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GEKKO GREEN CYBER SURVIVOR
熱狂のフロアが目に浮かぶ、血の通ったライブアンセム
文 / ナカニシキュウ
北海道・札幌を拠点に活動するGEKKO GREENは、2003年に「神風グリーン」として結成されて以来、20年以上の長きにわたって“汗ダク感情ロック”と称するラウドかつエモーショナルな骨太サウンドを鳴らし続けているバンドだ。バンド名は2006年に「月光グリーン」に改称され、今年1月より表記が「GEKKO GREEN」と改められた。精力的なライブ活動のかたわら劇場版「頭文字D」の劇中曲なども手がけており、フロントマンの月光テツヤ(Vo, G)は作家としても活躍。これまでに乃木坂46「夢を見る筋肉」、僕が見たかった青空「暗闇の哲学者」といった楽曲を提供し、「NHK紅白歌合戦」で歌唱された大泉洋「あの空に立つ塔のように」では作詞に携わっている。
そんなGEKKO GREENは現在、1月にリリースされた「ding-dong」を皮切りに5カ月連続配信リリースを敢行中だが、ここでは彼らの特徴がよくわかる2023年11月発表の「CYBER SURVIVOR」をピックアップ。激しく歪んだギターとベース、ヘビーさと浮遊感を併せ持つドラムビートが音空間を隙間なく埋め尽くし、がなるようなボーカルとドラッギーなリリックがサイケデリックな光景を描き出す、アグレッシブでオルタナティブなアッパーチューンだ。
であると同時に、誇らしげに掲げたピースサインとともに繰り出される「イェーイ イェイ」というキャッチーなリフレインが挟まれるところが一筋縄ではいかないユニークなポイント。音を聴いているだけで、否応なしにシンガロングが巻き起こるフロアが容易に想像できてしまう。サビでこだまする「Go!」のシャウトなどもまったく同様で、観客全体がジャンプとともに叫ぶ様子がありありと目に浮かんでくる。「ライブハウスで鳴らされる音楽とはどういうものであるべきか」を理屈ではなく肌感覚で知り尽くした彼らならではの感性が存分に反映された、血の通ったライブアンセムである。
GEKKO GREEN「CYBER SURVIVOR」
- GEKKO GREEN「CYBER SURVIVOR」
- 2023年11月25日(土)配信開始 / GREEN RECORDS
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GEKKO GREEN(ゲッコウグリーン)
2003年8月20日、札幌にて結成されたロックバンド。アニメ映画「新劇場版 頭文字D」の劇中歌から札幌パークホテルのウエディングソングまで幅広い楽曲を手がけ、「汗ダク感情ロック」を武器としたライブが幅広く支持されている。結成22周年を迎える2025年は自らをいぶし銀に見立て“シルバーイヤー”と銘打ち音楽活動に取り組んでいる。