では、ステージが紫に染められる。そしてフレーズごとに変化する歌声や官能的なサウンドスケープに観客は魅了された。
中盤に突入すると、今度はSalyuの楽曲をバンドスタイルで演奏。「再生」「アイアム」といったLily Chou-Chouのサウンドとリンクする神秘的な楽曲が、次々と披露されていく。「鏡」では突き抜けるような歌声と、ダイナミックなキーボードが会場の落ち着いたムードを一変。さらに流れる雲や街中の風景がスクリーンに映し出され、疾走感を煽る。そしてこのパートの最後を飾ったのは、小林のキーボードと彼女の歌声から始まった「プラットホーム」。スクリーンには車窓からの風景が投影され、ノスタルジックな気分を誘った。
シンフォニックな音と宇宙空間の映像がミステリアスな雰囲気を引き出した「アラベスク」を挟み、再びSalyuの楽曲を演奏するパートに。鼓動のようなリズムと揺らぎのある声が響いた「砂」、狂おしい歌声と躍動的な二重らせんの映像がマッチした「landmark」と緩急をつけた流れに、オーディエンスは翻弄されていく。アップテンポな「My Memory」では、ジャジーなアンサンブルを披露。サーチライトのようなスポットが客席を照らし、躍動的なバンドサウンドとの相乗効果が生まれていた。
ライブの終盤に入ると、再びLily Chou-Chouの楽曲が演奏され、幻想的な色合いを強めていく。陽だまりのような照明が緊張を解きほぐした「飛べない翼」に続き、「回復する傷」ではスクリーンに映し出されたオーロラの映像と、賛美歌を歌うような繊細な声が会場に広がる。
ラストナンバーとして披露されたのは、リリースされたばかりの新曲「エーテル」。9年のときを経て、深さとスケール感を増したLily Chou-Chouの音世界が、ビデオクリップの映像をバックに再現される。ステージ上の一体感と、気迫を感じさせるパフォーマンスは、Lily Chou-Chouの新しい始まりを告げているようだった。
Salyuがマイクを置くと、「Thanks for coming」と感謝を告げるメッセージとともに「グライド」が流れ始める。それを皮切りに、静寂に包まれていた会場に初めて大きな拍手が沸き起こり、ライブはフィナーレへ。Salyuと小林の手招きで名越をはじめバンドメンバーが一列に並び、観客に向かって深々とお辞儀を繰り返す。メンバーがステージを去り、エンドロールが流れている間も拍手は鳴り止むことなく、深い余韻を残してLily Chou-Chouの再始動ライブは終わりを告げた。
「Lily Chou-Chou 2010.12.15 Live“エーテル”」セットリスト
01. 共鳴(空虚な石)
02. 愛の実験
03. 飛行船
04. 飽和
05. エロティック
06. 再生
07. アイアム
08. 鏡
09. 夜の海 遠い出会いに
10. プラットホーム
11. アラベスク
12. 砂
13. landmark
14. My Memory
15. 飛べない翼
16. 回復する傷
17. エーテル
18. グライド
リンク
- Lily Chou-Chou
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Lily Chou-Chou神秘的パフォーマンスで魅せた再始動公演 https://t.co/tcwRSGhcw6