昨年、世界最大規模の音楽フェス「Coachella Valley Music and Arts Festival」のGobiステージで大トリを飾り、ヨーロッパ、アジア、北米の26カ所を巡るワールドツアーで約6万5000人を動員した新しい学校のリーダーズ。11月からは日本凱旋ツアー「NIPPON Calling Tour 2024」を行い、磨き抜かれたパフォーマンスとスケールアップした演出の数々で日本のファンを圧倒してみせた。
WOWOWでは、日本凱旋ツアーのファイナルとなった東京・国立代々木競技場第一体育館公演の生中継映像を再編集し、メンバーのインタビュー映像を加えた番組「新しい学校のリーダーズ NIPPON Calling Tour 2024 ~Special Edition~」が2月28日にオンエアされる。番組放送に先駆けて音楽ナタリーでは、メンバー4人にインタビューを実施。昨年の活動について振り返ってもらいつつ、WOWOWで放送されるライブ映像の見どころを語ってもらった。
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取材・文 / 三浦良純撮影 / 大木慎太郎
無名を卒業して
──ナタリーでは約3年ぶりのインタビューとなりますが(参照:新しい学校のリーダーズ a.k.a. ATARASHII GAKKO!、88risingから世界デビューした激動の1年振り返る)、2021年の世界デビュー後、本当に驚くほど飛躍されましたね。特に「オトナブルー」が“首振りダンス”とともにヒットした2023年は、テレビで見ない日はないくらい引っ張りだこになっていて。
SUZUKA めっちゃ多かったですね。もうテレビ、テレビ、テレビで。「紅白」にしても「Mステ」にしても、自分たちが観ていた歌番組にアーティストとして出ることができて、「こうなってるんやあ」って感慨がありました。
MIZYU やっぱり「オトナブルー」で聴いてくださる人がすごく増えて、日本でも知ってもらえているのが少しずつ実感できるようになりました。
──2023年末には「NHK紅白歌合戦」に出演して、年明けには初の日本武道館公演を開催して(参照:新しい学校のリーダーズ初の武道館公演に1万2000人集結、新しいファンクラブ開設&FCツアー開催も発表)、国民的アーティストと言える活躍ぶりでした。
SUZUKA ずっとちっちゃい箱で「アリーナー!」って言ったり、「無名」って自虐したりしていたけど、もう「無名」とは言えなくなってしまって。
RIN 「無名卒業ライブ」したのはいつだっけ?
KANON それまでずっと「無名ですけどワンマン」というタイトルでワンマンライブをやってきたけど、2022年5月にZepp DiverCity(TOKYO)で「無名卒業ライブ」を開催して「無名」を卒業したんだよね(参照:新しい学校のリーダーズ初のZepp単独公演も大成功「ゴールだとはまったく思ってない」)。
MIZYU その時点では「無名を卒業する」って根拠はなかったというか「卒業できたらいいな」という思いを込めた題名だったんですけど、有言実行で縛られずに広がっていけましたね。
──当たり前ですけど、もうコンビニとか普通には行けないですよね。
MIZYU さすがに4人では行きづらいですね。
RIN でも遠征のときにおっきい声で名前呼んだりしちゃってさ(笑)。
SUZUKA 「MIZYU、あったでー!」とかな。ライブ終わったあと、納豆とかめかぶとか、ネバネバが食べたくなるんで、ワシらも私服に着替えて「よっしゃ、ネバネバパーティやー!」ってコンビニとか行くんですよ。周りにグッズ着てるリーダーズのファンの方がいらっしゃるから、「MIZYUとか言うな……!」ってな(笑)。
KANON そう言ってたMIZYUが次の日に「SUZUKAー! アイスー!」って言ったり(笑)。
MIZYU 出ちゃうもんだねえ。
去年のライブの本数は?
──2024年はどんな年でしたか?
KANON ライブ三昧の1年でしたねえ。
RIN 旅をしました。
KANON ライブの本数で言ったら何本なんだろ?
RIN んとね、それ数えてインスタに書いたんだ。ちょっと待って。
MIZYU 去年、私たちのオフィシャルファンクラブ・青春部が立ち上がって、5月に青春部ツアーもしたし、そのあと「コーチェラ」があって、ヨーロッパ・アジアツアーや北米ツアーもしたし、最後に日本凱旋ツアーがあって。
KANON 夏フェスに出たり、ワンマン以外でもライブしてるからね。
RIN ステージに立った日は合計66日。ワンマンライブは45回。
一同 おー!
SUZUKA でも、60なんぼって聞くと少なく感じるな。
KANON 2018、19年の頃は、1週間に4回とかライブしてたからね。でも今は1つひとつのライブが大きくなっていて、集まる人数もすごく多くなってる。その中で66本というのは、相当な人たちにライブを観てもらったんだなという感覚です。
SUZUKA 週4でライブしてるときは、100人とかのキャパシティだったもんな。
MIZYU しかも対バンライブだったり、何組も出る中で、30分だったり、15分だったりの持ち時間で。今は2時間とかのワンマンライブを……。
KANON 世界中でねえ……。
RIN ワンマンは多くて年に2、3回だったもんね。それを考えたら45回ってすごい。
SUZUKA (拍手しながら)おつかれサマンバ!
寝て起きたら違う国にいる
──去年はどちらかと言うと海外での活動が中心だったんですかね?
KANON うーん、日本と海外どっちもだよね。
SUZUKA 半々やな。ただ、やっぱ海外におる時間は今までで一番長かったよね。制作で2カ月半、アメリカにおったときもあったけどさ。ツアーでこんなに行くなんて初めての経験やったから。
KANON 4人で世界に戦いに行って、本当に「ただいま」って気分で帰ってきたよね。
RIN “生身”の1年だったという感じ。
SUZUKA どんだけ飛行機乗ったんかな。
MIZYU 何回、保安検査場を通ったんだろ。
SUZUKA アメリカはバスで移動したからさ、カナダとか行くときは、バスの中で国境を超えるんよな。それで夜中に1回起きて、パスポート出して。
KANON バスだと自分がどこにいるか本当にわかんないんだよね。寝て起きたら違う国にいる。
「コーチェラ」と「プリマヴェーラ」
──海外でのライブで言うと、まず4月に「コーチェラ」のGobiステージで大トリを飾りました(参照:新しい学校のリーダーズが2週連続で「コーチェラ」大トリ飾る、SUZUKAは観客とハグ)。「コーチェラ」の景色は、やはり別格でしたか?
SUZUKA 「革命起きてもうた!」って、少年のような気持ちになりましたね。1週目と2週目があって、1週目からたくさん集まってくれたんですけど、配信を観て興味を持ってくださった方が2週目に来てくださったんです。それで2週目はライブがスタートした時点で、はみ出しそうなくらいお客さんがいて、そこからさらに増えていって。私たちも「大トリや!」って、めちゃめちゃ気合い入れて準備してきたんで、エネルギー同士がもうなんかバーン!ってなって……「ザ・アメリカンドリーム」みたいなんに一歩踏み出した感じがしました。
KANON 世界に向けての第一歩、本当に大きすぎる第一歩を踏めたなって思います。
MIZYU あのステージを大盛況で終えられたことは、自分たちにとってもすごく誇らしいことで。もう世界をどれだけ飛び回っても戦えるって自信がよりハッキリ付いた「コーチェラ」でした。
──世界中のアーティストが目指すステージですからね。
MIZYU こんなことが起こるとは思って……ましたけど(笑)。
SUZUKA 感じてましたけど。
MIZYU 現実に起きたなっていう。
SUZUKA 思った以上の光景だったね。
──そして6月からはスペインの大規模音楽フェス「Primavera Sound Festival」を皮切りにワールドツアーが行われました。(参照:新しい学校のリーダーズ、ヨーロッパ・アジアを回るツアー開催)。
RIN 私たちはそれまでヨーロッパに足を踏み入れたことがなくて、「プリマヴェーラ」の大きなステージが初めてだったんですよね。「コーチェラ」とはまた違った未知な感じで、ヨーロッパのお客さんはどんな感じなのか、どのくらい盛り上がってくれるのかが本当にわからなかった。でもステージに立ったら、初めからワーッと人がいて、「コーチェラ」と同じように曲を披露するごとに、ゾロゾロと人が集まってくる様子が見えて。ヨーロッパでもこんなに楽しんでくれる人がいるんだって、その景色からも本当にパワーをもらって、すごくいいツアーのスタートが切れた印象があります。
──そこから国ごとにセットリストや演出は変えて臨んだんですか?
RIN セットリストはツアーごとに変えていった感じですね。ツアーの中でも都度ブラッシュアップしていって。
KANON 1回完成した振付もライブを重ねるごとに変えていって。タイではMILLIちゃんっていう現地のアーティストとコラボした曲「Drama」を披露したんですけど、その曲を披露することだけ決まっていて、振付ができてなかったから、前日に楽屋の中とかで作ったんですよね。
MIZYU 「Drama」はタイでしか披露してないんだよね。
──MILLIさんのパートをRINさんがラップしたら、どこでも披露できるかなと思いました。
KANON 確かに。日本語で歌詞を作っちゃえば。
SUZUKA めっちゃいいと思う。
RIN アリかもね。
KANON では実現したらナタリーさんが発案者ということで。
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